15:精霊と魔法
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目が覚めると俺は神域ではなく、木を背に座り込んでいた。
周りを見渡しても魔馬車やみっちー、いや近藤は見当たらない。
どうやら本当にエレメイヤの言う通り極東大陸に転移させられたらしい。
「それにしても東大陸と極東大陸ってどれくらい離れてるんだ? 日本と韓国程だったら希望は持てるが、日本とハワイみたいに離れてたら絶望的だな」
そんなことを口走っているとあることを思い出す。
「確か『亜人たちが大半の場所です。ここでは人間が嫌われています。理由は想像できますよね?』って言ってたよな。それに東大陸の奴隷って亜人が多いんだよな。ってことは思っているより距離は近いのかもしれないな。早く東大陸に戻って麗羅を魔の手から救わないと」
そう思い行動するべく立ち上がる。
「……あれ? なんで俺立ち上がれた?」
体を確認すると怪我した部分が治癒していた。
「エレメイヤが治してくれたのか? それとも加護の影響か? いや神域に行ったから治ったんだっけ? まあいいや。あれを見てみよう。ステータスオープン」
名前 篠幸村
年齢 18歳
職業 見習い魔法剣士?
レベル 1
ユニークスキル 二刀流(雑魚) ツリーシステム 〇〇〇〇〇〇〇
スキル ポイント取得数増加 熟練度成長率増加 複利 2倍レバレッジ
称号 自然と調和の女神エレメイヤの使徒
その他 自然と調和の女神エレメイヤの寵愛
「相変わらずSTRなどは記載されてないか。あと称号とその他っていうのが増えてるな。それにしても使徒はわかるが、寵愛ってなんだ?」
スキルと同じように触れると説明が出てきた。
自然と調和の女神エレメイヤの使徒
私の使徒っていう証明よ。ありがたく受け取っておきなさい。精霊が見える精霊眼や精霊魔法が得意になったりするわ。しっかり使いこなしてね。あと毎日お祈りしてね!
by自然と調和の女神エレメイヤ
自然と調和の女神エレメイヤの寵愛
私たちの神生でたった一度しか与えられないものよ。愛情たっぷりのご利益満点だから毎日私を想って感謝しなさい!
by自然と調和の女神エレメイヤ
どえらいものをもらってしまったらしい。
女神が一度しかあげれないものを俺がもらっても良かったのか?
それに愛情たっぷりってなんだ?
まあそれだけ期待してもらってるってことかな。
これじゃあ無様な姿を見せられないな。
さてもう一度職業とスキルも一応見てみるか。
見習い魔法剣士?
職業なんてものに囚われてないで自分の道を進んでいこう! そうしたら職業も変わるはず!
by自然と調和の女神エレメイヤ
二刀流(雑魚)
魔法と剣じゃなくて精霊魔法と剣とかの武器の二刀流を目指そう! 精霊はわたしの管轄だから魔法を使うより簡単なはず! 剣とかは……頑張って! とにかく(雑魚)を外すことを目標にしよう!
by自然と調和の女神エレメイヤ
ツリーシステム
なんか面白いスキルもらってるね。これを使って強くなろう!
by自然と調和の女神エレメイヤ
〇〇〇〇〇〇〇
へぇーこんなの初めて見た。分からないから一旦保留!
by自然と調和の女神エレメイヤ
ポイント取得数増加
なかなか使えそうなスキルね。しっかり働いて幸村に貢献しなさい!
by自然と調和の女神エレメイヤ
熟練度成長率増加
あなたも『ポイント取得数増加』と同じよ! 森の脱出に貢献しなさい!
by自然と調和の女神エレメイヤ
複利
今あなたは必要ないの! 今幸村に必要なのはすぐに強くなるスキル。何とかしなさい!
by自然と調和の女神エレメイヤ
2倍レバレッジ
これこそ今幸村に必要なスキルね。じゃんじゃん魔物を倒してばんばんレベルを上げなさい! リスクなんて無視よ無視! 幸村ならできる!
by自然と調和の女神エレメイヤ
説明の内容が変わってるよ!
