変わらない音頭
「任せてください、氷菓ティーチャー!、幼等部の演奏会を葵会長も一緒にやるようにしますよ!」
何故か音頭が異様にやる気になっている。
「ちょ、音兄ちゃん本気?、生徒会長、とりつく島もなかったじゃん!」
音頭が何を言い出すかと思えば、あの生徒会長と一緒にやる?、どうやって??、
「本気か音頭?、本気で一緒に出来ると思ってるのか?」
屋台も無理だと思っているのだろう、しかし音頭は言う、
「な~に言ってるの?、目の前で氷菓ティーチャーが困ってる、理由も分かってる、なら解決してあげなくちゃ!」
そうだった、屋台も立花も忘れていた、
[人を助けるのに理由なんか要らないでしょ]
それが昔の音頭の口癖で、音頭はそういう人だった、
「ふぅ」
屋台が静にため息をついた、
「分かった、じゃあ何かいい考えがあるのか?」
「ふ、もちろんないさ!」
スパーン!
「音兄ちゃん!?」
まるでハリセンを持っているかのような、立花のツッコミである。
「ホントに行けるの?、私が言えることじゃないけど、時間ないんだよ?」
日曜日まで後四日、それまでにあの生徒会長を説得、難易度は高い。
「氷菓ティーチャー、生徒会長の好きなものや、特技って何ですか?」
「好きなものや特技ですか?」
行きなり音頭が訪ねたものだから、氷菓先生も面を食らっている。
「そうです、もし楽器とか弾けるんだったら、一緒にやろうと思うんです」
「音兄ちゃん、もしかしてメンバーに入れるつもり?」
「その通りだ!、りっちゃん、何か問題でも?」
立花は無理だと言おうとしたが、それより早く氷菓先生が
「もし、それが叶うのだとしたら、私にとっては何よりも嬉しいことになります」
自分の胸に手を当て、[氷菓 神楽]は静に微笑む、
「葵自身もみんなと楽しく過ごしたいとは思っていると思います、音頭君、無責任なお願いとは承知していますが、宜しくお願いします」
音頭は自信満々で胸をドンっと叩く
「任せてください」
「葵は小さい頃はよく[マジカルスター]の真似をしていました。と言うより、今でも魔法のステッキを振りかざして、呪文を唱えたいと思っているでしょう」
「ほうほう」
氷菓先生の言葉に音頭が頷いていく、
「ですが、今やれば周りから引かれると思っています、でもきっとそれを引かずに、一緒にやってくれる人達なら」
「分かりました、氷菓ティーチャー!」
氷菓先生が言い終わる前に、音頭は自己完結したようだ、
「よし、やっちゃん、りっちゃん!、もう一度生徒会室にレッツゴーだ!」
「ハイよ、じゃあ氷菓先生、生徒会長も幼等部で演奏会しますから、楽しみにしていてください」
「私は確率半々な気がしますけどね、それでは失礼しました」
再び生徒会室に向かう三人であった。




