表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法学園ヤマダ~転生するなら魔法学園とかやりたいって言っただけなのに~  作者: 天野ハザマ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/85

29話:鍛冶を習う? そいつはクールな選択だ

本日2回目の更新です!

 けれどまあ、そんな諸々は関係ない。大切なのは自信であって、ケイトからの紹介状は確かにイヴァンに勇気や自信を与えていた。

 ……いや、紹介状ではない。誰かが自分に期待してくれた。それは予想以上に大きな力を与えてくれるということなのだろう。

 だからイヴァンは鍛冶場への道を全力で走る。

 学園案内で鍛冶場の場所は真っ先に覚えたし、近づけば近づくほど鍛冶場の音が聞こえてくる。

 上位鉱人の鍛冶魔法教師、コガンダ・ドド。

 鉱人の鍛冶師というだけでも世界最高と言われるほどなのに、その上位種族でしかも鍛冶魔法なる魔法を使って売店にあった魔法武具を作ってしまう……教師なのだ。教えてくれるのだ!

 そんな技術を、魔法を学べるかもしれないというだけでイヴァンのテンションは上がってしまう。

 だからイヴァンは鍛冶場にダン、と力強く足を踏み入れてその背中を見る。

 力強い背中だ……鉱人特有の、背は低くともガッチリとした筋肉質の身体。

 自分くらいなら指一本で吹っ飛ばされてしまいそうだとイヴァンは思う。


「おはようございます! 俺はイヴァンと申します! 鍛冶魔法を習うべくコガンダ先生に弟子入りを希望致します!」

「ああ? ちょっと待ってろ」

「待ちます!」

「うっせえ小僧だ。だがまあ聞こえねえよりは大分マシか」


 丁度何かを仕上げていたコガンダがそれを「ふむ」と言いながら掲げたとき、イヴァンはそれが売店に飾ってあった「メタルセイバー」であることに気付いた。

 お値段は1万イエン。初期装備の剣よりは明らかに良い品物であり、事実頑丈さだけであれば相当なものがある。何より、刀身の輝きの美しさたるや惚れ惚れとするほどだ。

 ……無論、切れ味は他の剣と比べるとそこまでではないとイヴァンは見ていたが、だがそういう風に作っているのだろうと確信していた。


「おい、イヴァンって言ったな」

「はい!」

「この剣の『目的』を言ってみろ」

「防御です!」

「即答だな。理由は?」

「硬さに主軸を置いているように見えます!」

「何処を見てそう考えた」

「刃の鋭さと分厚さです! 斬るより耐えるのが目的なのではないかと、そう考えました!」

「なるほどな。半分正解で半分間違いだ」


 メタルセイバーを置くと、コガンダはイヴァンの手にある紹介状を受け取り近くの机に放る。


「だがまあ、ケイトが紹介状を渡した理由は分かった」

「で、では! 弟子にして頂けるのですか!?」

「弟子とかじゃなくて生徒だろぉがお前はよ。で、儂は教師だ。やる気のある生徒を教えるのに否はねえ」

「ありがとうございます! では早速ですが俺の間違いをご指摘いただけますでしょうか!?」

「中々に距離詰めるのが早ぇ奴だな……まあ、いい。お前の間違いは明白だよ。『此処は何処か』って視点がスッポリ抜けてやがる」

「此処、って……」


 鍛冶場、という意味ではないのはイヴァンも分かっている。

 では……と。そこまで考えてイヴァンは「魔法学園です」と答える。しかし、それが何だというのか?

 あからさまに疑問符を浮かべているイヴァンに、コガンダは軽く自分の髭を撫でる。


(……まあ、最初はこんなもんか。鍛冶と魔法鍛冶は似て非なるもんだからな)

「魔法学園の生徒に使わせる剣がただの剣なわけねえだろ。メタルセイバーは剣であり杖……つまりは剣1本で魔法も剣術もどうにかしてえ奴の為の剣だ。だから頑丈だし半端なんだよ」

 

 バスタードソード、と呼ばれる剣がある。

 片手でも両手でも使えて、それ故に中途半端とされた剣。

 けれど状況に応じて使い分けができるその剣のコンセプト自体は素晴らしいものだ。

 メタルセイバーも剣としても杖としても使えるのだから、一々戦闘中に杖に持ち替えずとも魔法を使えるし基本的には片手剣であるのだから盾を持って防御を固めることも出来る。

 それはどう考えても素晴らしいことであり、戦闘の幅を広げるにはピッタリだ。

 ただ性能としては半端であるという、それだけの話だ。


「メタルセイバーだけじゃねえぞ。魔法鍛冶で作る武具には全てコンセプトがある。それをしっかりと把握し、設計し、その設計通りに出来たかまで確認することが魔法鍛冶の仕事だ。そこには当然幾つもの魔法を覚える過程が含まれてる。鍛冶師ってだけでも修行が要るのに、並の苦労じゃねえぞ」

「やります!」

「おう、威勢だけはいいけどよ。出来んのか!」

「出来ます! 出来るようになります!」

「よおし! なら基礎の基礎から教えてやらあ!」

「はい、師匠!」

「師匠じゃねえ、コガンダ先生って呼びやがれ!」


 鍛冶場の奥へと入っていくイヴァンを外から白猫コアが見ていた。

 青春だ、実に青春だ。鍛冶場で火と鉄の熱気にさらされるのもまた青春なのだ。


(んんー、いいねえ。熱血だ! とはいえ、アレだなあ。皆もっと鍛冶魔法の価値に気付くかと思ったんだが。まあ……これからかあ?)

ブックマークや評価は今後の執筆の励みになります。


まだ入れていないという方も、今回のお話を機にぜひ入れていただけましたら、とても嬉しいです。

☆☆☆☆☆をポチっと押すことで★★★★★になり評価されます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
…(ホットじゃん
生産系もあるのか、それは強いんよ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