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俺だけレベルが上がらないのに、補助AIの「最適行動」で世界最強に!?  作者: qp46


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第14話 距離感の最適化


掲示板の前で足を止めると、レナは迷いなく一枚の依頼書を剥がしてこちらに差し出した。


「これ」


「ゴブリン討伐、ですか」


「数が増えてる。昨日の続き」


紙に目を落としながら頷く。


(ちょうどいいな)


「これでいきましょう」


受付で手続きを済ませ、そのまま二人でギルドを出る。


街を抜け、森へ足を踏み入れた瞬間、空気がわずかに重くなる。


昨日と同じはずの場所なのに、気配の密度が違う。


『前方150m、反応複数』


(来るな)


「前、来ます。複数です」


レナが一瞬だけこちらを見る。


「分かるの?」


「……なんとなくです」


それ以上は聞かれない。


そのままレナが前に出る。


茂みが揺れ、最初の一体が姿を現す。


レナが踏み込む。


短い軌道で振り抜かれた刃が、迷いなく首元を捉えた。


倒れるのと同時に、次の気配が迫る。


『右方向、追加反応』


「右、来ます!」


声に合わせてレナが身体を返す。


振り向きざまの一閃で、二体目も沈む。


(速い……)


『背後接近』


「後ろ!」


低く告げる。


レナの体が沈み込み、振り抜かれた刃が背後の個体を薙ぎ払う。


そのまま流れるように動き続ける。


「左、二体!」


「分かってる!」


短い言葉だけで通じる。


踏み込み、斬る。


それだけで十分だった。


(……噛み合ってる)


指示と動きがほとんど遅れなく繋がる。


考えるより先に戦闘が進んでいく。


やがて、周囲の気配が消える。


森に静けさが戻った。


レナが剣を軽く振り、血を払う。


「……終わり」


短く息を吐く。


自分も肩の力を抜いた。


(昨日より、明らかに楽だな)


レナがこちらを見る。


「……あんた」


「はい?」


「戦闘中」


わずかに間が空く。


「敬語じゃないわよね」


(あ……)


「……すみません」


反射で謝る。


レナは小さく息を吐く。


「別にいい」


視線を少し外す。


「その方がやりやすい」


「え?」


「敬語、いらない」


一瞬言葉に詰まる。


「……でも」


「パーティでしょ」


視線が戻る。


「距離ある方が邪魔」


(……確かに)


さっきの戦闘を思い出す。


あの方が、明らかに動きやすかった。


「……分かった」


短く答える。


レナはそれ以上何も言わない。


ただ、ほんのわずかに表情が緩んだ気がした。


『当該変更により、連携効率の向上を確認』


(だろうな)


「そうだな」


小さく笑う。


レナが眉をひそめる。


「何?」


「いや、なんでもない」


軽く首を振る。


レナはそのまま剣を納める。


「続き、行くわよ」


「了解――」


言いかけて止まる。


「……分かった」


言い直す。


一瞬だけレナの視線がこちらに向く。


何も言わない。


だが、そのまま歩き出した。


(悪くないな、これ)


その背中を追う。


 


森の奥へ進みながら、さっきよりもわずかに距離が近くなった気がした。


 


――二人の距離は、確かに変わり始めていた。


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