表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神樹の少年シーナ ~転生したら、頭に葉っぱが生えたんだけど?~  作者: 月ノ宮マクラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/13

001・葉っぱの少年

新作になります。

どうか、ゆっくり楽しんで下さいね。

(ああ……僕は、死んだのか)


 不意に、そうわかった。


 ただ、その感慨以外、他には何も覚えていない。  


 自分の名前。


 生きた年齢、性別、家族、そして、死因……その人生の何もかも。


 日本人、だったのかな?


 それだけは、何となく感じるけど、それも曖昧だ。


(まぁ、いいか)


 僕は、死んだのだ。


 生きている時のことなど、もう忘れてもいいのだ。


 少なくとも今は、安らいでいる。


 それでいい。


 そう思った時、


(ん?)


 誰かに呼ばれた気がした。


 誰だろう……?


 ふと、顔をあげる。


 目の前に、大きな『光る樹』があった。


 少し驚く。


 いつの間に?


 いや、そんなことはどうでもいい。


 それは、天高くそびえ、巨大で、神聖で、神々しくて、偉大なる樹木なのだと、なぜかわかった。


 その前にいる僕は、米粒みたい。


 いや、砂粒かな?


 呆ける僕の頭上で、光り輝く大きな葉たちが揺れる。


 光の粒子が散り、


(あ……)


 その1粒が大きな水滴みたいに、僕の頭に落ちた。


 トパァン


 強い衝撃。


(――――)


 瞬間、僕の全身が発光し、内側に何か大きな『力』が流れ込む。


 全身が熱い。


 矮小な僕の存在が破裂してしまいそう。


(……っっ)


 視界が白む。


 世界が光に染まっていく。


 そんな僕の前で、神々しい偉大な樹木は泰然とそこにあり、梢の光る葉を揺らしている。


 駄目だ、僕が弾ける。


 そう思った時、大いなる『意思』が響いた。


 それが僕に告げる。



『――王の葉を冠する子よ。さぁ、新しい世界に芽吹きなさい』



 ◇◇◇◇◇◇◇



「んはっ!?」


 唐突に、目が覚めた。


 ガバッ


 上半身を跳ね起こし、慌てて周囲を見る。


 辺りは、一面の森だった。


 樹高20~30メートル級の木々が生え、土の地面には草が茂り、葉の隙間から青い空が見えている。


 空気は涼しく、植物の香りが強い。


(…………)


 どこだ、ここ?


 森の雰囲気は、どうも日本ではなさそう……。


 いや、そもそも僕は死んだはずで。


 つまり、これは、


「転生……?」


 生前の知識の名残りが、現状をそう認識させる。


 え、本当に?


 認識できても、納得できるかは別の話だ。


 だけど、直前まで見ていた光る大樹の夢を思い出すと……う~ん、そうとしか思えない。


 その時、


(あ……)


 木々の奥に、流れる清流を見つけた。


 小川だ。


 僕は、そちらに向かう。


 あれ……何だろう?


 歩幅に少し違和感がある。


 やがて、川辺に辿り着く。


 流れる水は透明で、小さな魚が4~5匹泳いでいるのも見える。


 そして、その水面に、


(……あ)


 10~12歳ぐらいの金髪の子供が反射していた。


 しばし、言葉を失う。


 右手を上げる。


 水面の子供も、小さな手を上げた。


 うわ、本当に?


「……これが、僕?」


 呆然と、その子を見つめる。 


 黄金の髪は、癖もなく、肩ぐらいの長さ。


 瞳は、澄んだ湖のような青色だ。


 肌は西洋人のように白い。


 服装は麻のような布服の上衣とズボン姿で、靴ははしばみ色の革の靴。


 幼い顔立ちは結構整っている。


 ただこの年代特有か、一見、少年か少女か見分けがつかなかった。


 さて、どっちだろう?


 ゴソッ


 ズボンの腰を引っ張ってみた。


 あ、ついてる。


(そっか、僕は男か)


 見れば、水面に映る男の子は、少し恥ずかしそうにしていた。


 それに、つい笑う。


 やがて、僕は息を吐く。


 さすがにこれは『転生』の事実を受け入れるしかないかな。


 事実は小説よりも奇なり。


 でも、それが現状だ。


「ん、よし」


 パン


 軽く頬を叩いて、気合を入れた。


 なぜ転生したのか、とか、何をしたらいいのか、は、まるでわからないけれど、今はまず現実を受け入れよう。


 そう思った時、


 ニョキ


(ん?)


 何だか、頭の天辺がムズムズした。


 何だ?


 もう1度、水面を見る。


「……うえ?」


 僕は、青い瞳を瞬く。


 いや、現実は受け入れたつもりだった。


 でも、これは……。


「……葉っぱが生えてる」


 僕の頭、その金髪の中から『2枚の葉っぱ』がYの字のようにピョコンと生えていた。


 緑色の葉っぱは、風に揺れている。


 …………。


 いや……何だ、これ?

ご覧頂き、ありがとうございました。


本日、第3話まで更新いたします。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
新作お待ちしておりました、今作も期待です。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