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異世界×AI〜俺だけレベルが上がらないのに、補助AIの「最適行動」でいずれ世界最強に!?〜  作者: qp46


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第51話『読む側』

「第四試合!! センチ VS ガルア!!」


歓声が闘技場を揺らす


だが中央へ現れた男を見て、シンは少しだけ眉をひそめた


細い


軽装


武器もない


格闘家というより、ただ静かな男に見える


「……あれ強いのか?」


隣で腕を組んでいたレナが短く答えた


「強い」


即答だった


それだけで嫌な予感がする


センチは静かに中央へ立つ


構えも小さい


威圧感もない


なのに。


妙に視線を引く


対面のガルアは真逆だった


大柄


筋肉質


肩へ巨大な戦斧を担いでいる


刃だけで人を潰せそうなサイズだ


「ぶっ潰してやるよ……!」


殺気が漏れる


観客席もざわついていた


「ガルアか……」


「また派手に壊しそうだな」


レナが小さく呟く


「斧使いは、圧で動かす」


「圧?」


「避けたくなる位置を作る」


シンが視線を戻す


ゴォン――ッ!!


開始鐘。


次の瞬間。


ガルアが地面を砕く勢いで踏み込んだ


速い


重い


巨体とは思えない速度で戦斧が振り下ろされる


「グランドブレイカー!!」


轟音。


石畳が砕ける


だが。


センチは動かない


「……?」


シンが眉をひそめる


避けない?


違う


待ってる


その瞬間。


戦斧が横薙ぎへ変化する


普通なら避ける


圧で逃げたくなる


でも。


センチは半歩だけ動いた


本当にそれだけだった


斧が空を切る


「な――」


次の瞬間には、センチの拳がガルアの喉元へ添えられていた


静まり返る闘技場


誰も理解できていない


遅れて。


ガルアの身体が崩れ落ちた


「……勝者、センチ」


一拍遅れて歓声が爆発する


「見えなかったぞ!?」


「今何した!?」


「避けたのか!?」


でも。


シンだけは違和感を覚えていた


「……違う」


避けたんじゃない


“そこへ来る”

のを待っていたみたいだった


レナが小さく呟く


「読んでる」


『戦闘記録を解析』


『最小動作による対応を確認』


チャッピーの声が響く


『相手行動を固定化した上での迎撃型戦闘』


シンが眉をひそめる


固定化


つまり。


来る場所が分かってる


だから最小で動ける


センチは倒れたガルアを一度だけ見て、そのまま歓声の中を静かに降りていく


途中。


ほんの一瞬だけ。


視線が合った


「――ッ」


呼吸が止まる


見られた


ただそれだけなのに、妙に身体が強張った


レナが小さく言う


「多分あいつ、“待つ”タイプ」


「待つ?」


「相手が勝手に来る位置を作ってる」


シンが黙る


視線


重心


踏み込み


誘導


全部。


逆に利用するタイプ


「……マジで嫌な相手だな」


『対戦時注意対象へ登録』


チャッピーの声が響く


でも。


次の言葉が少し違った


『固定化された予測には対応可能』


シンが眉を上げる


「……ん?」


『予測外行動を組み込めば、対応率は低下します』


その言葉が少しだけ頭へ残った


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「第五試合!! ミリグ VS シン!!」


歓声が響く


シンはゆっくり息を吐いた


「……次、俺か」


闘技場へ視線を向ける


ミリグは既に立っていた


細身


軽装


短剣二本


だが。


空気が軽い


そこに立ってるのに、

いつでも消えそうだった


ミリグが笑う


「避けるの、得意なんだって?」


「最近そうらしい」


「へぇ」


短剣が指先で回る


軽い


でも。


妙に視線を持っていかれる


『短剣術解析開始』


『視線誘導率、高』


「……なるほどな」


開始鐘。


次の瞬間。


ミリグが消えた


いや。


視線をズラされた


右へ来ると思った瞬間、

左から斬撃


「っ!」


シンがギリギリで流す


速い


だが。


違う


“見せ方”

が上手い


ミリグが笑う


「へぇ、今の見えたか」


次の瞬間。


短剣が揺れる


どっちだ


右?


左?


違う――


「ダブルファング!!」


二連撃。


シンが剣で受け流す


だが。


その瞬間には次が来ていた


止まらない


視線をズラされる


「くっ……!」


鉄が弾ける


ミリグが低く笑う


「反応いいな」


シンは息を吐く


このままだと対応される


チャッピーの声が響いた


『通常回避を推奨』


次の瞬間。


ミリグが踏み込む


短剣が横へ流れる


誘導。


回避先へ置くタイプ


『修正』


『予測外行動を推奨』


シンが一瞬目を見開く


「は?」


普通なら避ける


でも。


チャッピーが示したのは真逆だった


前へ。


シンは踏み込む


ミリグの目が揺れた


「――は?」


その一瞬。


剣が滑り込む


「クロスエッジ!!」


火花。


ミリグが無理やり短剣で受け流す


だが体勢が崩れる


観客席がどよめいた


「今、自分から入ったぞ!?」


「避けるんじゃなかったのか!?」


ミリグが距離を取る


そして。


初めて少しだけ笑みを消した


「……今の、普通そこ来ねぇだろ」


シン自身も少し驚いていた


でも。


分かった


最適解をなぞるだけじゃ足りない


予想外すら、

選択肢へ入れる


チャッピーの声が静かに響く


『適応完了』


『不確定要素を戦術へ組み込みます』


シンが口角を上げる


「……それ、結構いいな」

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