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俺だけレベルが上がらないのに、補助AIの「最適行動」で世界最強に!?  作者: qp46


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第22話 取り残される感覚

第22話です。


今回は戦闘後の一日。

強化が切れたあとの“ズレ”と、その違和感を中心にしています。


約束を破った主人公が、どんな行動を選ぶのか。

最後まで読んでいただけたら嬉しいです。


宿に戻る。


ベッドに腰を下ろすと、そのまま体を倒した。


眠れると思った。


すぐに落ちると思った。


だが、落ちない。


目を閉じる。呼吸を整える。意識を沈める。


――沈まない。


頭の奥にざらつきが残ったまま、どこかで引っかかる。


(……やったな)


同じ言葉だけが、ゆっくりと回る。


時間を守れなかった。


それだけだ。


それだけのはずなのに、妙に引っかかる。


(寝坊なんて、前の世界ではしたことなかったのに)


ほんの一度も、なかった。


それでも、体は動かなかった。


起きられなかった。


意識が、浮上しなかった。


寝返りを打つ。


シーツの擦れる音が、やけに大きく聞こえる。


静かすぎる。


落ちない。


諦めて、目を開ける。


天井がある。


それを見ている。


それだけなのに、時間だけが過ぎていく。


 


――どれくらい経ったのかは分からない。


 


気づけば、窓の外がわずかに白んでいた。


 


(……いいか)


 


体を起こす。


動きは鈍いままだが、もうどうでもいい。


外に出る。


空気が冷たい。


人はまだ少ない。


音も少ない。


そのまま歩く。


ギルドへ向かう。


閉まっている。


当然だ。


それでも、扉の前に立つ。


待つ。


壁にもたれ、視線を落とす。


足音が近づくたび、顔を上げる。


違う。


また待つ。


時間が、長い。


やがて。


遠くで鐘の音が鳴る前。


足音がひとつ、真っ直ぐに近づいてくる。


顔を上げる。


レナだった。


いつも通りの歩き方で、迷いなくこちらへ向かってくる。


一瞬、視線が合う。


 


ほんの一瞬。


 


すぐに逸らされる。


 


何も言わない。


 


そのまま横を通り過ぎる。


 


止まらない。


 


扉の前へ。


 


そのままこちらには目もくれず扉を開けた。


 


中へ入る。


 


扉が閉まる。


 


(……そりゃそうか)


 


遅れて、息を吐く。


 


気づいてないわけじゃない。


 


完全に、無視された。


 


分かっている。


 


昨日のことを考えれば、当然だ。


 


それでも。


 


一歩、踏み出す。


 


わずかに遅れる。


 


それでも、止まらない。


 


扉に手をかける。


 


一瞬だけ迷う。


 


――それでも。


 


覚悟を決めて扉を開けた。


第22話を読んでいただきありがとうございます。


今回は強化が切れた後の違和感と、約束を守れなかったことの重さを描きました。

ささいな失敗に見えて、本人にとってはかなり響いている部分です。


このあと、レナとのやり取りで少し関係が動きます。

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