表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の土魔法最強伝説!  作者: @さう
第一章 異世界と嫁
15/19

イケメンファイヤーボール


 イケメンファイヤーボール


 尻尾を切り分けた冒険者達が帰って行った。

 残っているのはもう少しモンスターを狩って足しにしようという連中が少し。

 なんとなく落ち着いてきたドラゴンの死体の前に、新たな来訪者達が訪れた。

 待ち人来たれり。


 ・


 彼らは皆騎乗していた。

 全身鎧の騎士が30騎。そして、その先頭には、それぞれ他とは毛色の違う鎧を着ているいかにも指揮官らしい人が2人。

 その2人が兜を脱いだ。

 片方は、栗色の長い髪をオールバックに纏め、同じく栗色の髭をたっぷり蓄えた壮年の男性。濃い眉の存在感が凄い。

 もう片方はサラサラ金髪の色白で、イケメンだった。笑顔がキラキラ光っている。青い目に、赤い唇。髭はなかった。剃っているどころか髭自体が生えていない様だ。

 方や野性的なダンディ、方や金髪キラキライケメン。

 何この組み合わせ。

 ダンディが口を開いた。

「我はこの東辺境、エイドラゴス領領主、エイドラゴスである。ドラゴン発見の知らせを受けて参じた」

 えっ? 領主様自ら来ちゃったの?

