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つきよのうさぎ  作者:
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219/302

“だれかを笑顔にする魔法は、きっとある”

冬が少し近づいてきた頃。


山本家では――


第二回・絵本会議が開かれていた。


参加メンバー。


唯ちゃん。


優月。


結愛。


そして。


なぜかプリンぬいぐるみ。


完全にレギュラー。


机の上には、新しいラフ。


タイトル。


『ぷりんうさぎと きらきらのまほう』


結愛、大興奮。


「ゆあのあいであ!!」


たしかに半分くらい結愛発信。


物語は。


ちょっとドジな“ぷりんうさぎ”が。


落ち込んでる友達を笑顔にしていく話。


……誰かに似てる。


優月が笑う。


「これ、結愛っぽい」


結愛、ドヤ顔。


「モデルです」


言葉覚えた。


その時。


咲良ちゃんが遊びに来る。


ラフを見る。


そして。


小さく笑った。


「かわいい……」


唯ちゃん、少し照れる。


でも。


今回は前より迷いが少なかった。


描くことを、ちゃんと楽しんでる顔だった。


夕方。


みんなで絵本のアイデアを出し合う。


結愛。


「ぷりんうさぎ、そらとぶ!」


優月。


「最後はみんなでケーキ食べたい」


咲良ちゃん。


「星空のページ、入れたいな」


どんどん広がる。


すると。


唯ちゃんが、ふと笑った。


「なんか、“みんなの絵本”になってきたね」


その言葉通りだった。


山本家の毎日。


笑い声。


優しさ。


友達。


全部が少しずつ、物語になっていた。


夜。


結愛が、唯ちゃんの隣で寝落ちする。


スケッチブックの上に顔ぺたーん。


唯ちゃん、笑いながら毛布をかける。


その姿を見て。


優月がぽつりと言った。


「ママ、前より楽しそう」


唯ちゃんは、少し驚いて。


それから優しく笑った。


「そうかも」


少し前まで。


“描きたい”気持ちを、どこか遠くに置いていた。


でも今は違う。


好きなことを。


家族みんなで笑いながら続けている。


それが、唯ちゃんをすごく自然に笑顔にしていた。


その時。


結愛が寝言で言う。


「ぷりんうしゃぎ……せかい……」


スケール大きい。


優月、吹き出す。


咲良ちゃんも笑ってる。


唯ちゃんなんて、涙出るくらい笑ってた。


冬の夜。


窓の外は寒い。


でも。


リビングだけは、すごくあたたかかった。


机の上には、新しい絵本。


描きかけのページには――


星空の下を歩く、小さなぷりんうさぎ。


その後ろには。


大切な友達たち。


タイトルの横に。


唯ちゃんが、小さく書いていた。


“だれかを笑顔にする魔法は、きっとある”


山本家の灯りは。


今日も優しく、夜を照らしていた。


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