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俺だけレベルが上がらないのに、補助AIの「最適行動」で世界最強に!?  作者: qp


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第2話 経験値0

第2話です。


今回は

・同行してくれた冒険者たちとのやり取り

・この世界の戦い方(剣技・盾技・魔法)

・そして主人公の違和感の正体

このあたりが少しずつ見えてきます。


まだ説明は最小限ですが、「あれ?」と思うポイントを楽しんでもらえたら嬉しいです。


引き続きよろしくお願いします。

森を抜ける道は、思ったよりも整っていた。

踏み固められた土の道には車輪の跡が残り、

人の往来があることを示している。

木々の隙間から差し込む光も、先ほどより明るい。


「助かりました。改めて、ありがとうございます」


先頭を歩く剣士が軽く振り返る。

「気にするな。あのままじゃ危なかっただろ」

「……否定できません」

 短く言い切られ、思わず苦笑が漏れる。


「そういえば、まだ名乗ってなかったわね」

 横から顔を覗き込まれる。


「私はマリー。見ての通り魔法使いよ。あなたは?」


「シンです。よろしくお願いします」


「俺はグリス。前衛だ」

「……ダン」

 簡単な自己紹介だけで、少し空気が柔らいだ気がした。


その時、『前方に低脅威個体を複数検出』とチャッピーの声が響く。

「またかよ……」


 茂みが揺れ、現れたのは小柄な人型。

緑がかった肌に歪な顔つき――ゲームで見たことのある“ゴブリン”に似ているが、

目の前のそれはもっと生々しかった。


「ゴブリンが三体か。まあ楽勝だな」

 グリスが一歩前に出る。

「一人一体でいくぞ」

ダンが静かに頷き、三人が同時に動いた。


 グリスは一直線に踏み込み、無駄のない足運びで一気に間合いを詰める。


「剣技:パワースラッシュ!」

一閃。遅れてゴブリンの体が崩れ落ちた。


(なんだ今の……剣が、光った? 魔法か?)


 ダンは正面から構え、盾を前に出す。振り下ろされた棍棒を受け止め、鈍い衝撃が響く。それでも動かない。次の瞬間、体をわずかに捻り、


「……盾技:ガード・カウンター」


 盾で弾き、そのまま体重を乗せた一撃を叩き込む。ゴブリンは吹き飛び、地面に転がった。


(カウンター……)


 最後の一体に対して、マリーが距離を取り杖を構える。空気が揺れ、風が一点に集まる。


「風よ。切り裂け、ウィンドカッター!」


 放たれた風の刃が一直線に走り、ゴブリンを切り裂いた。

 静かに倒れる。


(マジか……ゲームみたいだ

   この世界には魔法なんてものがあるのか……)


 「……強いな」


 思わず漏れると、『戦闘行動を解析中』と視界の端に情報が流れた。


『剣技:技術体系化された近接斬撃』

『盾技:防御連動型反撃動作』

『魔法:初級風属性干渉』


(もしかして、再現できるのか?)


『現段階では再現不可能です』

「だよな……」

(俺の戦い方とは、まるで違う)


 再び歩き出し、少しだけ考える。


「その……一つ、聞いてもいいですか」

「なんだ?」

「ここって、レベルとかステータスとかってあるんですか?」


 一瞬、三人が顔を見合わせる。


「あぁ、あるぞ

  だが説明するってなると少し面倒だな…」


「まあ、それは街に帰ってからでもいいんじゃない? なんなら私がみっちり教えてあげてもいいけど、

その代わりあなたのことをもっと教えてくれない?」


「マリー あまりシンを困らせるな」

「あーもう分かった分かった」


 軽く流されるが、確信する。(やっぱりあるのか)

 意識を内側に向ける。


「チャッピー」

『応答可能です』

「俺にもステータスってあるのか?」


『現在、そのような事象は確認されていません』


「……は?」

 足が止まる。


「いや、あるって言ってたぞ?」


『外部情報と一致しません』


 嫌な予感が形になる。

「じゃあ……さっき倒したやつの経験値とかは?」


 一瞬の間。


『獲得経験値:0です』


 


 ここだけ、時間が止まったように感じた。


 


「……は?」

 思考が追いつかない。


 さっきの戦闘が頭をよぎる。


 


 あれだけ動いて、あれだけやって――


 0?


 

「おい、どうした」

「い、いえ……なんでもないです」

 無理やり歩き出すが、足取りは軽くない。


 


 おかしい。

 明らかにおかしい。


 


『最適行動を更新』

 その声だけが、やけに冷静に響く。


 森を抜けると、町の門が見えた。人の気配がある、安全なはずの場所。それでも胸の奥に広がるのは不安の方だった。


 

 ――この世界で、自分だけが“成長できない”としたら。


 


 その考えは、振り払えなかった。

第2話を読んでいただきありがとうございます。


今回は

・グリス、マリー、ダンの戦い方

・この世界における「技」と「魔法」

・そしてシンの違和感が“確信”に変わる瞬間

を描いています。


特に、チャッピーの解析と「再現できない」という部分は、この作品の軸になってくる要素です。


そして最後に出てきた“経験値0”。

ここから物語が大きく動いていきます。


次回は町に入り、ギルドや新しい出会いも含めて一気に世界が広がります。


引き続き読んでいただけると嬉しいです。

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