 エイドラゴスの言葉に冒険者達が跪く。僕も見よう見まねで同じポーズをとった。

「ここに来る途中、他の冒険者にドラゴンを倒した者は4人と聞いた。前に出よ」

 ずずずと、エイダ、ルル、サースラが前に出た。僕も動作を真似て前に出る。

「ほう…… そなたらか。して、土魔法を使うという者は誰か」

「ぼっ…… 僕ですっ」

 返事をした。

「表をあげよ」

「はいっ」

 僕が顔を上げると、エイドラゴスがニヤリと笑った。

「そう緊張せずとも良いわ。他の者達も楽にせよ。儂は堅苦しいのは嫌いなのだ」

 よく響く太い声で笑った。

「エイドラゴス様…… もうちょっと自分の立場というものをですね……」

 隣のイケメンの責める様な声に、

「最初はちゃんとやったではないか。これで良しという事にしておけ」

 がははとエイドラゴスが笑った。どうも気さくな領主様みたいだ。良かった。僕は敬語とか偉い人への接し方に自信が無い。

「しかし、本当に4人なのだな。という事は討竜勲章が要るな。代表は誰か」

 エイドラゴスの声に、僕がエイダを振り返ったが、面倒事はゴメンだという顔で、エイダは僕を蹴り飛ばした。

 僕はエイドラゴスの前にヘッドスライディングを決めた。

「こやつか」

 女冒険者3人が声を揃えて「はい」と言った。仲間に売られた。

「ドラゴン討伐の報酬と、討竜勲章を王都にて授与する。どうする? 準備してからで良いが、このまま付いて来ても良いぞ?」

 エイドラゴスの言葉に、準備してから行きますと答えた。いきなり拉致られてはかなわん。


 ・


 エイドラゴス、イケメン、騎士達も数人が下馬し、ドラゴンの死体を見物している。

「脇腹は死んだ後に裂いたものの様だが…… 目ぐらいしか傷が見当たらん。どうやって倒したのだ?」

 背中の穴はここからでは見えない。

 そんなわけで、僕とエイダがドラゴンと戦った時の話をする事になった。


「なんと? 土魔法じゃと?」

「はい」

「王都にも土魔法を使える者はいないぞ? まことの話なのか?」

 と疑われたので、アースウォールやアースホールを作ってみせた。

「これが土魔法…… 初めて見たわい」

 エイドラゴスも、イケメンも、騎士達も驚いた様だ。

 どうだ僕の土魔法は。

「しかし穴を掘ってもドラゴンは倒せないだろう?」

 というエイドラゴスの言葉に、ぬっとエイダがロングソードを僕に押し付ける。

 一瞬騎士達の空気が変わって怖かったです。

「ちょっと危ないかもしれないんで、離れて下さい」

 とエイドラゴス以下イケメンと騎士達を下がらせた。

「ドラゴンを倒したのは、体内で剣や槍を変化させたからです」

 冒険者達に見せた時の様に、僕は魔力を込めた。

 ざっと音を立てて、イケメンがエイドラゴスの前に出た。あのイケメンは強い魔導士みたいだ。魔力が感知できたらしい。険しい顔で僕を見ている。険しい顔でもイケメン度数は下がらない。くそっ。

 ぎゃりぎゃりと音を立てて、ロングソードが空中に根を張った。

 周りの皆が、うおおお、と野太い声を上げた。

 領主様達はともかく、わずかに残っていた冒険者達まで声を上げている。君達もう見たじゃん。

「なんと…… こんなものを体内で……」

 鉄の枝葉を見上げた領主の額に汗が浮かぶ。


 それから土魔法の説明をした。


 ・


「凄いのう。これが土魔法か。こんな便利な魔法だったとは。むうう…… もっと早く別荘が完成していればもっと早く知ることができたかもしれん。そしたら色々と頼むこともあっただろうに」

 別荘?

「別荘っていうと…… あそこですか? 大通りの少し裏に入ったとこの。街の北側にある凄い広い土地……」

「うむ。そうじゃ」

「あそこなら僕、工事で働いてましたよ」

「なんと? まことか?」

 がははとエイドラゴスが笑った。

「世にも珍しい土魔法の使い手が我が別荘の建築に関わっていたとは。これは完成前にいい話の種を見つけたわい」

 地均しだけだけどね。

 貴族のお屋敷どころか領主様の別荘じゃねぇか。やっぱり情報隠されたりとかしてたのかな。


 この国の領主達は年の3分の1を王都で過ごすらしい。参勤交代的な何かだろうか。交代では無く全員という事だが。

 普段はエイドラゴス領首都に住んでいるが、秋から春までの間王都に逗留する。領主によって季節はまちまちだが、エイドラゴスは概ねこの時期らしい。

 最近王都に入ったばかりだというので、今は秋なんだろうか。そういえば季節を知らない。ずっと温暖で過ごしやすかったから気にならなかった。


 領首都から王都までの道々だけではあるが、自領の村や街を回って行くというのはなかなか良い事の様に思えた。自分の統治している領内を視察しているとも考えられる。


「式はまとめて執り行われる。勲章の授与となると…… 2週間は余裕があるだろうな。その間に準備せよ」

 討竜勲章というのは、10人以下のパーティでドラゴンを倒した際に送られるものらしい。

 自分がやっておいて言うのもなんだが、10人以下であんな化物相手にする奴らが他にもいるなんて、頭がおかしいとしか思えない。

 エイドラゴスと騎士達は、ドラゴンの死体を見て回っている。


 僕もエイダも説明を終えていたので、なんだか手持ち無沙汰になった。

 偉い人が近くでウロウロしているというのは凄く落ち着かない。

 ルルがイケメンと楽しそうに話をしていた。

 ルルと目が合って、

「ミチさん、こっちこっち」

 と手招きをされた。


 ・


 このイケメン。やっぱり魔導士だった。

 しかも、王都勤務のエリートで、立場もかなり上の人らしい。まだまだ若い。僕と同い年ぐらいなんじゃないだろうか。

「サリュート様は私の同門なんですよ」

「ルル君は姉弟子なんだ」

「サリュート様やめてくださいよ。恐れ多いです」

 サリュートか。涼しそうな名前だな。でも、ルルの同門という事は、火魔法の専門家という事か。

「よろしくね、ミチザネ君」

 歯が白い!

