7:授業2
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「じゃあ次は女神さまと魔法について勉強しましょう」
「「「はーい!」」」
良く晴れた昼下がり。
水の神殿のシスターを先生に俺と幼い子供たちは一緒に勉強している。
それはなぜかって?
そんなの知識レベルがその幼い子供たちと一緒だからですよ。
「この世界には7柱の女神さまがいらっしゃいます。光の女神サウレラス様、闇の女神セレネミス様、大地の女神テラース様、幸運と繁栄の女神ラクフォール様、自由の女神アウラシア様、水と再生の女神ティーリス様、そして火と戦の女神ペレリス様。この7柱の女神さま方のまとめ役は光の女神サウレラス様になります」
シスターが黒板に話しながら書き出していく。
「この7柱の女神さまには司る魔法属性というものがあります。これから書くことは重要なのでしっかりと覚えてくださいね」
シスターが書き出した内容はこんなものだった。
光の女神サウレラス様 光、雷
闇の女神セレネミス様 闇、呪い
大地の女神テラース様 土、金属
幸運と繁栄の女神ラクフォール様 運
自由の女神アウラシア様 風、植物
水と再生のティーリス様 水、治癒
火と戦の女神ペレリス様 火、身体能力
「ここに書いたように女神さまたちには得意な属性があります。そのため光魔法が得意なら光の女神サウレラス様、闇魔法が得意なら闇の女神セレネミス様を信仰するのが一般的です。ただ光の女神サウレラス様を信仰したからといってほかの属性、土魔法や水魔法、火魔法などが使えないわけではありません。より使いやすく、強力になるっていうことです」
信仰する女神によって能力値が変わるっていうのはまるでゲームみたいだ。
それにコロコロ信仰する女神さまを変えるのはよくないことだろうし、考えて決めないとな。
「では次は女神さまと国との関係です。どの女神さまを信仰するかは皆さんに任されていますが、国ではすでにどの女神さまを信仰するのかが決まっています」
そう言うとシスター再び黒板に書き出す。
光の女神サウレラス様 光、雷 太陽の国ソルソレイユ
闇の女神セレネミス様 闇、呪い 月の国リュヌモンド
大地の女神テラース様 土、金属 土の国ユニオンキース
幸運と繁栄の女神ラクフォール様 運 商業の国コメルシオ
自由の女神アウラシア様 風、植物 風の国ブライデリオン
水と再生のティーリス様 水、治癒 水の国ストホルム
火と戦の女神ペレリス様 火、身体能力 火の国マクマード
「このような感じで信仰する女神さまが決まっています。この水の国ストホルムでは黒板に書いてある通り、水と再生の女神ティーリス様が国の女神さまとして信仰されています。その結果、水の国ストホルムの民は水と再生の女神ティーリス様の加護を少しばかりですが、受けることができるのです」
ここで俺はなるほどと思った。
それは麗羅が水の国ストホルムに所属している理由だ。
聖女騎士という職業上、治癒能力を高めるために水と再生の女神ティーリスの加護がある水の国ストホルムに所属するのは合理的だ。
「ここで間違えてはいけないのは、例えば、水の国ストホルムにいる人物が光の女神サウレラス様を信仰している場合、その方は異教徒なるのかということですが、異教徒にはなりません。女神教では7柱の女神様を信仰するものになります。この7柱の女神さまを信仰している限り異教徒にはなりませんので覚えておいてくださいね。それともし異教徒の方を見つけた場合は皆さんが今いる水の神殿など近くの教会に知らせてくださいね」
俺はここで疑問に思った。
今の言い方だとこの世界には7柱の女神以外に神様がいるみたいだ。
そしてその神様を信仰した場合その人は異教徒となり、異教徒狩りの対象になる。
昔の地球でも異端審問や魔女狩りなどの異教徒に対して制裁を加えた過去があるのを知識として知っているが、異教徒狩りを容認するような言葉を聞くと心がもやっとする。
「ちなみにですが、篠様はどの女神さまを信仰されるか決めておられますか?」
シスターからの突然の質問に困惑する。
子供たちも俺の方を向く。
変なことは言えない。
もし言ってしまえば異端審問にかけられるかもしれない。
シスターは俺を試している気がして仕方なかった。
「さすがにこちらに来て1日も経ってないのに決めれないですよ。シスターはどの女神さまを信仰されているのですか?」
「私は水と再生の女神ティーリス様です。私というよりもこの水の神殿に勤めている神職の人は皆水と再生の女神ティーリス様を信仰していますよ」
「ということはシスターのおすすめは水と再生の女神ティーリス様ですか?」
「……篠様、信仰におすすめなどは存在しませんよ」
「そ、そうですよね。失礼しました」
「みなさんも人から勧められた女神さまを信仰するのではなく、自分で選び信仰してくださいね」
シスターの目からハイライトが消え去っていた。
シスターは腰あたりまでの伸びた金髪と修道服を身に纏うハリウッド女優並みに美しい容貌を持つ人。
そんな人がそんな目をすると恐ろしいものであった。
美人は怒ると怖いとはよく言うがまさにその通りだと思った。
それに海外では宗教の話はやめろと聞いていたが、まさか転移してからこのことを実感するとは思わなかった。
まあ向こうから振ってきた話だったので今回は避けようがなかったのだが。
次からは気を付けよう。
そう胸中で思うのであった。
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