<二十>
今までバラバラだった主要な人物達がやっと合流しそうです。
話がなかなか進まないのは、きっと筆力不足…。
闇の中を、一つの影が疾風のように進んでいた。
知らぬ者が見れば、森の獣と間違えるかもしれない。それほどの疾さであった。
遮二無二進むその影は、シィンである。
焦燥感に身を灼かれながら、ひたすら不死者の元に向かっていた。
(俺が先にたどり着ければ…!)
ただ、それだけを念じてシィンはひた走った。
アルフォードとビロウズは闇の中を走っていた。
カイト達は先ほどの戦闘で負傷していたため、傷の手当てをして、後から追いつくことになっていた。
本来なら不死者相手に戦力の分散は避けるべきだろう。先ほどのサーヴァントを相手にしてさえ苦戦したのだ。
しかし、急がねばフィリアの魂が危険だった。
特にアルフォードは内心焦っていた。弟の忘れ形見を今ここで失うわけにはいかない。
(…フィリアは必ず助ける!)
強い決意を胸にアルフォードは走っていた。
カイト達も焦っていた。乱戦だったとはいえ、自分達の護衛対象を目の前で攫われたのである。
ただ、すぐに追うわけにはいかなかった。フィリアをかばっていたケイトは満身創痍。ファーサイドもそれなりに手傷を負っていた。
カイトも最後の無理で左の腕が利かない。
五体満足なのはシャリーとグレンだけ。これではアルフォード達と一緒に追うことはできなかった。
内心ジリジリとしながらも、グレンの神聖魔法で傷の治療に当たる。
さらに魔法香を使い、魔力の回復に努める。
カイト達が追跡に復帰できたのは、アルフォード達に遅れること50ピンくらい後だった。後にカイト達はこの遅れを悔やむことになるが、どうしようもない遅れでもあった。
攫われたフィリアを追う三者。彼らの軌跡が交わるには、もう2ジアンほど待たねばならなかった。
※魔法香とは魔力回復の効果がある数種類の香草を配分し、練り固めた香である。これを火にくべて、その香りを吸うことで魔力の回復を早めることができる。通常なら魔力の回復には一晩の休息が必要だが、魔法香を使用すると50ピンほどで回復することができる。カイト達は戦闘と治療で魔法力が乏しくなったっため、どうしても遅れることになった。
※現状で一番先行しているのはアルフォード、ビロウズ組。次がシィン、カイト達は出遅れている。シィンが遅れているのは大まかな方向しかつかめていないから。逆にアルフォード達はラミーの残した跡を追跡しているので、目標に一番早く追いつく。
いよいよ、不死者と対決か?そこまで行けるのか、自分?




