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四月のイベント

四月。


山本家にとっての四月は――


“新しいこと”がいっぱいの季節だった。


桜が咲いて。


風が少し暖かくなって。


町全体が、なんだか優しく浮き足立っている。


そして。


山本家の四月は、とにかく賑やかだった。


まず最初は――


お花見。


近所の公園。


満開の桜。


青空。


レジャーシート。


お弁当。


結愛は、桜より団子。


「おいしい!」


優月は、風で舞う花びらをじっと見ていた。


そのあと、静かにスケッチブックへ描き始める。


桜の下で笑う家族。


それが、今年の“春の一枚”になった。


次は――


新学期。


優月は、新しいクラスに少し緊張。


でも。


絵をきっかけに友達ができた。


帰ってきた時の嬉しそうな顔を、僕は忘れられない。


結愛は、毎朝「いってらっしゃい!」を全力で言う係。


声が大きすぎる。


その次は――


家庭菜園スタート。


唯ちゃんが、庭へ新しい花を植え始めた。


トマト。


いちご。


バジル。


結愛は、毎日水やり。


でも。


だいたい自分の靴も濡れる。


優月は、植物の成長を絵日記にしていた。


小さな芽が出ただけで、みんな大騒ぎ。


それから――


山登り。


春の山。


おにぎり。


小さな花。


そして。


“プリン山”。


結愛のせいで、山本家では伝説になった。


優月は、その景色を大きな絵に描いた。


リビングに飾られているその絵を見るたび。


春の風まで思い出す。


そして――


焼肉大会。


カニ祭り。


ラーメン。


お寿司。


相変わらず食べてばかり。


でも。


“美味しい”って言いながら笑う時間が、山本家は大好きだった。


特に結愛。


人生を全力で楽しんでる。


さらに――


僕の誕生日。


優月の手作り絵本。


結愛のプリン落書き。


唯ちゃんの料理。


あの日の“おめでとう”は、たぶん一生忘れない。


そして最後は――


沖縄旅行。


青い海。


ジンベエザメ。


夕日。


虹。


離島。


全部が夢みたいだった。


でも。


一番覚えてるのは、景色より“みんなの顔”だった気がする。


笑ってる顔。


驚いてる顔。


眠そうな顔。


その全部が、旅の思い出になっていた。


四月の終わり。


ある夜。


優月は、スケッチブックを見返していた。


桜。


海。


家族。


山。


食べ物。


ページが、春でいっぱいになっている。


結愛が、その横で聞く。


「しがつ、たのしかった?」


優月は、少し考えてから笑った。


「うん。すごく」


すると。


結愛も笑う。


「ゆあも!」


僕と唯ちゃんは、その姿を見ながら静かに笑った。


たぶん。


“幸せ”って。


特別な一日じゃなくて。


こういう小さい楽しい日が、いっぱい集まったものなんだと思う。


窓の外では、春の夜風。


山本家の四月は。


今日も優しく終わっていった。


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