表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
107/302

きっと、ずっと忘れないんだろうなって。

ゴールデンウィーク。


家族会議の結果――


「キャンプに行こう!」


となった。


結愛、意味はよく分かってない。


でもテンションだけ最高潮。


「おそとでねるの!?」


「そうだよ」


「くまいる!?」


「たぶんいない!」


朝早く出発。


車の中は、お菓子と笑い声でいっぱいだった。


優月は、窓の外を見ながら嬉しそう。


結愛は五分で寝た。


早い。


キャンプ場へ着くと。


空気が全然違う。


木の匂い。


鳥の声。


風の音。


優月は大きく伸びをした。


「きもちいいー!」


結愛は、なぜか小枝を拾い始める。


「たからもの!」


最終的に十本くらい持ってた。


まずはテント作り。


……だったんだけど。


僕、説明書に苦戦。


棒が多い。


意味が分からない。


唯ちゃん、笑ってる。


「パパがんばれー」


優月も応援してる。


「ころばないでね!」


テントで転ぶ未来が見えてる。


数十分後。


なんとか完成。


……ちょっと斜め。


でも。


子どもたちは大興奮。


「おうちだー!!」


結愛なんて即入居。


「ここ、ゆあのへや!」


キャンプ場でも始まる縄張り争い。


夕方。


みんなでカレー作り。


優月は真剣に野菜を切っている。


結愛は、じゃがいも洗う係。


……だったけど。


なぜか水遊びに進化。


僕、びしょ濡れ。


「冷たぁぁ!!」


結愛、爆笑。


唯ちゃん、写真撮ってる。


絶対あとで笑われる。


でも。


外で食べるカレーは、びっくりするくらい美味しかった。


結愛なんて。


「おかわり!」


三回目。


小さいのによく食べる。


夜。


焚き火の前。


ぱちぱち燃える音を聞きながら、みんな静かになっていた。


空には、星。


優月が、小さな声で言う。


「きれい……」


都会では見えないくらい、たくさんの星だった。


僕は、隣の優月を見る。


少しずつ大人っぽくなっていく横顔。


でも。


星を見て目を輝かせるところは、まだ子どもだった。


その時。


結愛が突然。


「ねえ」


「ん?」


「おほしさまって、ぷりんみたい」


全員沈黙。


僕、吹き出す。


「どこが!?」


結愛、真剣。


「きいろ!」


基準そこだった。


家族全員、大笑い。


夜更け。


テントの中。


子どもたちは、並んで寝袋に入っていた。


優月が、眠そうな声で言う。


「また来たいね」


「うん」


「おとなになっても、みんなでこれるかな」


その言葉に。


僕は少しだけ胸がきゅっとなった。


時間は進む。


子どもたちは大きくなる。


きっと。


いつか、今みたいにはいかなくなる日も来る。


でも。


僕は笑って答えた。


「来れるよ」


優月は、安心したように笑う。


「そっか」


その数秒後。


結愛、寝言。


「……カレーとぷりん……」


欲張りセットだった。


僕と唯ちゃんは、小さく笑い合った。


テントの外では、風が静かに揺れていた。


そして僕は思う。


こういう夜を。


きっと、ずっと忘れないんだろうなって。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