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俺だけレベルが上がらないのに、補助AIの「最適行動」で世界最強に!?  作者: qp46


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第4話 選択と最初の成果

第4話です。


主人公が初めて単独で依頼に挑みます。

チャッピーの力を借りた戦闘と、その結果にぜひ注目してみてください。


ここから、この作品の“成長の形”が少しずつ見えてきます。

 少女はまだこちらを見ている。チャッピーの提案が頭に残る中、一瞬だけ迷って口を開いた。


「その……もしよかったら、一緒に組みませんか?」


 軽く言ったつもりだったが、少女はあっさりと首を横に振る。


「やめとく」


「……そうですか」


 それ以上は踏み込まない。理由があるのは分かるし、聞ける空気でもなかった。


「一人の方が楽なのよ」


 それだけ言って、少女は視線を外す。


『当該個体との同行を再提案します』


「いや、いい」


 即答する。


(まずは自分でできることをやる)


 掲示板の前に立つ。採取、運搬、討伐――並ぶ依頼の中から無難そうな採取に目を向ける。


『非推奨です』


「は?」


『効率が低下します。討伐依頼を推奨します』


「いや、無理だろ……」


『F級個体であれば対応可能です』


 迷う。だが、ここで引くのも違う気がした。


(……やるしかないか)


 討伐依頼を手に取る。


「これ、受けます」


「F級魔物の討伐ですね。無理はしないでくださいね」


 女性受付の言葉に曖昧に頷き、ギルドを出る。


 町の外に出て、数歩進んだところで足が止まる。


(……待て)


 手元を見る。何もない。


(武器、なくね?)


 今さら気づく。


「どうすんだよ……」


『簡易武器の作成が可能です』


「は?」


『周辺素材を利用した即席武装を提案します』


 言われるまま森に入り、枝を拾い、石を選び、蔓で縛る。作業自体は単純だが、迷いがない。手順が最初から分かっているような感覚だった。


 出来上がったのは、粗いがしっかりした棍棒。


『暫定武装:打撃用棍棒』


(……これでやるのか)


 軽く振る。重さも悪くない。


(まあ、素手よりはマシか)


 森の中へ進む。だが、しばらく歩いても何も見つからない。


(いないな……)


 時間だけが過ぎていく。


(やっぱ無理なんじゃ――)


『前方200mに反応』


「……マジか」


『進行方向を微調整してください』


 指示に従い進む。やがて茂みの奥に影が見えた。


(いた……)


 ゴブリン。


 息を整え、棍棒を握り直す。


(落ち着け……)


『左へ二歩移動してください』


 体が自然に動く。ゴブリンはこちらに気づいていない。


『待機』


 距離が詰まる。


『……今です』


 踏み込む。


 一撃目。振り下ろすが、わずかにズレる。


『角度修正。右へ』


 軌道を変える。


 鈍い音。直撃。


 ゴブリンがよろける。


『追撃してください』


 迷わず振る。


 二撃目。


 そのまま崩れ落ちる。


 動かない。


(……終わった?)


 息が荒い。だが体はほとんど消耗していない。


(いや……)


 冷静に振り返る。


 動きはすべて指示通りだった。


(俺が強いんじゃない)


 手にした棍棒を見る。


(これと……チャッピーか)


 最適な動きをなぞっただけ。それでも結果は出た。


(意外と……いけるな)


『戦闘完了』


 直後、視界に文字が走る。


『必要経験値を獲得』

『各種スキルがレベルアップしました』


「……え?」


 一瞬、理解が追いつかない。


(いや、待て……経験値もらえないんじゃなかったのか?)


「チャッピー、今のは――」


『解析 Lv.1を獲得』

『最適行動 Lv.2へ上昇しました』


「……え?」


 もう一度、同じ言葉が出る。


「……経験値、獲得したんだよな?」


『いいえ』


「は?」


『ツツイ シンさんの獲得経験値は0です』


「……は?」


 思考が止まる。


「いや、でも今――」


『当AIは戦闘結果および環境情報をもとに最適化を行いました』


 淡々と続く。


『その結果、スキル精度が向上し、レベルアップと判定されました』


「……つまり」


 言葉を探す。


「俺は経験値もらってないけど、お前は上がったってことか?」


『その認識で問題ありません』


「……は?」


 もう一度、同じ言葉しか出てこない。


 確かに戦った。自分で倒した。


 なのに――


(なんでだよ)


 答えはない。


 ただ一つ分かるのは。


 成長しているのは、自分ではないということだけだった。

第4話を読んでいただきありがとうございます。


今回は

・初の単独戦闘

・チャッピーによる最適行動

・そして“ズレた成長”

を描いています。


戦闘自体はうまくいっているのに、どこか噛み合わない感覚。

この違和感が、この先の展開に大きく関わってきます。


次回は再びヒロインと関わりが生まれ、物語がもう一段進みます。


引き続きよろしくお願いします。

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