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異世界×AI〜俺だけレベルが上がらないのに、補助AIの「最適行動」でいずれ世界最強に!?〜  作者: qp46


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第37話 失敗は最適解の元

今回は作戦を組み直す回です。

これまでの“正解”が通用しない相手に対して、どう向き合うか。


派手さはないですが、次に繋がる重要な一話になっています。


ギルドの奥、同じ席。


さっきからシンは一言も喋らず、テーブルに視線を落としたまま動かない。


(……組め)


頭の中で戦闘を再現する。


距離、タイミング、順番。


一つずつ組み上げる。


(接触させない)


(認識させない)


(発動させない)


『戦闘シミュレーション開始』


ダンが前に出る。


レナが横から差し込む。


グリスが叩く。


マリーが支える。


(この形だ)


敵が動く。


距離が詰まる。


(早い)


ダンが受ける。


レナが突く。


グリスが振る。


(……ダメだ)


『接触確率上昇』


(崩す)


順番を変える。


レナ先行。


グリス遅らせる。


ダンを引く。


(これなら――)


一瞬、通る。


(いける)


手が伸びる。


「――強奪」


(……届く)


『結果:敗北』


(くそ……)


もう一度。


『再試行』


さらに組み直す。


タイミングを変える。


距離を取る。


連携を崩す。


それでも――


(足りない)


『成功率:18%』


(低すぎる)


『最適解を提示します』


(……それじゃダメだ)


同じ結果をなぞるだけ。


(詰まってる)


思考が止まりかける。


「おい」


声が割り込む。


意識が戻る。


グリスがこっちを見ていた。


「さっきから固まってるけど、何やってんだ?」


「……作戦組んでる」


「うまくいってねえ顔だな」


「詰まってる」


グリスが鼻で笑う。


「だろうな」


一拍。


「全部“正解”で動こうとしてんだろ」


(……)


言い返せない。


グリスは肩をすくめる。


「全部正解だけで動いてりゃさ」


「それって“どうぞ読んでください”って言ってるようなもんだろ」


(……読まれる)


言葉が引っかかる。


「相手、分析してくるタイプだろ?」


「なら同じ土俵でやっても勝てねえって」


(同じ土俵……)


グリスが続ける。


「不意突きてえならよ」


一拍。


「間違えたっていいんじゃねえか?」


(……間違える)


思考が止まる。


(正解じゃない動き)


(ズレ)


『……』


chaPPYが沈黙する。


(そうか)


小さく息を吐く。


(全部合わせようとしてた)


(だから読まれる)


『非最適行動を確認』


(ああ)


視線を上げる。


「グリス」


「あ?」


「その“ズレ”、意識して出せるか?」


ニヤッと笑う。


「できるに決まってんだろ」


「それでいい」


レナが短く聞く。


「何か見えた?」


「ああ」


シンは頷く。


「最適解じゃ足りない」


一拍。


「ズラす」


ダンが腕を組む。


「予測を外す、か」


「そう」


マリーが少しだけ安心したように言う。


「それなら……いけるかも」


『再計算』


間。


『成功率:36%』


(上がった)


小さく笑う。


『原因:未解明』


(それでいい)


グリスが肩を回す。


「で、どうすんだ」


「やることは同じだ」


シンは言う。


「ただし――」


「全部ズラす」


レナが小さく頷く。


「いいね、それ」


ダンも短く言う。


「理にかなっている」


マリーも頷いた。


「やろう」


シンは静かに息を吐く。


(……これだ)


『最適解、更新』


第38話まで読んでいただきありがとうございます。


最適解だけでは届かない場面に直面し、少しだけ視点が変わった回でした。

ズレや迷いも含めて、どう戦いに活かしていくのか。


次はいよいよ実戦です。

引き続き楽しんでいただけると嬉しいです。

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