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24話 ブリーフィング

 PM21:03

 自衛隊桜場支部駐屯地。タスクフォース0の勤務する部屋にて、私達は全員揃った状態で来栖さんと茜さんのブリーフィングを受けている最中だ。

 


「ええか! これより50分後にオペレーション・イマジナリーブレイクを決行する。各員! 配置と役割は全部頭に叩き込んだな!」


「「「「「はい!」」」」」


 

 今回の隊長は例外ではあるが、戦闘経験の豊富な茜さんに任命された。沙織さんとも今、ブリーフィング前に少し話したが、脳内で沙織さんが考え、常に作戦の全貌を把握し、トラブルが起きた際は常に対策を練る。そして実行は茜さんという事らしい。

 それが彼女達の戦闘スタイル。

 参謀の沙織さんと実行者の茜さんだ。バランスが良くて羨ましいと思う。

 


『俺だってちゃんと考えてるでしょ〜?』


『黙って。今大事なブリーフィング中よ』

 


 大樹がなんか言ってきたが、まあ確かに? こいつが役立ってることの方が多いし、考えてもくれてる。でも高いところがね〜。

 そう思いつつ、意識を話に戻す。

 


「今回の目標は2つ。第一に奏凍死塚の拘束。第二にファンタジア当主、厳重院昭弘の身柄確保や」


「はい先生」


「なんやアカリ。言うてみい」


 

 手を挙げたアカリを睨む茜さん。


 

「厳重院の確保は分かりましたけど、そない上手くいくんですか? 政治家っちゅうのって、いざという時何やかんや権力使って言い逃れしそうなイメージがあるんですけど」


 

 ドラマとかではよく見る定番ね。茜さんも「はぁ」と頷き、細く説明する。

 


「せやな。アカリの言う通り、そのイメージ通りで間違いない。けど奴のこれまでで積み重ねた悪行の数々の証拠は揃っとるねん。それにあんたらが取ってきた証拠が最後の決め手や。これによって政府と警察も奴の確保に動き出してくれてな。もしそないな言い訳しても、もう逃げ道はあらへん。やから余計なことは考えんでええっちゅうわけや」


「なるほど。分かりました」


「他。なんか気になることあるか?」


 

 アカリの質問に答え終え、ついでと言わんばかりに私たちに聞いてくる。今のところ質問はないと黙っていると、茜さんはブリーフィングを続けた。

 


「ないみたいやな。なら続けるで。今回新たにかけられた容疑は、厳重院による親愛誓約社長の殺人や。まあ死塚の可能性もあるけど、奴を解放したのも厳重院やから同罪や。同じムショに入ってもらおうやないか」


「うんうん。なので今回の作戦、場所はファンタジアの最後の拠点、北海道のとある滅びた街に向かうことになります」

 


 来栖さんがパワーポイントをいじり、モニターに映し出された北海道のとある場所。ロストハコダテを赤いポイントレーザーで指した。

 


『ロストハコダテってネタにしても微妙な名前だよな』


『黙って。あんたも歴史の授業を受けた身なんだから、知識としては頭に入ってるでしょ』


『まあね。ロストハコダテ。ゲート開発以前の時代に【エリミネーター】によって侵攻を受けて滅んだ都市の一つ。たしかその場所の【エリミネーター】の体は……』


『悪魔型ね。一見私たち人間と同じ見た目で、羽とかツノが生えた異形。でも明確な違いは言葉の有無ね。奴らは言葉を発さないし、仲間同士でつるみもしない。基本単体で活動する個体なんだけど、面倒なのはその頑丈さよね』


 

 そうなのだ。【悪魔型】は生存能力が非常に高く、頑丈で図太い。学校で習った内容そのままなら、普通に戦っても疲労によって人間側の方が不利になるという、なんともめんどくさい個体だ。

 今回ファンタジアの拠点がロストハコダテにあると見た理由は、アリス達が持ち帰った資料にあった。

 親愛製薬で見つけた資料と映像にあったポッド内の素材。あれが【悪魔型】の物だと断定されたのだ。


 

 通常【エリミネーター】の素材の流通はない。それは、あの素材がどのような影響を人体に及ぼすか未知数だからだ。九条家実験場でもあった精神支配も、その影響の一つ。

 虫であれなのだから、悪魔型ともなれば効果はより悲惨なもののはずだろう。


 

「ロストハコダテ内部に何度か怪しげな車両が出入りしてる情報があって、つい先日自衛隊はその追跡をしたのだけど、その追跡隊がいかにもな建物を発見してその後すぐに反応がロストしてしまってね〜。だいたいこの辺りかしら」

 


 マップの中央を来栖さんは指す。そうなると、その場所に何かしらの拠点があることは明確。

 


「車両が向かった先が親愛製薬本社だったから、おそらくファンタジア関係なのだろうけど、ごめんなさい。それを調べ上げるまでの調査はできなかったわ」


「だったら、この任務が無駄足になる可能性もあるってことですか?」


「いいえ雪也君。そうはならないわ。なぜなら……」


 

 そう言って次に映し出されたパワーポイントは映像付きだった。そこには自衛官が事務所らしい拠点に入り込んでいく様子があった。それもLIVEと表示されて。


 

「って、これ生の映像ですか!?」


「ええそうよ。調べ上げられなかったから、私たち自衛隊と全国の警察は、全ファンタジア事務所の家宅捜索を強制執行することになりました〜。総理大臣の命令でね〜」


「まあ国家総動員っちゅうわけやな」


 

 なんとも大々的な作戦だ。幻想の破壊。たしかに作戦名に相応しい動きだと思う。

 


「要はロードローラー作戦や。端から端までくまなく捜索して、残るはずのロストハコダテ内部にある拠点を制圧や。分かったな」


「「「「「了解」」」」」


「ならブリーフィングは以上や。各員準備のち、定刻になったら発着場に来るように。では解散」


 

 そうしてブリーフィングは幕を下ろした。

 私達は装備と戦機の見直し、作戦の確認をしつつ時間を潰し、オスプレイ発着場に向かうことになった。

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