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魔法学園ヤマダ~転生するなら魔法学園とかやりたいって言っただけなのに~  作者: 天野ハザマ


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23話:学食の美味さは学園の良さだよね

本日2回目の更新です!

 リリカはしばらく魔法の指導を見ていたが……やがて食堂へと歩きだす。

 ずっと見ていたかったくらいに面白かったのは事実だが、エダムからはご飯を食べてしっかり休むように言われている。なのに属性魔法の授業の見学に時間を使ってしまった。いけないことだとリリカは思う。


(でも、凄かったなあ……キリアン先輩も属性魔法は使ってたし、魔法拳のためには習う必要もあるけど……)


 けど、まずは食堂に行かなければならない。エダムは無料だと言っていたが、本当にいいのだろうかと思ってしまう。

 ふかした芋が出てくるだけでもリリカとしては喜んでしまうのだが……食堂に辿り着いたリリカは「うわあ」と声をあげてしまう。

 広い。そして大きい。二階建ての食堂はリリカの町の食堂などとは何もかもが違う規模であり、中に入れば真っ白な宮殿のような壁と無数の机と椅子が出迎えてくれる。


「お城……?」


 思わずそんなことを呟きながら見回し、職員らしき人のいる大きなカウンターへと向かっていく。

 奥には鍋などの調理器具があり、なんとなく見覚えのある生徒が何人か忙しく動き回っているのが見える。


(あ、そっか。雑用ってこういうとこでも出来るんだ)


 生徒だからって容赦なしなのか本当に忙しそうだが……カウンターに立っていた女性がニッコリとリリカに微笑んで手招きしてくれる。

 リリカと同じ茶色の髪をベリーショートの長さに切り揃えた、キッチリとした白い調理服の似合う女性だ。


「ようこそ食堂へ! 雑用の手なら幾らでも欲しいけど……」

「あ、私は」


 ぐー、とリリカのお腹の音が響いて。リリカは顔を真っ赤にするが、女性は馬鹿にすることもなく豪快に笑う。


「いいね、お腹を空かして此処に来たならもっと歓迎さ! さあ、何が食べたい? 今日のお勧めはカレーだよ!」

「あ、じゃあそのカレイ? でお願いします!」

「うんうん。ところで結構食べるほうかい?」

「え……っと、分かんないです」


 そんなにお腹いっぱいになるほど食べたことがないのでリリカとしては何とも言えないのだが、女性はうんうん、と頷くと手早い動きでカレーを用意していく。

 少なくとも多くもない、そんなちょうど良い量のご飯にたっぷりと牛肉や野菜のゴロゴロと入ったルウをかけて、出来上がり。


「さ、スプーンはそこにあるからね。たっぷりお食べ。足りなかったらお代わりするんだよ?」

「あ、ありがとうございます……」


 凄い良い匂いだ。素直にリリカはそう思う。

 これがどんなものかは分からないが、この鼻から突き抜けていくような香り。

 大きなお肉や芋、ニンジンの存在がこれ以上なく贅沢な存在感。

 ご飯もそんなにメジャーなものではないが知っている。食べたことはないけど。


(なんて贅沢……こんなの王様みたいなご飯だよ。でも……)

「あ、あの。これ、タダ……なんですよね?」

「勿論。ご飯は生活に必要なものだろ? 金なんかとらないさ!」


 銀色のスプーンを手に取って、手近な席に座って。

 リリカはカレーをひとさじ、口に運ぶ。


(……んっ……!?)


 なんて暴力的な旨味の嵐なのだろうか。恐らくは複数のスパイスを贅沢に調合して作られている辛さが、しかし不思議と辛くはない。むしろルウの中に溶け込んだ複雑な旨味が辛さを丁度良いところで抑えるように機能していて、リリカの口の中を激しく蹂躙していく。

 美味い。辛いけど、美味い。ぶわっと溢れ出す汗は身体が反応しているのだろうか?


「はい、水だよ」

「ありがとうございます!」


 置かれた水のコップを口元まで運び、ぐいっと飲めば驚くような冷たさが喉を流れていく。


「えっ、冷た……凄い冷たいですこれ!」

「本来はセルフサービスなんだけどね。あんまり美味しそうに食べるから持ってきちゃったよ」


 手元のコップは透明なガラスか何かで出来ていて、水差しは銀色に輝く美しい素材だ。

 それに……こんなに冷たいのはどうしてなのだろうか?


「それも魔法道具だからさ」

「え、あっ」

「不思議そうに見ていりゃ分かるさ。ま、そのうち慣れるよ!」


 そのうち慣れる。まあ、こんな生活が続くのならそうなのかもしれないけれど。

 慣れてしまったら、外の生活に耐えられるのだろうか?

 この冷たい水を当然と思ってしまったら、井戸の水を飲めるだろうか?


「魔法道具作成の授業……うーん、でも私にできるかなあ……」


 悩むリリカを食堂の女性……シェフであり魔法使いであり、当然のようにヤマダ一族であるカヤは微笑みながらそとその場を離れ厨房内へ戻っていく。


「さあ、雑用の皆! これからが一番忙しいけどその分払いはいいよ! 頑張って働こうか!」


 調理魔法使い、カヤ。彼女の授業は一応魔法学園ヤマダには無いが……もし魔法料理人という新しいジャンルを切り開きたい者がいるのならば、カヤは喜んで教えるだろう。

 此処では、そういう学習も出来るのだ。まだ、誰も気付いてはいないけど。

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まだ入れていないという方も、今回のお話を機にぜひ入れていただけましたら、とても嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
「うひいいい、この学園のトイレ水がでてお尻に当たっちゃうのおおおおおお こんなの味わったらもう故郷にもどれないいいいいいいいいい」
魔法学園なんだから当然食事における味覚の調整まで手厚くサポートしとるんでは
その文化水準+満腹まで食ったこともない層がいきなりカレーを与えても受け付けないと思うよ…?  食文化は繊細なもので、現代に置いてドリアンが〝臭い〟と評する層が一定数はいるけど、そんな人間は出産地方や…
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