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魔法学園ヤマダ~転生するなら魔法学園とかやりたいって言っただけなのに~  作者: 天野ハザマ


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17話:基本は基本だから基本っていうんだよ

本日2回目の更新です!

 ちなみにだが、今エダムが渡したのは回復ポーションではあるが体力回復ポーションだ。

 作ってから「こんなもん常用させるのはやべーな」ということで学園内でも販売はしないことにしているのだが……まあ、初日だからエダムも切りの良いところまで教えておきたかったのだ。


「今後も体力訓練は大事だからな。走り込みは毎日するように!」

「おす!」

「よろしい。では魔法拳の話に移ろう」


 魔法剣、あるいは魔法拳。それは剣や拳などに魔法を纏わせる……と思うのは、見た目だけしか見ていないからだ。

 そもそもの話、魔法効果を持つ武技とは何なのか? その理解から始めなければならないのだ。


「魔法拳に必要なものは……つまるところ『悟り』だ。壁を超える、とも言うな。正拳突きですら形だけ真似したものと、そこに込められた真意を悟って繰り出したものとでは天と地ほどにも違うものだ」

「悟り……私、悟れるんでしょうか……?」

「悟れるとも。難しい話じゃない……自分の動きや武技の理由を理解するんだ。その技はどの状況で、どんな角度から、どんな動きで、どれ程の威力を放てばいいのか。それは自分の現実と理想で乖離していないか? 実はこれは魔法にも同じことが言える」

「正しい魔法の選択と、現実を正確に理解すること……ですよね?」

「その通りだ。簡単に言えば『やったか⁉』という言葉が出てくるのは乖離の深刻症状だ。気をつけたまえ」

「おす!」


 悟り。それはリリカにはまだ難しいものだ。

 けれどエダムが何を言いたいかは何となくだが分かる気はする。

 謙虚。それに近いものがあるのかもしれないが……臆病であることは、それとは最も遠いのだろう。


(難しい、な……)


 だがエダムとしては、そのリリカの真面目さが非常に好ましい。

 悩むことが出来ないものは悟りとは程遠い。

 1つの真実として、生まれながらの強者は努力すれば強くなる。

 しかし弱者として生まれたものはその生まれゆえに悟りに近い。

 それは往々にして強弱をいとも簡単に引っくり返すのだ。

 ……無論、努力は大前提だけれども。


「よし、ではかるーく悟っていこうか!」

「え! そんなカジュアルな話ではなかったような!」

「悟りにだって深度はあるよリリカ君。入り口は教えるから頑張りたまえってことだ」

「お、おす……」


 無茶苦茶言ってんなアイツ、と白猫コアは思うのだが……まあ、元々コアは体育会系ではないのでその辺は分からない。もしかすると正しいのかもしれない。


「魔法拳とは! いや魔法武技とは! 武器や自分の身体を杖と見立てて行使する魔法だ!」

「え……あっ」

「早速悟ったかリリカ君! そもそもおかしな話ではあるだろう! 魔力は自分の中にあるというのに魔法に何故杖が必要なのだ!? 魔塔のせいで杖こそが魔法使いの象徴のように言われてはいるが! 元来そんなものがなくとも魔法は使える! それをより簡単に、かつ安全に洗練するために杖があるのだ!」


 たとえば、スリング……石投げ紐を想像してほしい。

 アレは投石という行為の破壊力を簡単に、かつ大威力に引き上げる道具だ。

 けれどそもそもスリング以外にも投石のための手段はいくらでもある。


「そう、方法はいくらでもあるし、出来るんだ。そして威力を上げる手段も1つでは断じてない。魔法武技とは杖以外の可能性であり、証明だ。魔塔の言うことが全てではないという、明確な回答だ!」

「可能性……証明……」

「人の身体には魔力が宿り巡る。理論で言えば放出、回復、回流……当然、増幅も出来る。それが出来るならば、もう杖と同じだろう?」

「おす! その通りです!」

「大変よろしい! では……君の中の流れを自覚してもらう。背中に触れるが構わないかな?」

「お、おす!」


 魔力は心臓にて生まれると言われる。ゴーレムにコアが存在するのも、これを心臓と見立てているからだというが……要は血のように魔力は身体を巡る。

 異物であるエダムの魔力を流すことで、その流れを体感させようというのだ。


「始めるぞ、リリカ君。集中して流れを感じるんだ」

「おす!」


 そして、リリカの心臓からリリカ自身の魔力が押し出される。

 巡る、巡る。魔力が手先に、頭に、足先に……全身を巡り巡る。

 魔力の発生機関としての存在を、魔力の流れを、放出を……普段から生き物が気配として自然放出している魔力の動きを感じ取る。

 それは元々自分のもので、魔法として操作可能なものだ。で、あれば……そのまま無駄に放出させることの、なんと無駄なことだろうか?


(分かる。これが魔力……身体の外にちょっとずつだけど出てる。心臓で作られてる……不思議な感覚。でも、なんだろう。動かせる気がする……)


 声を出さないままにエダムはそれに気付いた。当然、見ている白猫コアもだ。


(ほう……才能はあると思っていたが、もう最初の悟りに到ろうとしている)

(すげえな、この子。野生の天才ってやつか? いや、そんな括りにするのは失礼か。素直さ故だな……小さい頃から教育が必要だって意味がよく分かるぜ)

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わーい!こういう運営物?人外学園物好きなんだー! 続きも楽しみに待ってます
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