きらきらの夏休み
夏休み。
朝から太陽が本気だった。
暑い。
蝉もうるさい。
そんな中――
結愛は、朝6時から水着を着ていた。
早い。
理由はもちろん。
今日は。
ひまりちゃん、咲良ちゃんと一緒に――
プールへ行く日。
結愛、朝から大騒ぎ。
「まだ!?」
「あとなんぷん!?」
「ぷーるまだぁ!?」
優月、笑いながら髪を結んでいる。
「まだ準備中だよ〜」
でも。
優月自身も、少し浮かれていた。
咲良ちゃんたちと遊ぶのが、すごく楽しみなんだろうなって分かった。
プール到着。
大きな流れるプール。
ウォータースライダー。
子どもエリア。
結愛、完全に目キラキラ。
「うみだ!!」
違う。
ひまりちゃんもテンションMAX。
二人、手を繋いで走りそうになる。
僕と唯ちゃん、同時に止める。
「走らない!」
夏の親あるある。
着替えて。
プールサイド集合。
結愛とひまりちゃん。
もう浮き輪装備済み。
しかも。
浮き輪に、魔法少女シール貼ってる。
本気。
まずは流れるプール。
二人、ぷかぷか流れていく。
笑ってる。
手をバシャバシャ。
時々ぶつかる。
また笑う。
その後ろを。
優月と咲良ちゃんが、ゆっくり歩いていた。
咲良ちゃんが笑う。
「結愛ちゃん、ずっと元気だね」
優月も笑う。
「電池どこに入ってるんだろ」
その会話が、もうすっかり友達だった。
途中。
波のプール。
結愛、最初はちょっと怖がる。
波が来るたび。
「きゃぁっ!」
でも。
ひまりちゃんが手を握る。
「大丈夫!」
その瞬間。
結愛、少し勇気出る。
そして。
二人でジャンプ。
バシャーン!!
大笑い。
優月は、その姿を見ながら静かに笑っていた。
その時。
咲良ちゃんが言った。
「なんか、“小さい頃の夏”って感じするね」
優月、頷く。
「ずっと覚えてそう」
その声が、少し優しかった。
昼ごはん。
みんなでポテトやかき氷を食べる。
結愛、舌真っ青。
優月、吹き出す。
「魔法少女の色になってる!」
結愛、ドヤ顔。
「ぱわーあっぷ」
何味。
そのあと。
ウォータースライダー挑戦。
結愛、最初は強気。
「よゆう!!」
でも。
上へ行くと。
急に静か。
下を見る。
高い。
結愛、固まる。
「……やっぱむりかも」
すると。
ひまりちゃんが言う。
「一緒にすべろ?」
結愛、ちらっと見る。
ひまりちゃん、笑ってる。
その笑顔を見て。
結愛、小さく頷く。
そして――
二人同時スタート。
「きゃぁぁぁぁ!!」
水しぶき。
大絶叫。
でも。
下まで来た瞬間。
二人とも、大爆笑。
結愛、息切れしながら言う。
「とんだ……」
優月と咲良ちゃん、笑いながら拍手。
そのあと。
四人で写真を撮る。
濡れた髪。
笑顔。
夏空。
その瞬間が。
なんだか“青春”って感じだった。
帰り道。
結愛は、車でうとうとしていた。
でも。
眠る前に、小さく呟く。
「ともだちとぷーる……たのしかった……」
その顔が、本当に幸せそうだった。
優月も、窓の外を見ながら静かに笑う。
咲良ちゃんとの話。
結愛たちの笑顔。
全部が、心に残ってる感じだった。
夜。
優月は、スケッチブックを開く。
青いプール。
流れる浮き輪。
笑う四人。
そして。
夏の太陽。
タイトルは――
『きらきらのなつやすみ』
その絵は。
今までで一番、夏の匂いがした。




