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次元の壁の優社君  作者: ネコ雲


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まさか幼なじみが


 夜になったら仕事の時間だ、夜ご飯を食べ家をでる。僕の古いご先祖様が異世界帰りの勇者だったらしく、漫画やアニメでみる特殊能力を代々受けついでいるのだ。僕はお父さんから能力の使い方を習ったのだが、僕が小学三年生の時に次元の狭間に行ったきり帰ってこない。


 それで僕が何をしているのかというと、普通の人には見えない次元の壁というのが存在する。わかりやすく漫画やアニメ風に例えると、違う次元の異世界から魔王と名乗る者達が、次元の壁を破壊してこの世界を征服しようとしているのを、異世界とこっちの世界の次元の狭間で戦って防いでいるのだ。

 要するに世界を守る勇者なのだ。恥ずかしいから自分で勇者とは名乗らないが。


 今日もこちらの世界を征服しようとしている連中を見つけて倒さなければならないので、夜の町を散策して次元の壁を探す。大抵の場合すぐに見つかる。それ程至る所にあるのだ。


 案の定すぐに今日入る次元の壁を見つけた。壁を開くように中に入ると、もう戦っている人達が五人ほどいた。一人はフランス人のソフィーさんだ。

 彼女は日本のアニメオタクで日本語が上手く、狭間で会う内に仲良くなったので、彼女の事は良く知っている。


 他の四人も顔は知っているが、皆国が違う為言葉が通じず話した事がない。狭間では今まで色々な国の人達に会っているので、世界中に結構な数の次元の壁が存在しているのではないかと思う。数も多ければ、人も多いので破られないで済んでいるのだろうが、そんだけの数異世界がある事にロマンを感じるのは僕だけだろうか?皆どれだけ地球を征服したいんだろうとも思うけど。


 そんな事を頭で考えてたらソフィーから声がかかった。

「社、ぼーっと突っ立てないで早く手伝うっす」

 彼女の喋り方が少し変わっているのは視聴したアニメの影響だ。僕としては金髪美人が巫女服きてその言葉遣いはありだと思っている。ちなみに服装もアニメの影響だ。そんな感じでソフィーは少し変わっているが、回復、強化を得意とする凄腕の支援職だ。

 

 ソフィーがあんな言い方するって事は、中々の強敵で手こずっているみたいだ。僕は手袋を外し、人差し指から炎を纏った炎龍を召還する。僕の指にはそれぞれ召喚獣が宿っており、指に召還陣が刻まれている為、手袋で隠しているのだ。


 僕が炎龍に攻撃の命令をだすと、敵に向かって翔んでいった。かなりの巨体なので体当たりするだけでかなりの威力だ。 


 敵も炎龍の体当たりに気付き立っている場所から飛び退き上手いこと躱した。今日のフィールドは荒野みたいだ。魔王によって戦うフィールドが毎回違う。

 「あっつーい、髪が少し焦げたじゃない」

 どうやら躱したようにみえたが、少しだけ炎がカスってたみたいだけど、それよりも気になる事がある、もの凄く聞き覚えがある声がしたのだ。


 フードが脱げバツの悪そうな顔で髪をはたいている女の子が、どうみても真央なのだ。

 「社にバレちゃったか」

 「なんで真央がソフィー達と戦っているんだ」

 「それは私が魔王だからだよ」

 言ってる事がわからず動揺してしまう社。

 「それより社、ソフィーって子と仲良さそうだね」

 魔王が頬を膨らませて拗ねているではないか

 「それよりどういう事か説明してくれよ真央」

 「今は無理だよ、他の人と戦っているから」

 と言った瞬間真央が消え、社の後ろに回りこんだ。

(しまった)

 相手が真央で油断と動揺をしていた社はあっさり後ろをとられ、後ろから抱き締められ耳元で

 「社、これが私じゃなかったら死んでたよ」

 この声は怒っている時の真央の声だ

 「私の髪焦がすし酷いよね社、女の子にとって髪は大事なんだよ、それとソフィーって子と仲良さそうだったし罰が必要だね」

 真央の怒ってる言葉にゾクリと身震いし、ヤバいと思い抵抗したが、力が強くて外れない。その様子を見て炎龍が助けにこようとするが、その前に真央に、エイと背中を押され狭間の外に押し出された。


 押し出されて後ろをみたが、狭間はもう閉じて無くなっていた。一体どういう事かわからず今だに動揺しているが、一旦落ち着いて状況を整理しようと思う。まずは炎龍を人差し指に戻した。どれだけ離れていようと召還と送還は可能だ。


 続いてここが何処かと言う事だ。何処かの住宅街なのはわかるが見覚えがない。狭間では通じないし、壊れても困るので携帯も持っていない。とりあえず歩いて何かないか探すと、遠くの方に見覚えのあるショッピングモールが見えた。真央と良く行く所だ。場所はわかったが、困った事にここは電車で20分ぐらいの隣の市だ。戦闘中にお金は邪魔なので持っていない、召喚獣に乗ろうとも考えたが目立つから無理だ。つまり走って帰らなければならない。


 これが罰かと思い気分が沈む。けど走って帰るしかないので走った、途中で次元の壁に入って、魔王を倒して家の近くに出口を開ければと思ったが、もし繋がってなかったら無駄骨なのと、真央からの罰なので素直に受ける事にした。

 身体は鍛えているので、見た目は小さいが実はもの凄く身体能力が高かったりする。


 走りながら真央の事を考えていたが、頭の中で考えがぐるぐるぐるぐる回っている、要するに考えても考えてもわからないって事だ。

 そんな事を考えながら、ようやく家についた。

 もうクタクタだ、早くお風呂入って寝よ。 

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