新たな魔王にピンチの社
次の日の朝いつも通り真央と登校しており、昨日の先輩との件について話しをしていた。
「何か顔合わせずらいよ」
「そうよね、私は昨日負けたから悔しい」
真央も今日は珍しくテンションが低い。
学校についたらやっぱり先輩が校門に立っており目が合う。
「今日も学校で朝からイチャついて・・・早く腕をほどきなさい」
今日も真央が腕を絡ませて手を繋いでいるため注意されるだろうなと思ったが、予想通りだ。怒っている先輩に真央が近付き何やら耳打ちをしている。
「先輩、社の事が好きだからってそんなにツンツンしてたら嫌われますよ、現に怖がられてますし」
耳打ちが終わり、真央が先輩にイヤらしい笑みを浮かべている。
先輩は顔を真っ赤にしてプルプル震えている。
「社逃げよ」
真央はいたずらっ子の様な笑みを浮かべ走りだした。
「真央、先輩に何言ったのさ」
「昨日の仕返し」
そう言って笑って誤魔化された。
(昨日天音ちゃんからは、事情聞けなかったから先輩から聞きたいけど、あの様子じゃなぁ)
タメ息がでる社であった。
今日も学校が終わり一休みして、夜の仕事の時間がやってきた。いつも夜真央と会っていたら母さんに変な事を勘繰られそうなので、近くの公園で待ち合わせする事にした。
「真央お待たせ」
真央が僕を見かけ笑顔で手を振ってくれる。
(一応今から危険な戦いに赴くんだけどな)
と思いつつ真央と合流した。
早速次元の壁を探すが、公園内にあり一瞬で見つかった。
「真央、あの次元の壁に入ろうか」
次元の壁を指さして真央に言う。
「今日は先輩いないと良いよね、けど私はリベンジしたいしな」
「僕は居ない方が良いよ」
そんな事を言いながら、次元の壁を開け入って行った。
中に入り辺りを確認する。今日の心象世界は草原のようで、先輩はいないみたいでホッとした。
「今日の獲物がやってきたわね」
声がする方を振り向くと、ハーピーの様な魔王が立っていた。
一気に警戒心を上げ、戦う構えをとる。
「久々の戦いやすい魔王だ、遠慮なく行かせてもらうよ」
社は最近知り合いが魔王だったと言う驚きと、戦いにくさがありストレスが溜まっていた。
「威勢が良いわね、少しずついたぶって、最後にブスっととどめを刺してあげる」
魔王が昂った様子をみせ、戦闘態勢に入る。
こちらから攻撃を仕掛けようとした瞬間、身体に違和感を感じた。
魔王はその瞬間を逃さず、羽根を飛ばしてきた。いつもなら避ける事が出来るスピードだが避けきれず、数本の羽根が刺さってしまう。
真央も同じく
「身体が思うように動かない」
踏ん張った顔をしながらボヤいている時に、数本の羽根が刺さり膝をつく。
(身体が痺れて動けない、しかも今の羽根でクラクラしてきた)
「私の能力は状態異常、身体が痺れて動けないでしょ、今打ちこんだ羽根は平衡感覚を失わせ立つ事も出来なくなるわよ」
確かに言われた通りヤバい、身体は思うように動かないし、クラクラして立つ事が出来なくなってきた。真央も同じ様子で、地面に倒れこんでいる。
「そっちの女の子は可愛いから動けなくして私のコレクションにしようかしら」
真央はその言葉を聞いてゾクリと鳥肌を立てているが、動けず歯をくいしばっている。
僕も手袋を外そうとするが、身体が思うように動かず手袋を外す事さえ出来ない。最大のピンチだ。少し気が緩んでいたと思い後悔する。
その後動けない僕を魔王は殴る蹴るの好き放題だ。ぼろぼろになり意識を失いそうになる。真央も必死に呼びかけてくるが、ヤバい状況だ。
その時次元壁が開き人が入ってきた。その人に魔王の能力を伝えなければならないが、口が開かない。真央ならと思い視線を向けるが、僕しか目に入ってないようで、今入ってきた人には気付いてない。しかもそんな泣きそうな顔はしないでおくれ。
人が一人入ってきた事により魔王の意識がそっちに逸れ、少しだけ時間が出来た。どうにかして手袋を外すんだ。




