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異世界×AI〜俺だけレベルが上がらないのに、補助AIの「最適行動」でいずれ世界最強に!?〜  作者: qp46


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第46話 最適ではない動き

翌朝、目を開けた瞬間、シンは顔をしかめた


痛い


全身が痛い


腕を少し動かしただけで筋肉が悲鳴を上げ、起き上がろうとした瞬間には脇腹へ鋭い痛みまで走る、昨日レナに吹き飛ばされた場所だった


「……終わった……」


『筋繊維損傷を確認』


『正常範囲内です』


「その正常基準ほんと嫌いだわ……」


窓の外からは、朝だというのに木剣のぶつかる乾いた音が響いていた


宿を出ると冷たい空気が肌に触れる、だがグランゼルの街はそんな空気とは真逆で、既に大量の冒険者達が走り込みや模擬戦を始めていた


上半身裸で巨大な斧を振り回している男、その横では笑いながら殴り合っている連中までいる、朝食片手に魔法の詠唱を確認している女まで見えた


「……この街、戦闘狂しかいねぇの?」


『戦闘特化都市の平均行動です』


「平均で済ませるな」


広場の端では、レナが既に木剣を振っていた


朝日に照らされた剣先が白く光り、振るたび空気が裂ける音が響く、無駄がない


静かな動きなのに妙な圧があった


レナがこちらへ視線を向ける


「遅い」


「いやまだ朝――」


「遅い」


二回言われた


シンがため息を吐きながら近づくと、レナは無言で木剣を放り投げて寄越してくる、反射的に受け取った瞬間、シンは思わず顔をしかめた


重い


昨日より明らかに重く感じる


筋肉痛のせいだった


「構えて」


シンはゆっくり息を吐き、肩の力を抜きながら木剣を握り直す



重心


踏み込み


昨日叩き込まれた感覚を頭の中で反復しながら姿勢を整えた瞬間、脳の奥でチャッピーの声が響いた


『身体動作補助を開始』


その瞬間、ほんの少しだけ身体が軽くなる


レナが踏み込む


速い


昨日よりさらに速かった


『回避補助』


シンが横へ動く


ギリギリで避ける


だが次の瞬間にはもう二撃目が目の前まで来ていた


「っ!?」


慌てて木剣を合わせる、重い衝撃が腕へ走り、痺れが一気に広がった


レナの連撃は止まらない


『右』


『左』


『後退推奨』


チャッピーが次々と最適解を流し込んでくる


見えている


どこへ来るのか


どこを狙っているのか


全部わかる


でも。


身体が追いつかない


肩へ衝撃が走り、木剣がまともに直撃する


「っ、ぁ!!」


視界が揺れた


レナは止まらない、踏み込みからそのまま連撃へ繋げてくる、その動きが速い


シンは歯を食いしばりながら後ろへ跳ぶ、だが次の瞬間、レナの踏み込みが変わった


「うおっ!?」


本来なら避けられる位置だった


だが木剣が追ってくる


ギリギリで逸らした瞬間、さらに二撃目が滑り込んできた


『予測更新』


『行動変化を確認』


腹へ衝撃がめり込み、肺の空気が強制的に吐き出される


シンは地面を転がりながら咳き込んだ


「……なんだよ今の」


レナが木剣を肩へ担ぐ


「読まれたから変えた」


「……は?」


「その動き、一定」


シンの表情が固まる


チャッピーの最適行動


それはつまり、最適化された動きだ


だが逆に言えば、最適化されすぎている


『分析』


『対人戦において、最適行動の固定化は読まれる危険性があります』


シンがゆっくり息を吐く


「……神崎の時も、これか」


神崎は戦術を読むタイプだった


相手のズレを読み、そのさらに先を読む


だから成立していた


こちらも最適行動をズラし続けることで、なんとか対応できていた


でも。


身体の動きを読む相手には相性が悪い、踏み込み、重心、肩、呼吸


最適化された動きそのものを読まれる


『モンスターは単調行動が多く、予測精度が高い』


『対人戦では感情による行動変化を確認』


『怒り、焦り、恐怖、衝動』


『不確定要素が増加します』


「めんどくせぇな対人戦……」


『対人戦闘は高難度に分類されます』


「だろうな……!」


レナが木剣を構え直す


「でも」


シンが顔を上げる


「昨日よりマシ」


少しだけだった


でも確かに、昨日より動けている


シンは木剣を握り直す


身体は痛い


まだ全然足りない


それでも、止まる理由にはならなかった


『最適行動を更新』

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