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Scare Crow  作者: 大藪鴻大
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32/48

鷹 11

 前回の続きになりますが、アクセス解析をしたところ、最もアクセスが多かった日は、9月30日でした。アクセスの多い日と投稿日が連動しているかどうかは定かではありませんが、その日に投稿した物語の内容は、「雀がバー『NEST』で八代に会う」ものと、「郭公が、『生きていれば、犠牲を払うことになる』と鳩に話す。」ものでした。

 でも、よく考えてみると、アクセスしないと内容が分からないんですよね。ということは、アクセス数と内容は関係ないのかもしれない・・・。

 ところで、今さらなのですが、郭公はカッコウと読みます。以前書いたかどうか、心配になったので、一応もう一度、指摘しておきます。本当に、今さらですよね・・・。

 気が付くと街中にいた。学校帰りなのか、学生服を着崩した男子生徒が横一列になって笑い合っている。小学生ぐらいの女の子の手を引く母親が、幼い女の子の話に笑顔を見せる。点字ブロックの上を歩くことなく、ステッキを器用に動かし堂々と歩く若者がいる。誰も俺を見る人はいない。

 頭の中では、まだカチカチと時計の秒針のような音が鳴り響いている。舌打ちをするが、それで音が鳴りやむわけでもない。もはや何かを考察することもままならない。俺はひたすら、人混みの中をかき分け進む。

 しばらく進むと、人混みの流れに乱れがあることに気が付く。その乱れは有名人がいるからとか、交通事故が起きたからといったような、流れを緩める要素によるものではないように見える。人混みの中の数人が、流れとは違った動きをすることによる乱れだ。そして、おそらくその数人は俺を狙っている。

 かくなるうえは、人通りのない道に入る。すると、案の定、俺を追いかけてくる気配がある。俺は立ち止り、目を閉じる。カチカチとなる音が際立つが、俺は相手との間合いを把握しようとする。相手は、五人くらいか。

 目を開き、ナイフに手を伸ばす。ナイフを手にした瞬間、俺は振り向きざまに投げる。ナイフは真っすぐ飛び、銃を持った男に刺さる。周りの男たちが動揺している間に、俺は右足に力を込め、一気に距離を詰める。もう一本のナイフを手にし、男たちに切りかかる。男たちは何も言わずに倒れ込む。本当にこの男たちは生きていたのだろうかと疑いたくなる。

「完全に狙われたな。」

 誰に?雀か?それとも、もっと別の誰かだろうか?いや、もう気が付いている。ただ、認めたくないだけだ。

 烏に狙われた。烏に狙われたからには、消えるしかない。

 十字架のネックレスを握りしめる。頭の中に鳴る音が鳴りやむことはない。何が何だか、もはや分からない。これ以上、何かを考えることなど出来ない。低く暗い笑い声が聞こえる。その不気味な笑い声は紛れもなく俺の声だった。抑えようとも思わなかったし、抑えることもできなかった。

 まだ殺意に満ちた視線を感じる。数人ではない。何十、何百もの殺意を感じる。クライアントはどこに行ったのだろうか。

 俺は狭い道の真ん中に進む。すると、前後から挟まれる。俺一人を殺すのに、大層なことだ。

「来いよ。」

 男たちが銃を構える。俺は横道に飛び込む。慌ただしく走ってくる足跡が聞こえる。間合いを測り、間合いに入ってきた瞬間、横道から飛び出し切りつける。男たちは場が混乱しているためか、無駄な動きが多かった。短く声を洩らしながら、重い音を立て倒れていく。

 切りつけている間、俺には奇妙な映像が見えていた。暗い沼の上で、次から次絵と飛びかかって来るいくつもの影。俺は、それをナイフで切り裂く。すると、影は音もなく崩れる。その破片が沼にいくつもの波紋をつくると、再び影となり、沼から這い出してくる。その繰り返しだ。

男たちが全員倒れるまで、そんなに時間がかからなかった。再び、目にコンクリートの壁が映ったとき、俺は魂の抜けた肉体の塊の中、一人立ち尽くしていた。

 狙われたというなら、勝ち続けるだけだ。もし、俺が生き延びたなら、そのときは俺が烏だ。

 さらに数人、こちらに向かってくる。誰が何人来ようが関係ない。生きるために戦う。俺は細い道を駆けだした。


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