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魔法学園ヤマダ~転生するなら魔法学園とかやりたいって言っただけなのに~  作者: 天野ハザマ


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26話:精霊魔法の夜明けぜよ。まだ夜明けてないけど。

本日2回目の更新です!

「我々、王の影響受ける。長い王の不在、我等から意思を奪い去った」

「……なるほど。精霊が人間と契約をするのは、王との繋がりと仕組みが似ているからなのかもしれませんね」

「え、分からん。どういうこと?」

「元々精霊には意志ある何かと繋がる仕組みがあるということです。その最上位が王であり、人間との契約は『似たようなものだから出来る』といった感じなのでしょう。まあ、つまり精霊魔法とは精霊という仕組みに搭載された偶然によるものなのでしょう。そしてコアがいることで、精霊と自動で繋がったのだと思います。そこから意志というものが連鎖で生まれていったのかと」

「……んー?」


 今まで精霊には意思がなかったから精霊魔法使いは精霊と「まあ似たようなモノだから」と契約できた。しかし、精霊王という座にコアが座ったことで精霊というシステムが正常に動き出し意志が宿った……とすれば。


「勘弁してくれよ女神様……システムの不備じゃね、これ?」

「一概にそうとも言えませんよ」

「あ?」

「今、長い王の不在と言いましたよね?」

「おう」

「うん」

「つまり……この世界で精霊王と人が呼んでいたのは王ではなく、真なる精霊王が存在したのでは? そして今は居ない……」

「そう」

「ええ、マジかよ……闇深案件じゃん……」


 世界から精霊の真実が失われるほどの長き精霊王の不在。それが何故なのかはまた調べてみる必要があるが、コアとしては嫌な予感しかしない。

 しかしまあ……精霊の事情は理解した。意志が生まれたというか戻ったというか、それについても理解した。


「……いやどうすんの精霊魔法の授業。めんどくさいことにならない?」

「そうですねえ……ただまあ、勉学ってそういうものでは? 私も精霊と契約し直しですが……」

「問題ない」

「問題ないってよ」

「我等精霊、王の配下たるお前にも従う。お前からはすでに滅びたノルティカ大森林の匂いがする。高位森人、真なる森人よ。名前を我等に告げよ」


 こいつらどんどん喋れるようになってきてるな、などとコアは思うのだが……まあ、元々持っていたものを取り戻しているだけならばこんなもの、なのだろうか?


「イリシア・ハイランド・ノルティカ。それが私の名前です。精霊たちよ、貴方たちの名前は?」

「私は……そう、私は風の大精霊。名はウィンダート」

「俺は火の大精霊ヴォルカノン」

「僕は水の大精霊アクエリア!」

「……土の大精霊。グランテス」

「他の連中も大精霊かよ……あ、光と闇がいないな」

「あの二人はカッコつけたがりだった。そのうち来るはず」

「そっかー……カッコつけたがりかー……」


 意志と共に記憶も蘇っている感じだが、まあどうにかなるだろう。魔法学園が生まれたことになっている年代にはこの精霊たちは意思を失っていたのだし。


「全員ではないが、他の精霊たちも今夜中に集まるだろう。よろしく頼む、王よ」

「それは別に構わないけど……森でいいよな?」

「ええ、よろしいかと。ふふ、これで精霊魔法が一気に大人気になるかもしれませんね!」

「そうかもなあ。精霊魔法の夜明けって感じだもんなー。世界中大騒ぎになるんじゃね?」

「かもしれませんが……よろしいのでは? むしろ騒ぎになった方が……ね?」

「うちの教師共はどいつもこいつも過激派だぜ……まあ、俺も同意見だけどな」


 この調子でいくなら、明日の朝には全ての精霊は意志を持つように変わるだろう。

 それは精霊魔法というものの難度を高めるだろうが、同時に性能をも上げるだろう。


「ははは、これはこれは……中々面白いことになりましたな」

「お、ダリアン。お前も来たのか」

「それはまあ、儂とて一応精霊魔法は使えますからな」


 大精霊……これまで人間に精霊王と呼ばれていた存在がイリシアと契約しているのをダリアンは楽しそうに見ていたが、ダリアン自身の周囲にも幾つかの精霊が楽しげに纏わりついているのが見える。

 それは元々ダリアンが契約していた精霊のはずだが、意思が目覚めても特に変わりはないようだ。


「しかしまあ……」

「ん? なんだよ、妙な顔して」

「これをどう説明したものかと思いましてな」

「どうって、あー……」


 まさか魔法学園のコアが精霊王で精霊の意識が目覚めてどうのこうの、なんて説明をするわけにもいかない。しかし王の存在を精霊が感じ取っているならいずれバレる可能性は高い。となると……。


「おーい、そこの精霊たち! 俺が精霊王だとかってのは秘密な。この姿でいるときはただの一介の猫として扱うように!」


 はーい、と頷く精霊たちはまあ、たぶん分かってくれたのだろう。しかし将来何処かで精霊王探しは始まるだろう。


(うーん……ま、どうとでもなるか。こっちの設定は完璧だ。来るなら来やがれ……特大の青春をプレゼントしてやるぜ!)

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