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ぽかぽか

お正月。


朝。


まだ少し眠たい空気の中。


結愛の声が響いた。


「おしょうがつー!!」


元気すぎる。


優月も、眠そうに笑いながら起きてくる。


唯ちゃんは、お雑煮の準備。


僕は、こたつで一瞬だけ二度寝しようとして――


優月に見つかる。


「ぱぱ、だめー!」


即起こされた。


朝ごはん。


湯気の立つお雑煮。


黒豆。


かまぼこ。


結愛は、もちに苦戦していた。


「のびるぅぅ!」


優月、大笑い。


でも。


そんな騒がしい食卓が、なんだかすごく幸せだった。


朝ごはんのあと。


みんなで初詣へ行くことになった。


冷たい空気。


白い息。


神社には、人がいっぱい。


結愛は、僕と優月の真ん中でぴょこぴょこ歩いていた。


「なにおねがいする?」


僕が聞くと。


結愛、即答。


「ぷりん!」


ぶれない。


優月は少し考えてから言った。


「みんなが元気でいますように」


その言葉に。


僕と唯ちゃんは、静かに顔を見合わせた。


なんだか。


優月らしい願いだった。


お参りをして。


おみくじを引く。


結愛――


大吉。


「さいきょー!」


飛び跳ねてる。


優月は中吉。


僕は――


末吉。


微妙。


しかも。


『足元に注意』


優月、爆笑。


「おみくじにまで言われてる!」


唯ちゃん、笑いすぎて肩震えてる。


神様にまで心配されてた。


帰り道。


屋台で甘酒やたい焼きを買う。


結愛は、たい焼きのしっぽから食べていた。


優月は、空を見ながらぽつりと言う。


「今年も、いっぱい思い出できるかな」


僕は笑った。


「できるよ」


「なんでわかるの?」


僕は、隣の家族を見る。


笑ってる唯ちゃん。


たい焼き落としそうになってる結愛。


優しい顔の優月。


僕は答える。


「だって、もう始まってるから」


優月は、一瞬きょとんとして。


それから、ふわっと笑った。


家へ帰ると。


みんなでこたつに集合。


テレビを見ながら、だらだらする。


最高のお正月。


その時。


結愛が急に立ち上がった。


「ことしのもくひょう!」


僕たち、注目。


結愛、胸を張る。


「いっぱいたべる!」


家族全員、大爆笑。


優月なんて笑いながら言う。


「もうできてる!」


でも。


笑ってるその時間が。


なんだかすごく温かかった。


外は寒い冬。


でも。


こたつの中も。


この家も。


ちゃんと、ぽかぽかだった。


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