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次元の壁の優社君  作者: ネコ雲


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12/15

勇者登場

 

 入ってきた男が何やら喋っている。

 「ようやく開けて入る事が出来た」

 少し疲れて肩で息をしている。

 入ってきた男が辺りをキョロキョロ見回して声をあげた、

 「何で真央ちゃんとついでに社がボロボロで倒れているんだ」

 僕は聞き覚えがある声だと思い男を見た。

 そこには同じクラスの鎌瀬剣が立っていたのだ。その姿を見て驚き疑問に思うが、あまり頭が回らない。そんな中喋れる真央が

 「何で剣がこんな所にいるの」

 当然の疑問だ、僕もそう思う。

 「二人が空間に出来た歪みみたいなのに入るのを見かけて後を追ってきたんだよ、歪みをこじ開けるのに時間はかかっちまったがな」

 能天気に笑ってみせる剣。


 「二人はこんな所で何をしてるんだ」

 「あいつと戦っているのよ」

 真央が魔王に視線を向ける。


 魔王を見ると何やらものすごく怒った様子で剣を睨んでいるではないか。

 「お前はあの時私を倒した異界の勇者」

 何やら驚きの発言をしてプルプル怒り震えてるではないか。勿論僕と真央も口をあんぐり開けバカみたいな顔をして驚いている。声がでたら叫んでいただろう。


 「あ~お前はあの時倒した魔王じゃないか、何で二人が戦ってるんだ」

 剣の疑問はもっともだと思うが、それより剣があの魔王を倒した事に驚きだ。

 「剣、私達の事はいいから魔王を倒して」

 「そうか、わかった、魔王は任せろ」

 剣はもともと単純な所があるので、とりあえずは納得し魔王と戦ってくれるみたいだ。

 あの魔王を剣が倒した事あるのは何か複雑な気分だが、倒せるなら文句はない。


 「あの時の負けた恨み今はらしてくれる、幸い今はあの忌々しい聖女もいないからな」

 「聖女がいなくてもお前ぐらい楽勝だ」

 剣が一歩踏み出そうとした瞬間、あれ?と言う顔をする。

 「おかしいな、身体が思うように動かないぞ、訓練はサボっていないのにな」

 僕達も魔王と剣の言葉をきいてあれ?っと思った。これはまさか獲物が増えただけなのでは。

 「聖女がいないお前など、ただ力だけの勇者だ」

 ボコスカと殴られ放題の剣だ。しかし身体が丈夫なのか勇者のステータスとかいうやつなのか、割と大丈夫そうだ。

 「こんな弱い攻撃が俺に効くか」

 そう言いながら殴り返す剣だが、常人並みのパンチ力しか出ていない。

 「そんなのろい攻撃が当たるか」

 一方的にサンドバッグ状態だ。


 僕はその様子をみて思った。勇者って凄いんだな、この麻痺をくらって動けるし、あんだけ殴られてもまだまだピンピンしているのだから、僕は動けないし、ボロボロだ。能力を抑えていない状態だったら耐えられただろうが、身体が痺れた時点でうまく力が出せなかった。僕に出来なかった事を剣君がやっているのは何か癪だ。


 魔王の攻撃はあまり効いてない、剣の攻撃は当たらない、所謂膠着状態だ。このスキはチャンスだと思いどうにかして手袋を外そうともがく社。


 そこにもう一人、壁を開いて入ってきた。

 入ってきたのは何とソフィーだった。

 社が一番待ち望んでいた人物だ。





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