 ひと目で分かった。こいつは真のイケメンという奴だ。悪意や含む所の全く無いイケメン。その穢れ無き心から発せられる光が、イケメンパワーをさらなる高みへと引き上げている。

 というか、僕の名前を一回で憶えただと…… コイツは良い奴で間違いない。


「ミチさん! サリュート様が例のファイヤーボールを使える火魔法使いですよ」

 と、ルルが言った。

「んん? ふぁいやーぼーる?」

 サリュートがルルに尋ねる。

「はい。ミチさんがそう言ってまして。彼の故郷では『光の裁き』をそう呼んでいるそうです」

 光の裁き? なにそれ怖い。

「そうなんだ。シンプルでいい名前だね」

 イケメンサリュートがにっこり笑う。今彼の周りで何か輝かなかった?

「あのう…… 見せていただけたりしませんかね」

 身分が高い人という事もあるので、揉み手でへこへこお願いした。

「そうだね。結構魔力を使うんだけど、ドラゴンも倒されちゃってるし。別に良いよ」

 イケメンは快諾してくれた。

「ミチザネ君、ドラゴンの足一本ダメにしちゃうけどいいかな?」

「え? はい」

 僕は振り返り、エイダとサースラを見た。二人共頷いた。ルルは「光の裁きが見れるー!」と騒いでいた。


 僅かに残っていた冒険者達と、騎士達もギャラリーに加わる。

「じゃあ、いくよ」

 サリュートが右手をドラゴンの後ろ足に向けた。

 次いで、膨大な魔力が動くのを感じた。

 じりじりと空気が熱をもつ。

 気温がどんどん上がっていった。

 その熱は、ドラゴンの後ろ足付近から発せられていた。

 ドラゴンの足を加熱しているのだろうか。生物ならば死体でも魔力は通らなかったはずだが。

 さらに温度が上がり続け、じっとりと汗がにじんでくる。

 40度は越えていそうだ。

 およそ10秒程で気温の急上昇。体に悪い。

 妙なニオイがした次の瞬間、パチリと小さな音が鳴り、ドラゴンの後ろ足のすぐ前に光が走った。

 その光は重い音を立ててどんどん大きくなっていく。

 まぶしい。凄い光だった。周りが白く染まる。

「これが『光の裁き』だよ」

 サリュートが言う。イケメンも汗をかいていた。気温の上昇もあるだろうが、かなりの集中力を要したはずだ。水も滴るいい男になってしまっている。

 ぎゅっ、とサリュートが魔力を込める。

 野球ボール程の大きさになった『光の裁き』が、するっと、ドラゴンの足の膝関節辺りに吸い込まれていく。飛んで行く感じはしなかった。本当に吸い込まれていく様に、ドラゴンの足に近付いていく。

 ごばっ、と音がして、突風が体を叩く。木々の揺れる音が響いた。そこかしこから野太い悲鳴が上がる。

 一瞬で辺りが水蒸気に包まれた。まるで霧の中だ。しかし霧みたいにヒンヤリはしていない。凄く熱い。

 吹き返しの風が蒸気を払うと、ドラゴンの足が膝辺りからちぎれていた。消滅と言っていいほど肉がえぐれ、炭化した断面からは未だに湯気が上がり、ところどころ火がくすぶっている。皮下脂肪が燃えているんだろうか。

 こんなもの食らったらドラゴンでもひとたまりも無い。鉄を変形させてちくちくやっていた僕とは違う、圧倒的魔法感。

「すごい! すごいです!」

 とルルがはしゃぎ、僕も、

「やべぇえええ! 魔法やべええ!」

 と叫んでしまっていた。

「まぁ、威力はあるんだけど、作るのに時間がかかるからね。君とエイダさんの様にたった2人で立ち向かうというわけにはいかないけど」

 イケメンが苦笑する。

「どうです? ミチさんの『ファイヤーボール』ってコレの事ですか?」

 興奮冷めやらぬルルの言葉に、

「いや、違う。違うけどさ…… これプラズマじゃん」

 燃えるものは無かった。それでも燃えた。多分空気が燃えていた。ならば、プラズマぐらいしか思いつかない。

 空気自体をプラズマ化させるなんて、魔法、魔力って一体何なんだ? どこからそんな膨大なエネルギー引っ張って来てるんだ?

