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告白の旅へと出かけよう~親友に転移させられた俺は努力を重ねて彼女の下へ舞い戻る~  作者: 池春 藤斗


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16/19

16:旅をする理由

クリックしていただきありがとうございます!

ここで精霊魔法について整理しよう。

まず精霊魔法を使うには精霊と契約することが必須である。

精霊と契約できる数は一律ではなく、個人個人で上限がある。

契約できた精霊が多いほど精霊魔法の威力が上がっていく。

まだ確認はできていないが精霊にもランクは存在するだろうからそのランクによっても威力は変わってきそうだ。

まあこれは漫画やラノベでよくあることなのでそうなのかなって言う程度の憶測でしかないけどね。


「これで精霊魔法が使えるようになったっていうのはわかった。さてここからどうするかだが、近藤は『半径100キロ以内に人がいないところへランダムに転移するものだ』って言ってたよな。っていうことは小目標はレベルを上げつつ森を抜け出すだな。それにしてもマジックバックを取り上げられなくて良かった。この中にテントとか携帯食料とかが入ってたしな。取り上げられてたら不安で夜も寝れないぞ。不幸中の幸いってやつだな」


上を見上げると日が傾き始めているのが確認できた。


「今日はテントが出せる場所を探すだけだな」


30分ほど歩き回り、そこそこ開けた場所を見つけ、テントに魔物除けのアイテムを設置していく。

エレメイヤが言うにはここは初心者向けの森らしいので魔物除けのアイテムもしっかり役に立ってくれるだろう。

独りでの初めての設置だったため、そこそこ時間がかかり、設置が完了したころには完全に日は落ちていた。

焚火を起こし、ぱちぱちはじける音を聞きながら携帯食料を食べる。


「この音を聞きながら飯食ってたら父さん思い出すな」


父さんはキャンプ好きだった。

そのため夏になったらよく泊りがけでいろいろなキャンプ場を巡った。

どんな場所であろうと焚火を作りそれを家族で囲み食事をしていた。


「なんでこんなことになったのかな。俺何か悪いことでもした? 父さん教えてくれよ……」


独り暗い場所にいるせいか弱気になり、感情のしずくが頬を伝う。

卒業式という門出の日に異世界へと転移させられ、やっと転移したと思えば圧倒的に遅い転移で周りと実力は開き、親友だと思っていた相手には恋敵だという理由で極東大陸へと転移させられる。

ほんとなんでだよ。

そんな気持ちで溢れる。


「このまま父さんや母さんに会えないのかな……あっちではどんな扱いになってるのかな。失踪事件扱いになってるのかな。それとも生きていたという事実がなくなってたりするのかな。それは嫌だな。俺はずっと父さんと母さんの子供でいたいよ。そして俺と好きな人との間に生まれた子供を可愛がってほしいよ」


