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魔法学園ヤマダ~転生するなら魔法学園とかやりたいって言っただけなのに~  作者: 天野ハザマ


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36話:宝箱には鍵も罠もある。当然だよね?

本日3回目の更新です

 よく話に聞く宝箱の罠には幾つかある。

 たとえば毒矢の罠。宝箱を開けようとすると毒の塗られた針のような矢が飛び出してくる。

 たとえば火炎の罠。これは毒矢ではなく火が吹き出す。

 他にも何らかの効果をもたらすガスや、アラームが鳴り響いたり、魔法的な効果をもたらすものなど……ケガで済むものから致命的なことになるものまで多種多様。

 そしてモンスターを幻影で再現するようなダンジョンで、そんな罠が再現されていないわけがないとキアラは思うし、その通りなのだ。

 とはいえ、地下1階でならそこまで悪質なものは無いが……たとえばロックゴーレムが壊れるだけでもキアラが役立たずになるリスクがある。


(リリカさんにやらせるのは愚策。戦力的に見れば私ですけど、ロックゴーレムの操作が出来なくなることを考えれば無し。ではやはり……)

「ゴーレム、その宝箱を開けなさい」

「GOO」


 キアラの指示に従い、ゴーレムは宝箱の蓋を開けようとして……開かない。

 ゴーレムが確かに上蓋を掴んで引っ張っているのに開かないのだ。


「あれ? もしかして鍵かかってるのかな?」

「構いませんわ。やるしかないのであれば強行突破! ゴーレム! 無理矢理開けなさい!」

「GOOOO!」


 メキャッと。宝箱を掴んだロックゴーレムが引きちぎるようにして開ければ、ガスが宝箱から溢れるように噴き出してその場を包む。

 黄色い色のついた、あからさまに何か効果のあるガスですよ、と主張するガスは防ぐ間もなくキアラたちに入り込んで。


「あ、あはは! あはははははははははは! なにこれ、あははははははは! わ、笑いがとまんないよー!」

「笑いガスですわ! ふふ、うふふ! ほほほほほほほほー! な、なんだか涙が出て……おほほほほ!」

「何その笑い声! ずるいよ、もっと笑っちゃ……あーははははは!」


 涙を流しながら笑うリリカとキアラだが、ロックゴーレムはそういう機能がないので平気……ではあるのだが、キアラの指示がないのでぼーっと突っ立ったままだ。無生物系の……というかゴーレムの弱点といえるだろうか。

 やがてガスが消えた後には笑い疲れて倒れたリリカとキアラが転がっていたが……やがてリリカがよろよろと身体を起こすとキアラをゆっくりと揺する。


「えっと……キアラさん、大丈夫?」

「……変な笑い声の女のことなんて放っておいてくださいます?」

「ごめんなさい。でも本当に面白くて……ぷふっ」

「素直過ぎるのも問題ですわね……」


 色々と諦めた顔をしながらキアラは立ち上がり、ゴーレムのほうに視線を向ける。

 壊したはずの宝箱は「開けられた状態」で元の位置に鎮座しており、このダンジョンの魔法技術の高さを感じさせる。


「あ、あれ? さっきロッくんが壊しましたよねあれ?」

「きっとダンジョンの魔法ですわ。とにかく中身を確認しましょ」

「そ、そうだね!」


 駆け寄って宝箱の中身を覗くと……そこに入っているのは一枚の青い羽根だった。

 大きさはリリカの手のひらよりは大きい程度。美しい青い羽根の根元には銀色の金属による装飾が為されていて、これでペン先でもついていれば華麗な羽ペンだと思えたのだけれど、そういうわけでもなさそうだ。


「わあ、綺麗な青色……何の羽根なんでしょうね……」

「分かりませんわ。こんな透き通るような色、見たことがありませんし」


 恐らくは何かの魔法道具だ。しかし説明書があるわけでもないのでどう使えばいいかも分からない。

 分からない道具は使えないし、学園が用意しているのだから致命的なものではないかもしれないが、おかしなものである可能性は充分にある。

 となると……分かる人のところに持っていくしかない。


「未知との出会いっていうのはこんなことがありますのね……」

「冒険魔法の授業とか受けたほうがよかったですかね?」

「そんなに何でもかんでもは習えませんわよ」


 これは後で売店に持っていけば見てくれるかもしれない。とりあえずキアラの袋に羽根を入れると、そのまま「ふう」と溜息をつく。


「ねえ、リリカさん。私気付いたことがありますの」

「え、何ですか?」

「売店でガスマスクとかいう変な仮面が売ってた理由……これでしたのね」

「ガスマス……あっ」


 そういえば壁に変な仮面がかかっていたし高かったのをリリカも思い出すが、どのみち買えなかったのでどうしようもない。ないが……学内通貨さえ稼げば防げることは意外とあるのかもしれないと思えるのだ。


「でもあれ、5万イエンもしましたよ?」

「たぶん本来は鍵も罠もどうにか出来ることを推奨してるんですわね」


 全部自分でどうにかしたかったら高い金額で買えという話なのだろう。そういう意味ではダンジョンにおける個々の役割や推奨チームの構成というものが見えてくる。


「全部が学習の教材というわけですわね……本当に学びが多いですわ」

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まだ入れていないという方も、今回のお話を機にぜひ入れていただけましたら、とても嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
あー接触者に直接ダメージ与える系じゃなくてそういう系のトラップだったか
スカウト技能を教える教師もいるか
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