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神樹の少年シーナ ~転生したら、頭に葉っぱが生えたんだけど?~  作者: 月ノ宮マクラ


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002・光合成スキル

 ギュッ


「あ、痛……っ」


 摘まんで引っ張ると、痛覚があった。


 ええ……? 


 どうやらこの2枚の葉っぱ、しっかり僕の頭部と繋がっているみたいだ。


 困惑していると、


 ポワン


(んお……?)


 2枚の葉っぱが、突然、輝きだした。


 葉っぱ電球?


 あ、いや、


(これ、吸収してる?)


 森に降り注ぐ太陽光を浴びて、2枚の葉っぱは輝いているようだ。


 同時に、


(あれ?)


 僕の全身もポカポカと熱くなる。


 何だろう……全身に熱い『何か』が流れて、力が溢れてくる感じだ。


「…………」


 ふと、足元に石があった。


 拳大のサイズ。


 それを拾う。


 試しに、小さな指に力を込めてみた。


 バキン


(うわっ?)


 石が砕けた。


 破片がパラパラと地面に落ちていく。


 しばらく、小さくなった自分の手のひらを見つめた。


 うん……、


「これ、転生チートだ」



 ◇◇◇◇◇◇◇



 1度、石を砕いたあと、葉っぱの光が消えてしまった。


 別の石を拾う。


 けど、2度目は砕けない。


(ふむ)


 多分、吸収した力を使い切ったのかな?


 試しにもう1度、集中すると、


 ポワン


 葉っぱが光る。


 力が溢れる。


 また別の石を拾って、


 バカン


 簡単に砕けた。 


(うはは……)


 ちょっと楽しい。


 前世の自分では、こんなこと、絶対に無理だったろう。


「転生って凄いな」


 今の状態に感動してしまう。


 太陽光を力に変換する――うん、これを『光合成スキル』と命名しよう。


 1人頷く僕の頭で、


 ヒラヒラ


 2枚の葉っぱは、アホ毛のように揺れている。


(…………)


 他の人に見られたら、目立つかな?


 異世界にも現地人がいるとして、この葉っぱはどう見えるだろう?


 普通?


 それとも、奇異?


 もし後者なら大変だ。


 あまり望ましくない結果が生まれるかもしれない。


「隠せるかな?」


 と思った時、


 シュッ


 頭で何かが引っ込む感覚がした。


(ん?)


 水面を見る。


 あ、葉っぱ、なくなってる。


 見た目、普通の子供だ。


 意識すると、


 ニョキ


 また葉っぱが生え、再び意識すると、シュッと引っ込む。


(あはは、面白い)


 うん、この葉っぱ、本当に便利だね♪



 ◇◇◇◇◇◇◇



 さて、頭の『葉っぱ』は一旦、置いておこう。


 僕は、転生した。


 なら、ちょっと現在と未来も考えないと。


 僕は今、森にいる。


(でも、生きていくなら、人里を目指した方がいいよね)


 人間、1人じゃ生きられぬ。


 あと、寂しいし……。


 それに、せっかく異世界に転生したのなら、新しい世界を色々見て回りたいじゃないか。


 なので、


(小川沿いに移動しよう!)


 人間、生きるには水がいる。


 きっと、異世界人も同様だろう。


 なら、この小川の先に、異世界人の暮らしている場所があるはずだ。


 どんな人に出会えるのかな?


(ふふ、楽しみ♪)


 僕は、小さく笑う。


 その時、ふと、あの光る大樹を思い出した。

 

(…………)


 神々しい、偉大なる樹。


 きっと、あの樹が2度目の人生を、僕に与えてくれたんだと思う。


 何となく、空を見て、


「――ありがとう」


 僕は呟く。


 ふと、風が吹く。


 僕の頭に生えた2枚の葉っぱがヒラヒラと揺れる。


(ん……)


 僕は、目を閉じる。


 やがて、ゆっくり開き、


「よし、行こう!」


 前を向いた僕は、新しい自分の足を1歩、大きく踏み出した。

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― 新着の感想 ―
光合成スキル・・・植物系(?)らしいですね。となれば昼間は強そう。
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