服を買いに!
十二月。
ある日曜日。
朝から、かなり寒かった。
結愛は、モコモコの毛布に包まりながら言う。
「ふゆ、つよすぎる……」
優月、大笑い。
その時。
唯ちゃんが、ふと結愛の袖を見る。
……短い。
「あれ?」
優月も気づく。
「結愛、服ちっちゃくなってない?」
結愛、きょとん。
でも。
たしかに。
ズボンも少し短い。
僕は笑った。
「成長したんだねぇ」
すると。
結愛、嬉しそう。
「おおきくなった!?」
そのまま。
家族で冬服を買いに行くことになった。
ショッピングモール。
クリスマスソング。
大きなツリー。
人いっぱい。
結愛、入った瞬間テンション爆上がり。
「あったかそう!!」
モコモコの服コーナーへ突撃。
優月は、少し大人っぽい服を見始めていた。
去年とは、選ぶものが少し違う。
なんだか成長を感じる。
唯ちゃんは、結愛に帽子を合わせながら笑う。
「これかわいい〜」
結愛、鏡を見る。
そして一言。
「くま!」
完全にくま。
優月なんて笑いすぎて座り込んでる。
僕も吹き出した。
そのあと。
優月が、少し背伸びしたコートを見つけた。
落ち着いた色。
シンプルだけど綺麗。
優月は、少し悩みながら試着室へ。
数分後。
カーテンが開く。
「どう……?」
その瞬間。
僕と唯ちゃん、少し固まる。
似合ってた。
すごく。
子どもっぽさの中に、少しだけ“大人”が見える。
唯ちゃんが、優しく笑う。
「優月、なんかお姉さんになったね」
優月、少し照れてる。
結愛は、ぽかんと見たあと――
「モデルさんみたい!」
優月、真っ赤。
でも。
すごく嬉しそうだった。
その横で。
僕も、なんだか不思議な気持ちになる。
ついこの前まで、小さかったのに。
ちゃんと少しずつ、大きくなってる。
その時。
結愛が突然、派手なキラキラ服を持ってくる。
「これ!」
めちゃくちゃ光ってる。
唯ちゃん、笑い崩れる。
「アイドルかな?」
結愛は本気。
試着する。
結果――
超まぶしい。
歩くたびキラキラ。
優月、涙出るほど笑ってる。
僕まで笑ってしまった。
でも。
結愛は、鏡の前で満足そう。
「かわいい……」
本人が幸せなら、それでいい。
夕方。
たくさん買い物して帰る。
紙袋いっぱい。
冬服の匂い。
新しい服って、なんだか少しワクワクする。
帰り道。
優月が、小さく言った。
「服変わると、気分も変わるね」
僕は頷く。
「わかる」
優月は、新しいコートの袋を抱えながら笑った。
「早く着て出かけたい」
その顔は、すごく嬉しそうだった。
その時。
結愛が突然。
「ゆあ、ぷりんのふくほしい」
家族全員、大爆笑。
唯ちゃんなんて歩けなくなってる。
でも。
結愛は真剣。
「だっておいしそう!」
山本家の買い物は。
結局、最後まで賑やかだった。