溢れる感情のままに零れ落ちる言葉。


「それにしても『好きな人との間に生まれた子供を可愛がってほしい』か。俺そんなこと考える人間だったんだな」


無意識に口から出たことにより今まで考えたことのなかった想いがあることを理解した。

そして好きな人の言葉が出た時に浮かんだ人物はただ一人。

成瀬麗羅。

幼馴染で初恋の女性。

誰よりも好きだと言える女性。

これからも一緒にいたいそう心から思える女性。

そんな想いを抱いている女性に魔の手が迫っている。

俺はその魔の手を防がなければならない。

近藤が言うには俺たちは両思いだ。

けど俺のこの熱い思いを麗羅に伝えたことは一度もない。

なら俺のこのどうしようもない気持ちを麗羅に伝えに行こう。


「いうなればこれは『告白の旅』だ。ただ戻るだけじゃない。麗羅に想いを告げ、結ばれるための旅だ」


俺の旅路に確固たる目的ができた。

ならやることはただ一つ。


「こんなところで弱気になってる場合じゃないな。気合を入れて明日から頑張らないと!」


俺は全力で自分の頬を叩く。

残っていた携帯食料を掻き込み、テントの中に入り眠りにつく。

今夜で俺の異世界で成すことが決まった。

どんな障害があっても乗り越えて見せる。

そんな決意に満ちた俺を見守るように焚火が温かく音を奏でるのであった。


翌日。

俺は精霊と契約するところから始めた。

契約相手に選ぶのは俺に興味をもって近づいてきてくれている精霊。

そんな精霊たちとひたすら契約する。

今は質より量だ。

最初に契約してくれた精霊が契約する精霊が増えれば精霊魔法も強くなる教えてくれた。

それにここは初心者向けの場所。

こんなところに大精霊などがいるとは思えない。

このようなことからそう判断し行動している。

それに一か所に留まるより動いた方が効率的だと考え、方位磁石で確認しながら南に移動もしている。

南に移動する理由は単純。

北大陸から遠ざかることを目的としているからだ。

極東大陸が北大陸より北側にあればむしろ近づいているので最悪な行動を起こしていることになるのだが、その点に関してはあまり心配していない。

理由は北大陸は寒冷地。

それに対して現在地は温暖な気候。

ここから南に行くのは比較的安全だと判断した。

そして歩いてると当然このようなことも起きる。


「おっと危ない。さっきのは何だ?」


青い何かが通り過ぎていった方を見ると、子犬ほどの大きさでプルプルしたものがいた。


「これはスライムか? しっかり経験値を稼がせてもらわないとな」


マジックバックをからエレメイヤと縁のある漆黒のナイフを取り出す。

にらみ合うこと数分。

スライムが突撃してくる。


「グフッ」


それに合わせてナイフを突き刺しに動くも、避けられ、反対にカウンターを喰らってしまった。


「重量中のボクサーにボディーに一発喰らったみたいに痛いじゃないか。魔物とたたかうのって楽じゃないんだな」


気合を入れなおし、避けては刺すを繰り返す。

10回ほどこれを繰り返したところでスライムは動かなくなった。


「よし、勝てた!」


時間にして30分ほどの攻防。

泥臭い戦い方であったが初めての討伐に嬉しさがこみ上げる。


「レベルが2になりました。3ポイント付与されます」


突如脳内にアナウンスが流れる。

驚きのあまり周りをきょろきょろしてしまった。


「取り合えず確認しないと。ステータスオープン」


名前       篠幸村

年齢       18歳

職業       見習い魔法剣士?

レベル      2

ユニークスキル  二刀流(雑魚) ツリーシステム 〇〇〇〇〇〇〇

スキル      ポイント取得数増加 熟練度成長率増加 複利

         2倍レバレッジ

称号       自然と調和の女神エレメイヤの使徒

その他      自然と調和の女神エレメイヤの寵愛

消費可能ポイント 3


アナウンス通りレベルがしっかり上がってる!

それに消費可能ポイントっていうのが追加されてる!

こういうのを見ると成長したんだと実感できるな。

まあまだスライム一体倒しただけだけどさ。

とりあえず今はポイントの割り振りはやめておこう。

これから出会う精霊たちの属性によってこれからの戦い方が変わるかもしれないしね。

現時点で契約できている精霊の数は6体。

緑色が4体と茶色が2体だ。

このような内訳のため、できれば緑色の精霊と数多く契約ができたらなと思っている。

思っているが来るもの拒まずの精神でやっているし、幅広い属性を使えればそれだけで有利になるので最終的にはあまり気にしないが。


そして南に進みながら精霊と契約し、魔物を倒すこと1週間。

俺の目の前には大海原が一面に広がっていた。

心地よい潮騒が耳に届き、癒しをもたらす。


「海岸に出たっていうことは極東大陸の最南部付近まで来れたっていうことだな。周りを見渡しても人が住んでる気配がないし、南に進むっていう考えは間違いだったか?」


どうやらこの森は大陸の最南端付近まで続く森だったらしい。

この間一人も人らしき人物とは出会っていない。

半径100キロ以内に人がいないところへランダムに転移する魔法陣の効果は伊達ではないようだ。


「ここは極東大陸。ってことは東大陸より東側にあるから極東大陸って呼ばれてるんだろうから、次は西に向かって移動だな。それにせっかく海に出たんだし、ここで水属性と思しき青色の精霊たちと契約していかないとな」


今のところ精霊との契約数が上限に達した感覚はない。

それどころかまだまだ余裕がある感じがする。

森にいた時と同様に海岸沿いを歩きながら精霊との契約と魔物の討伐を行い、レベルアップを図るのであった。


最後まで読んでくださりありがとうございました!


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