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魔法学園ヤマダ~転生するなら魔法学園とかやりたいって言っただけなのに~  作者: 天野ハザマ


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38話:罠に対する原始的かつ確実な対処法

本日2回目の更新です

 ウルが最初の召喚獣として提示したのはロックゴーレムとウッドドール。

 ウッドドールの方が器用で汎用性はあるが、キアラが選んだのは頑丈なロックゴーレム。

 どちらのゴーレムも良いが、ウッドドールは玄人向けな感じがあってか皆ロックゴーレムを選んでいた。

 そしてそれは恐らくは正解だったのだろう。


「いけー、頑張れロッくん!」


 最初の罠を踏んでからロックゴーレムが完全に先頭になったが、電撃の罠も水でびしょ濡れになる罠もロックゴーレムなら安心だ。

 ……そして、モンスターもロックゴーレムであれば最初の一撃は耐えられるのだ。


「キアラさん、オークが来てる!」

「ゴーレム、ぶっ飛ばしなさい!」

「GOOOO!」


 ゴブリンよりは余程大きな怪物……オークが斧をロックゴーレムに叩きつければロックゴーレムが僅かに欠けて……それでもロックゴーレムは全く意にも介さずオークの顔面に拳を叩き込む。


「隙あり!」


 顔を覆ってがら空きになった腹にリリカが拳を叩き込んで吹っ飛ばし、倒れたところにキアラが「ゴーレム、蹴りなさい!」と命令を投げればロックゴーレムが倒れたオークをとことん蹴っていく。

 だがそれでも反対側に転がって起きようとするオークを、その反対側からリリカが鋭く素早い蹴りを何度も繰り出して。


「もっとですわ! もっと蹴りなさい!」

「おす!」

「GOOOOOO!」


 蹴って蹴って、更に蹴って。やがて動かなくなり消えたオークの代わりにイエンが出現する。


「ふうー……つ、疲れた……」

「やはりオークは頑丈ですわね。火力不足まで露呈したのは大きいですわよ」

「火力かあ……キアラさん、火力ってどうやったら出るんですかね?」

「属性魔法か精霊魔法だと思いますわよ。あとは……魔法武技でしょうけど」


 けれど現状、リリカの魔法拳はゴブリンは楽勝でもオークには楽勝とまではいかない。

 もっと強い武器か、魔法拳をもっと鍛えて火力を上げるしかない。


(キリアン先輩なら……もっとスパって解決しちゃうんだろうな……)


 リリカはそんなことを考えてシュンとしてしまう。帰ったら、もっとエダムに色々教えてもらおうと思うのだが、今はそれは出来ない。だから、出来る範囲でやるしかない。

 とにかく、今はもっと進まなければと。そう拳を握るリリカの顔を、キアラがそっと覗き込む。


「リリカさん、体力の方はどうですの?」

「おす、大丈夫です! まだいけます!」

「では戻る時ですわね」

「えっ。ちょっとくらい無茶するって話だったのでは」

「もうオークを4体倒したでしょう? 現状ではかなり無茶ですわよ」


 実際戦ってみると辛い。リリカが凄い技を使えるようになるか、キアラが攻撃力の高い召喚獣を呼べるようになるか……そのくらいでなければ、何処かでオークに力負けする。今は単純に競り勝っているだけでしかないとキアラには理解できていた。


「正直な話、1階と2階で難易度が違い過ぎますわ。現状の私たちでは一歩間違えただけで死にましてよ」

「うっ……確かにそうかもです……」

「此処は勇気ある撤退、ですわ!」

「おす!」


 キアラの言うことは正しい。リリカもそう感じていた。まだいけると言ったのも本当だが、たとえばあと4体と戦ったとして勝ちきれるかどうか?

 答えは否だ。疲労したリリカはきっとどこかのタイミングで間違える。そして負けるだろう。


(エダム先生のくれた体力回復ポーション、欲しいなあ……アレがあればもっと……)


 エダムが聞けば「それはよくない」と言いそうなことをリリカは考えていたが、とにかく戻るとなれば、それはそれで集中しなければならない。

 ロックゴーレムを再び先頭に歩き出し、リリカは「結構傷ついちゃってるなあ……」と呟く。

 オークの攻撃を真正面から受け止めていたロックゴーレムは傷だらけだ。

 キアラは修復のための魔法も習ってはいるが、外の土がある環境でやる必要があるので……今は出来ない。


「あれ?」

「あら?」


 1階の階段へ向かう途中。リリカとキアラは行きは通り過ぎた横道の先にキラリと光るものを見つける。


「宝箱、ですよね?」

「そうですわね。見逃してたのかしら」


 途中にオークはいないし、取りに行こうと思えば行ける距離ではある。

 リリカとキアラは顔を見合わせて……念のため、ロックゴーレムを宝箱に向かわせる。

 すると電撃の罠が地面から電撃を吐き出して、けれどロックゴーレムには意味はない。


「やっぱり罠がありましたわね……ゴーレム! そのまま宝箱を開けてしまいなさい!」

「GOO」


 キアラの指示を受けてロックゴーレムは宝箱の蓋を開けて。

 突如発射されるように飛んだ宝箱との衝突の衝撃で激しく欠片を撒き散らしながら吹っ飛ぶ。

 いや、違う。あれは宝箱ではない。宝箱から黒い枝のような何かがパキパキと生え……四足の足と二本の腕に変わる。

 開いた宝箱の奥にあるのは、深い闇のような色をした黒。これはモンスター。その名前は。


「ミミック……!? 2階にそんなものがいるんですの⁉」

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