氷の魔王
「ちょっと待ちなさい」
言葉と同時に氷の壁が現れ行く手を阻まれた。
「お兄ちゃん、帰ったらお姉ちゃんが可哀想だよ、来るの待ってたんだから」
「天音余計な事言わないの」
優しく妹をなだめる先輩を見て思う、僕にも普段からあのくらい優しくしてくれればいいのになと。
「何の用ですか?僕は先輩と天音ちゃんを傷つけたくはないです」
えっ?と言う顔で真央がこっちを見てくるが無視だ。
「散々私の事ボコボコに蹴り飛ばしたのに」
無視はさせてくれないようだ。
「あれは真央が説得に応じなかったのと、真央もやる気満々だったじゃん」
事実を言ったのに何故か不貞腐れる真央
そして魔王姉妹二人は顔をしかめて若干ひき気味だ。魔王にそんな顔をされたくないんだが。
「お姉ちゃんが、二人がイチャついてるのが許せないから、少し痛い目に遭って貰うだって」
「だから天音はいらんこと言わない」
顔を赤くしながら怒っている先輩は面白いなと眺めていると、真央が先輩に向けて指を差した。
「それなら私が相手をしてあげる」
「これでもくらいなさい」
真央が仕掛けるより先に、先輩が手を振ると無数の氷の塊が凄いスピードで飛んできた。
飛んできた氷を二人は後ろに飛び退きかわした。それでも追撃が止まず次々へと氷の塊が降ってくる。
「私に任せて」
真央が言った瞬間、その場から消え先輩の後ろに回りこんだ。相変わらず凄いスピードだ。
「無駄よ」
先輩がそう言った瞬間、真央の身体が凍りついていく。




