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異世界×AI〜俺だけレベルが上がらないのに、補助AIの「最適行動」でいずれ世界最強に!?〜  作者: qp46


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第40話 神崎 玲

緑龍の瞳が、こちらを向いた


次の瞬間――咆哮


空気そのものが震えた


「散れぇッ!!」


グリスの怒声


全員が反射的に飛び退く


直後、緑龍の前脚が地面を叩き砕いた


轟音


吹き上がる土砂


衝撃が足元から突き抜け、シンは転がるように距離を取る


『高出力攻撃を確認』


『直撃時、生存率は極めて低いと推定』


(分かってる……!)


頭上を巨大な尾が薙ぎ払う


風圧だけで身体が地面へ押しつけられた


遅れて、背後の木々がまとめて折れる音が響く


「クソっ……!」


グリスが舌打ちする


「本当に災害じゃねぇかよ……!」


だが、緑龍はシン達を見ていなかった


黄金の瞳が苛立つように森の奥を探っている


爪が地面を抉り、尾が木々を薙ぎ払う


まるで何かを探しているみたいだった


「……変」


レナが低く呟く


「こっちを狙ってない」


その言葉に、シンも森の奥へ視線を向けた


倒れた木々の向こう


そこに、一人の男が立っていた


黒いコート


薄く笑った口元


見覚えのある顔


「……神崎」


神崎玲は緑龍を見上げながら、まるで面白い玩具でも見つけたみたいに笑っていた


「へぇ……やっぱバケモンだな 龍ってのは」


その声を聞いた瞬間、緑龍が再び咆哮する


明確な怒り


森全体が揺れた


「おい、テメェ」


グリスの声が低くなる


「まさか、この騒ぎ……お前がやったのか?」


神崎は肩をすくめた


「人聞き悪いな ちょっと触っただけだろ」


「触った?」


「ああ どれくらい奪えるか試しただけだ」


その瞬間、神崎の腕へ黒い靄が絡みついた


空気がわずかに歪む


同時に、緑龍の巨体がわずかによろめいた


「グルルルゥゥ……!!」


苦しげな唸り


鱗の隙間から、淡い緑光が漏れている


『未知エネルギー反応を確認』


『対象:神崎玲』


『緑龍と同系統の反応を微量検出』


(同系統……?)


シンの背筋に嫌な汗が流れる


神崎は黒い靄を眺めながら笑った


「さすがに丸ごとは無理だったな 龍種ってやつは重すぎる」


黒い靄が脈打つ


「けど、表面を削るくらいならできた」


「……奪ってるのか」


シンが低く問う


神崎の視線がこちらへ向いた


「そうだよ 奪うんだ」


一歩、踏み出す


「才能も力も、持ってる奴から持ってない奴へ――いや、違うな」


神崎の笑みが歪む


「持ってる奴から、俺へだ」


空気が冷えた


「弱い奴は奪われる だったら俺は奪う側になる それだけの話だろ」


その言葉が妙に耳へ残る


奪われる側


使い潰される側


現実で何度も感じた感覚が、一瞬だけ胸の奥を刺した


(……違う)


シンは奥歯を噛む


違うはずなのに、完全には否定できない


その気持ち悪さが腹の底へ残る


ズン――ッ!!


突然、緑龍の尾が地面を叩き砕いた


土砂が吹き飛ぶ


神崎が露骨に眉を寄せた


「……あーもう、うっとおしいな」


緑龍が咆哮する


神崎を睨んでいた


怒り


殺意


完全に標的を定めている


「グルルルルゥゥッ!!!」


龍が踏み込む


地面が沈む


巨大な顎が神崎へ迫った


だが神崎は避けない


黒い靄が腕へ絡みつく


「《強奪》」


空気が沈んだ


緑龍の身体から、淡い緑光が無理矢理引き剥がされる


龍が苦しげに吠えた


「へぇ……まだ残るのか」


神崎が笑う


緑龍の爪が振り下ろされる


轟音


地面が砕けた


それでも神崎は止まらない


避けながら、触れながら、奪い続ける


少しずつ


少しずつ


龍の光が削られていく


『対象生命反応、低下を確認』


『ただし依然として高危険度』


神崎が息を吐いた


「龍種って言うから期待したんだけどな」


再び、黒い靄が膨れ上がる


緑龍が最後の咆哮を上げた


森が震える


だが神崎は冷めた目で見上げるだけだった


「……まぁ、こんくらいか」


次の瞬間


神崎の姿が消えた


爆発みたいな踏み込み


一瞬で緑龍の懐へ潜り込む


黒い斬撃が振り抜かれた


「《黒爪》」


時間が止まったみたいだった


直後


緑龍の首筋が深く裂ける


鮮血が噴き上がった


絶叫


巨体が揺れる


森全体が震えた


それでも神崎は、ただ冷めた目で見上げているだけだった


やがて


緑龍の巨体が崩れ落ちる


轟音


土煙


森全体が揺れた


静寂


その中心で、神崎だけが立っていた


そしてゆっくりと、シンへ視線を向ける


「次はお前らだ」


黒い靄が、静かに脈打っていた

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