好きなことに
「歌の方向性を決めなくちゃね」
音頭が予想外にマトモなことを言ったので、安堵した立花であった。
「そこで、だ!」
やはり予感が当たりそうで、不安になる立花。
「[マジカルスター⭐ラビット]的な路線曲で行かないか?」
[マジカルスター⭐ラビット]とは主に3歳~6歳位までの子供達に人気のアニメである。
「確かに幼等部の子達も大半が知ってるけど」
「でしょ、だから今回はそういう路線で行こう」
音頭の提案に立花も納得だが、屋台が言う、
「でも音頭、お前の考えはそれだけじゃなさそうだけどな」
「さすがやっちゃん、よく分かってる」
立花の予感が当たりそうである。
「それだけじゃないって、どう言うこと?」
立花が不安そうに尋ねる、
「そう!、今回はマジカルスター⭐ラビットに出てくるような、キャラの格好をしよう!」
「……それって魔法使いや武道家みたいなコスプレするってこと?」
「その通り!!」
勢いよく立ち上がり、腕を高々と上げる音頭であった。
「マジカルスターっぽい衣装か、確か演劇部にそれっぽい衣装があった気がするな」
屋台も乗り気である、しかし立花は、
「ちょ、ちょっと待ってよ、二人とも正気?、コスプレして演奏するなんて?!」
さすがに立花は止めにはいる、が音頭には疑問点がつくだけであった、
「何か問題でもあるのか?、りっちゃん」
「イヤ、恥ずかしいでしょ!、ああ言うのは幼稚園位まででさすがにこの歳になったらできないよ!」
立花がまくし立てるように言うが、
「イヤイヤ、何を言うんだいりっちゃん、小さい頃は三人で魔法使いになろうって言ってたじゃない」
「イヤイヤイヤ、もうそう言うのは卒業でしょ」
「ふ~ん、卒業ねえぇぇ」
音頭が含みのある言葉を言う、
「な、なに?、何が言いたいの音兄ちゃん?」
音頭は迷いなく、ただ普通に言う
「好きなことに卒業なんてないよ」




