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魔法学園ヤマダ~転生するなら魔法学園とかやりたいって言っただけなのに~  作者: 天野ハザマ


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33/83

33話:猫は見た!

本日3回目の更新です。

まだの方は31話からどうぞ!

 そうして、魔法学園ヤマダが生徒を迎え入れてから5日が過ぎた。

 此処までくると、どの生徒も教師の誰かに師事して魔法を学び始めている。

 決まったカリキュラムがないとはいえ、初心者ばかり。魔力を感じとれるようになるという基礎……そこを魔塔が秘匿していたのだから魔法使いが増えないのも当然という話だが、魔法学園の教師陣によって魔力を感じ取れるようになった生徒たちは、ぎこちないながらも魔法を学び始め……その難解さに苦悩しながらも成長を感じる、一番楽しい時期だ。


「回復ポーションあります! 多少の切り傷くらいなら治るの確認済! 感想聞かせてくれる人は割り引きますよー!」

「各種ハーブ買取してます! 売店に売る前に是非ー!」


 そんな錬金魔法を学ぶ生徒たちの呼び込みの声が聞こえてくるが、白猫コアの予想より早く学園地下のダンジョンに入る生徒が出てきたようだ。

 とはいえ、入る生徒は意気揚々と、出てくる生徒はボロボロだ。

 中には疑似的な死を体験して保健室に転送されていく生徒も……まあ、かなりいる。

 そんな生徒たちの姿を見て、自分ではまだ早いのではないかと思う生徒もそれなりにいるし、そんな色んな生徒の姿を見てニコニコしている白猫コアもいる。


(ちゃんとケアもしてるからだろうけど、ダンジョン諦めますって子がいないのは凄いし偉いよなあ……教師陣の指導も効いてるのかな。ああ、青春だなあ……)


 流石にダンジョンの中にまでついていくわけにはいかないが、視点変更することで白猫コアはダンジョン内の状況も見ることが出来る。覚えたての魔法を駆使する生徒の姿は、白猫コアの喉がゴロゴロ鳴る程度には楽しいようだ。

 そんな白猫コアがふと視線を向けたのは、ベンチに座って溜息をついている一人の少女だ。

 確か召喚魔法を習っているキアラだったか、と白猫コアは思い出す。優秀な生徒は一応名前と顔は覚えている。

 如何にも悩んでいそうな雰囲気だが、実際キアラは悩んでいた。


(ダンジョン……いつかは行かなければいけませんが……どうしましょう)


 キアラは召喚魔法の授業で成人男性くらいのサイズの岩の塊のようなゴーレム……ロックゴーレムを作ることに成功し、通常契約も済ませた。今は部屋に置いてあるが、ダンジョンが難しいという話を聞いて挑戦しようという気持ちが少し萎えてしまったのだ。

 ロックゴーレムが出来たときには万能感にも似た気持ちがあったのだけれど……不思議なものだとすら思う。


(そもそも今の私ではロックゴーレムがやられたら詰みですわ。属性魔法を1つでも覚えれば……いえ、それでもダメって気がしますわ。もっと、何か……)


 ダンジョン前にいる学生は皆配布された基本装備を身に着けているが、剣を携えている者もチラホラといる。売店で売っているものと比べると大分華美なそれは貴族の生徒たちの持ち込み品なのだろう。

 あるいは剣も使えるというアピールなのかもしれないが、ロックゴーレムを作ってみると弱そうな鉄の棒にしか見えない。


(キリアン様みたいな魔法剣士……というのは高望みなのでしょうね。ていうかキリアン様、何処にいらっしゃるのかしら……全く出会えませんわ……)


 魔法も剣も凄くて、魔法剣とかいう凄い魔法も使えるキリアン。視察に向かう途中の馬車を襲ったオークの群れをアッサリと片付けたキリアンの格好良さはキアラも鮮明に覚えている。


「ああ、キリアン様……」

「え、キリアン先輩!?」


 凄い勢いでやってきて周囲を見回す少女にキアラはビクッとして「な、なんですの⁉」と声をあげてしまう。

 思わず口に出てしまったのはキアラではあるが、まさか自分の呟きを拾われるとは思ってもいなかったのだ。


「あれ、居ない……」

「独り言は聞いてないふりをするのがマナーでしてよ」

「ごめんなさい!」


 素直に深々と頭を下げる少女にキアラは一瞬で毒気を抜かれてしまう。

 なんだろう、裏表の無さを王族としての嗅覚で感じ取ったとでも言うべきか。

 いつも通りの冷静で公平な視点を取り戻したキアラは目の前の少女をじっと見る。

 特徴的なのは、手に着けているガントレット。明らかに武術を学んでいる生徒だ。

 そういう授業があったのは知っているし、キアラがひとまず受講を見送りにしていたものだ。


「……私はキアラですわ。召喚魔法を習ってますの。貴方は?」

「おす! 私はリリカです! 魔法武技を習ってます!」

「なんですの、その挨拶」

「エダム先生が教えてくれました!」

「そう……よかったですわね……」

「はい! あ、おす!」


 挨拶一つから汗臭い香りをキアラは感じ取っていたが、だとするとキアラが求めていた仲間である……かもしれない。


「ねえ、リリカさん」

「おす、なんですかキアラさん!」

「私とお試しでパーティを組みません? 私、どうしてもイエンを稼ぎたいんですの」

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まだ入れていないという方も、今回のお話を機にぜひ入れていただけましたら、とても嬉しいです。

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