「ぷらずま? って何の事だい?」

 少しの間、ルルと僕、そしてイケメンサリュートを交えて魔法談義をした。

「へぇ、凄いね。ミチザネ君の国では魔法の研究が進んでいる様だ。僕達も負けてられないね」

 とポジティブシンキング。サリュートは嫉妬の欠片も感じられない良い笑顔でぎゅっと拳を握った。


「さぁ、帰るぞサリュート」

 エイドラゴスはさっきまで騎士達を従えてドラゴンをペタペタ触りまくっていたが、戻ってきて騎乗した。

 ドラゴンに触るのはやっぱご利益があるのか? エルフに冒険者に領主様までペタペタやってたぞ。

「もっと魔法の話をしたかったけど、王都の仕事を放り出してきたからね、早く帰らないと」

 サリュートも騎乗した。馬に乗るだけの動作も絵になる。イケメンは凄いな。


「ミチザネ君、ところでその唇……」

 馬上からねっとりとした視線が僕の唇に絡み付く。

 待ってください、僕はノンケです。

「君は翻訳魔法を使っているね?」

「え? は…… はい」

 口元の動きを見ていた様だ。

「君は翻訳魔法がどういう仕組みか知っているのかい?」

「いえ。気付いたらできるようになっていましたので」

「そうか…… 翻訳魔法は、魔力量が多い人間が無意識に使う場合があるんだ。例えば君の様に。でも、なるべく言葉を覚える様にした方がいい。頭が狂う前にね」

「頭が狂う!?」

 翻訳魔法にそんな副作用が?

「翻訳魔法の仕組みは、エミュレートなんだ」

 よく『エミュレート』なんて言葉を意訳してくれたが、この翻訳魔法が危険だというのは……

「翻訳魔法は、自分の脳内に、話したい相手の思考をエミュレートしているのさ。相手の頭の中を魔力的に観測し、同じものを自分の頭の中で作る。そして、相手の言葉を自分の中の相手のエミュレート脳で受けて意訳し、君自身の意識に送る。それだけじゃない。相手に伝える時には、自分の言葉をエミュレート脳に伝えて、そのエミュレート脳から相手の脳に魔力で伝えているんだ。会話している同士は認識できないけど、傍から見れば違う言語で会話をしている。翻訳魔法が発現している側は自分の脳が2つに増える様なものだ。混乱するし、脳機能も酷使される。相手が1人ならいいだろう。だが、複数になると何かしら障害が出るかもしれない。君は膨大な魔力でそれを可能にしている様だけど、翻訳魔法無しで話せるならその方がいい。実際、翻訳魔法を使い続けた魔導士がしばらく別人の様になったという話は多い」

 イケメンの言葉に冷や汗が止まらない。

 そんな危ない魔法を無意識に使っていたのか。

 思えば1人の呟きは翻訳されなかった。相手に伝えたい時にしか伝わらなかった。アレは直接脳に働きかけていたのか。

 姿が見えなくても翻訳された事も何度かあった。

 あの時も、意識している相手の脳が自分の脳内でエミュレートされたままだったのか。

 エルフ隊長と話した時も、隣のエルフが言っている言葉が分かった。エルフ語も公用語も変換しているからだと思ったが、僕に直接言われていない言葉まで、僕が知りたいと思っただけで翻訳してしまっていた。

「むしろ、ちゃんと言葉を憶えた方がいい。相手の頭の中を覗く魔法だから、身分の高い相手に使うと裁かれる場合が多い。言語思考をエミュレートしているだけだから、秘密を覗いたり、洗脳したりとかはできないけど、気分が良いものではないからね」

