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異世界×AI〜俺だけレベルが上がらないのに、補助AIの「最適行動」でいずれ世界最強に!?〜  作者: qp46


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第41話 予測外

緑龍の巨体が、轟音と共に森へ崩れ落ちる


地面が揺れた


折れた木々が遅れて倒れ、舞い上がった土煙が視界を白く染めていく


その中心で、神崎だけが立っていた


黒い靄が、ゆっくりと腕へ絡みついている


滴る黄金色の血を、まるで飲み込むみたいに


「……はは」


肩を震わせながら、神崎が笑う


「龍の力ってのはアガるよなぁ!!」


黒い靄が脈打つ


空気まで揺れるような圧


「異世界の定番だもんなぁ!!」


グリスが露骨に顔をしかめた


「……は?」


シンも言葉が出なかった


街を滅ぼしかけていた化け物を、こいつは“イベント”みたいに笑っている


神崎がゆっくり振り返る


黒い靄が、腕から煙みたいに揺れていた


その視線がシンへ向く


短い黒剣が、わずかに光を帯びる


「で?」


口元が吊り上がる


「次はお前らか?」


空気が張り詰めた


レナが剣を構える


ダンが盾を上げる


マリーが杖を握り直した


グリスが半歩前へ出る


『対象:神崎玲』


『戦闘継続を確認』


脳の奥でchaPPYが静かに動く


その瞬間だった


神崎の姿が消える


「シン!!」


レナの叫び


次の瞬間には、もう黒い刃が目の前へ迫っていた


速い


いや、違う


速すぎて見失った


『回避推奨』


(読まれる――!)


反射的に避ければ、そこを狩られる


直感が叫ぶ


シンは咄嗟に身体を止めた


黒い刃が頬を掠める


皮膚が裂け、熱が走った


「……ッ!?」


神崎の目がわずかに開く


避けると思っていた


そこへ、レナが横から滑り込む


「《ライトニングスラスト》!!」


一直線


雷みたいな速度の突き


神崎は無理矢理身体を捻る


完全には避け切れない


刃が肩を浅く裂き、血が弾けた


「チッ……!」


神崎が後ろへ飛ぶ


だが着地した瞬間には、もう笑っていた


「いいな今の」


黒い靄が腕を這う


「避けると思ったんだけどなぁ」


シンは息を整える


胸の鼓動が速い


『推奨行動との差異を確認』


(ああ)


頭をよぎる


グリスの言葉


“間違えたっていいんじゃねぇか?”


神崎みたいな相手には、

正解を読まれる


なら――


「マリー!」


「任せて!」


杖が振り上げられる


「風よ、絡みつけ――《エアロ・バインド》!」


風が神崎の足元へ巻きついた


ほんの一瞬


踏み込みがズレる


『行動遅延を確認』


(今だ――!)


「ダン!」


「おう!!」


重い盾が前へ出る


神崎が笑った


「同じ形ならもう通じねぇぞ」


地面を砕く踏み込み


黒い斬撃が一直線にダンへ迫る


「《リフレクトガード》!!」


轟音


火花が散り、盾が悲鳴みたいに軋む


だがダンは真正面から受け切らない


衝撃を流す


わずかに軌道が逸れる


神崎の視線が横へ流れた


次はグリス


そう読んだ瞬間だった


「グリス!!」


グリスがこちらを見る


シンは叫んだ


「ズレだ!!」


一瞬


それだけで通じた


グリスの口元がニヤッと吊り上がる


「あいよ!!」


次の瞬間


ダンが盾を持ち上げた


「乗れ!!」


「おうッ!!」


グリスが盾へ足をかける


同時に、マリーの風が背中を押した


「いっけぇぇ!!」


「――は?」


神崎の反応が止まる


本来、大剣使いが飛ぶなんてありえない


しかも盾役を踏み台にして


ダンの押し上げ


マリーの風


その両方を受けて、グリスの巨体が強引に間合いを飛び越えた


空中で、大剣が振りかぶられる


「《パワースラッシュ》ォォ!!」


轟音


重い一撃が神崎の防御ごと叩き潰した


衝撃で地面が砕ける


神崎の身体が吹き飛び、木へ激突した


「がッ……!」


幹が揺れる


葉が一斉に舞った


土煙の中


だが、終わらない


黒い靄が爆ぜる


神崎が笑いながら立ち上がった


口元から血が垂れている


「……ははっ」


その目がグリスへ向く


黒い靄が腕で脈打った


「――《強奪》」


靄が一気にグリスの腕へ絡みつく


冷たい感覚が走った


「チッ……!」


グリスが顔をしかめる


神崎がショートソードを握り直す


黒い靄が刃へ絡みつき、鈍く光を帯びた


「へぇ……これがお前の――」


踏み込む


奪った力を試すみたいに、短い刃を振り抜いた


「《パワースラッシュ》」


轟音


地面が砕ける


だが次の瞬間、神崎の眉がひそめられた


「……は?」


威力はある


それでも軽い


グリスの時みたいな“圧”がない


「なんだこれ……ただ重いだけじゃねぇか」


もう一度振る


黒い靄が揺れる


「……いや、違ぇな」


目が細くなる


「お前のはもっと嫌な感じだった」


グリスがニヤッと笑う


「形だけ真似ても意味ねぇんだよ」


神崎は少し黙る


それから面倒そうに息を吐いた


「あぁ……これも熟練度か」


黒い靄が腕を這う


「めんどくせぇな 人間って」


その視線が再びシンへ向く


「……気持ち悪ぃな」


口元が歪む


「なんでそんな噛み合うんだよ、お前ら」


グリスが大剣を構え直す


「うるせぇよ」


ダンも盾を前へ出した


マリーの風が再び渦を巻く


レナが低く呟く


「……まだ来る」


神崎が笑った


「当たり前だろ」


黒い靄が膨れ上がる


「まだ全然、奪い足りねぇ」


その瞬間だった


『対象能力:《強奪》』


脳の奥でchaPPYが動く


シンの呼吸が止まる


『戦闘データを解析中』


(……解析できるのか?)


黒い靄


接触


発動


奪取


再使用


戦闘映像が高速で脳内を流れていく


『完全再現は不可能』


即答


だが次の瞬間


『条件付きでの一部再現が可能です』


シンの目がわずかに開く


(……一部?)


脳の奥で、静かに文字が浮かび上がる


【新規再現候補:《強奪》解析開始】


神崎が笑う


「次はどうズラしてくる?」


黒い靄が、森を揺らした

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