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ゴロゴロする日

日曜日。


朝。


外は雨。


しかも、ちょっと寒い。


そんな日は――


誰もやる気が出ない。


僕が目を覚ますと。


すでに結愛が、僕の布団へ転がり込んできていた。


「おはよぉ……」


半分寝てる。


その横では。


唯ちゃんも、まだ毛布に包まっている。


リビングへ行くと。


優月までソファで丸くなっていた。


完全に“今日はダメな日”空間。


僕は笑う。


「今日はどうする?」


すると。


結愛、即答。


「ごろごろ!」


全員賛成。


ということで。


山本家、“一日だらだら大会”開催。


朝ごはんは、超ゆっくり。


ホットミルク。


トースト。


スクランブルエッグ。


雨の音を聞きながら食べる朝ごはんって、なんだか特別だった。


食べ終わったあと。


結愛は、こたつへ潜る。


「でられない……」


また住み始めた。


優月は、本を読みながらゴロゴロ。


唯ちゃんは、ソファで毛布に包まっている。


僕も、結局その横へ座る。


誰も急がない。


誰も頑張らない。


でも。


それが、すごく気持ちよかった。


昼頃。


結愛が突然言う。


「なんかたべたい」


さっき食べた。


でも。


こういう日は、おやつが増える。


ポテチ。


チョコ。


みかん。


プリン。


完全に休日。


その時。


優月が、ぽつりと言う。


「こういう日、好きかも」


僕は頷く。


「わかる」


特別なことしてないのに。


なんだか安心する。


雨の音。


家の匂い。


家族の気配。


“家にいる”って、こういうことなのかもしれない。


午後。


みんなで映画を見ることになった。


でも。


開始三十分後。


結愛、寝る。


早い。


しかも。


僕の腕を枕にしてる。


重いけど、動けない。


優月は、映画を見ながら時々笑ってる。


唯ちゃんは、その横でうとうとしていた。


僕は、ぼんやりその景色を見る。


静か。


でも。


すごく温かい。


夕方。


外はまだ雨。


部屋の中は、オレンジ色の明かり。


結愛が起きて、ぼーっとしながら言う。


「きょう、なんもしてない」


すると。


優月が笑った。


「それがいいんじゃん」


結愛、少し考える。


それから。


小さく笑った。


「たのしかった!」


僕は、その言葉に頷く。


遊園地も。


旅行も。


特別で楽しい。


でも。


こういう、“なんでもない日”も、ちゃんと幸せなんだと思う。


夜。


みんなでお風呂に入って。


温かい布団へ入る。


結愛は、眠そうに呟く。


「またごろごろしたい……」


優月、吹き出す。


「毎日したいだけでしょ」


すると。


結愛、目を閉じながら言う。


「ばれた……」


そのまま、すぐ寝息。


雨の夜。


山本家は、今日もゆっくり時間が流れていた。


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