 はっとしてエイドラゴスを見た。

「よいよい。知らなかったのではしょうがないではないか」

 はっはっはっはっ、と王者の笑い。

 僕はすみませんすみませんと何度も頭を下げた。

「王都に来る前に憶えておいた方がいいね。できそうかい?」

「はい。がんばります!」

 公用語はラーテも喋れるし、女冒険者3人もいる。教えてもらおう。

 自分の頭のなかに他人の脳みそが作られているとか不気味過ぎる。相手の脳に直接働きかけているというのも怖い。


「さて、確認も済んだし。儂らは帰る」

 自領の事とはいえ、ドラゴン討伐のためにわざわざ王都から来るなんて、結構大変な事なんじゃないだろうか。

 早馬で2日と言っていたな。僕達が出発する前に早馬が走っていたとしても、ほとんど休み無しでここまで来た事になる。

 エイドラゴスとイケメンサリュートの背後に控える騎士30騎。全身鎧でここまで来たのか。頭が下がる。


「ミチザネよ、王都で待っているぞ」

 と、エイドラゴス。

「ミチザネ君、王都に来たら僕の所にも是非訪ねて来てくれ。もっと魔法の話を聞かせてくれると嬉しい」

 サリュートの笑顔に空気が煌めいた。あのイケメンは無意識に周りにプラズマ作り出してるんじゃないだろうか。

 エイドラゴスとサリュート、以下騎士達30騎は去っていった。


 ・


 騎士の1人が笛を吹き、森の中に散らせていた騎士達を集めながら森を進む。

 そろそろ50騎を超えようかというところ

「凄まじいな。土魔法とは」

 エイドラゴスが呟くように言った。

「サリュートよ。どうじゃ? あやつは強いか?」

 隣に並んで馬を歩かせる男に問う。

「強いですね。魔力量だけで見ても天の使いかと見紛う程です」

 サリュートの言葉に、エイドラゴスは子供のような笑みを漏らす。

「のう、サリュート。もしも戦ったらどちらが勝つかのう?」

「またお戯れを。勝負とは単純な力の強さで決まるものでは無いですよ」

 呆れ顔のサリュートに、なおも食い下がるエイドラゴス。

「まぁ、そう言わずとも良いではないか。例えば、さっき、出会い頭に戦っておったらどっちが勝っておったかの?」

「彼ですね」

 サリュートの即答に、エイドラゴスが驚く。

「なんじゃ。随分諦めが早いのう」

「私だけではありませんよ。一瞬で騎士達も皆殺しだったでしょう」

 ごくり、と喉が鳴る。エイドラゴスだけではない。周りを固める騎士達からも同じ音がした。

 サリュートの言葉から冗談の雰囲気は感じられない。

「それほどか?」

 エイドラゴスの問いにサリュートは、

「彼は鉄をあんなに自在に操るんですよ? おまけに、距離があっても簡単な変化ならできる」

 そう言って、自らの鎧を拳で叩いた。

「出会った瞬間、彼が私達の鎧をほんの少し、胸の辺りから内側に小さな針を伸ばすだけで皆殺されていました。鎧を着た兵士など、彼の前では棺桶の中の肉塊と変わらないでしょう」

 エイドラゴスの額に汗が一筋流れた。

「むう…… なるほど。おそるべき土魔法よな…… して、あやつは使えそうか?」

「はい。今言った通りです。戦時には重武装の兵士から先に彼の餌食になるでしょう」

「これは逃さぬ様にせねばな。王にその旨を知らせておかねばなるまい」

「これだから貴族様は怖い。私達魔導士の事など人間兵器ぐらいにしか思っていないんですから」

 サリュートがやれやれと溜息をついた。

「なんじゃ? 違うのか?」

 ニヤリと笑うエイドラゴスに、

「まぁ、おおむねその通りですかね」

 とぼけた声でサリュートが応えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