これって変わるものだったんだ!
それに「by自然と調和の女神エレメイヤ」っていうのがあるってことは前回のは別の女神が書いていた可能性があるってことじゃ……
初めの説明はいったいどの女神が書いてたんだ?
もし女神教が信仰する女神だったらまずいんじゃないか!?
異教徒狩りの対象としてロックオンされてそうだ。
まあその時はその時で何とかするしかないな。
そのためには早く強くならないと。
それにしてもさっき会ってた時の性格とこの文章の性格が違う気がするぞ。
それにスキルに命令口調って女神の言うことなら聞きますってか?
スキルっていったい何なんだろうな。
そんなことなどを思いながらステータスを閉じる。
「じゃあまずは魔法が使えるかの確認だな。授業の時は一切使えなかったけど今はエレメイヤの使徒になったおかげで精霊魔法が使えるようになったと思われるからそれを試してみようか。……っていうか精霊魔法ってどうやって使うんだ? 精霊に命令する感じか? それとも精霊と仲良くなることで使える感じか? どちらにせよ精霊は見えた方が良さそうだけど精霊ってどんなのだ? 精霊眼っていうのが使えるみたいだけどどうすれば……」
そんなことを思っていると視界がいきなりセピア色に変わり、いなかったはずの生物たちがあらゆるところに出現しだす。
もしかして精霊眼が発動してるのか?
確証が持てないが恐らくそうだろう。
たまたまかもしれないがこんなにも精霊が至る所にいるとは思わなかった。
鳥や獣、虫など様々な姿かたちをしているが共通しているのは色だろうか。
大体が単色で緑や茶色がこの場では多くいる。
漫画や小説とかだと色が示すのは属性というのが多いがここでもそうなのだろうか。
よくわからないけど一番近くにいる緑色の小鳥に話しかけてみよう。
「こんにちわ。君は精霊ってことでいいのかな?」
言葉での返事はなかった。
ただ首を縦に振ったので意思疎通はある程度できそうだ。
「君は何ができるのかな?」
小鳥は羽を羽ばたかせるとミニ竜巻が発生した。
「風を操れるってことかな?」
小鳥は首肯する。
「なるほどね。俺が精霊魔法を使うってなった場合、君は俺が何もしなくても手伝ってくれるのかな?」
小鳥は首を横に振る。
「契約が必要ってことかな?」
小鳥は首肯する。
「契約は君としたらほかの精霊とはできなくなったりするのかな?」
小鳥は首を横に振る。
「契約できる数に上限ってあるのかな?」
小鳥は首肯する。
「それって一律で決まってるのかな?」
小鳥は首を横に振る。
「じゃあ精霊と多く契約できればできるほど精霊魔法の威力って上がるのかな?」
小鳥は首肯する。
「ここって現実世界になるのかな?」
小鳥は首を横に振る。
「じゃあ現実世界に顕現できたりするのかな?」
小鳥は首肯と首を横に振ったりを交互に行う。
「なるほど。いったんここまででいいや。ありがとういろいろ教えてくれて。お礼に君と契約したいのだけどいいかな?」
小鳥は首肯すると俺の肩に乗ったと思えばいきなり虚脱感に見舞われる。
それと同時にセピア色の世界が色鮮やかな現実世界のものに切り替わる。
「さっきのは魔力が吸い取られたってことか? 魔法を使ったことが無いからよくわからないな。まあいいや。次にどうやって精霊魔法を使うかだけど手始めに道具に風を纏わせられるかを試してみるか」
マジックバックからゴミ扱いされた錆びたナイフを取り出す。
事前にエレメイヤの言っていた通り錆は一切なく、闇より黒い漆黒のナイフになっていた。
「ずいぶんと綺麗なナイフになったな。エレメイヤに縁のあるものなんだからうまくいってくれよ」
ナイフに風が纏わりつくのをイメージしながらうんうん唸っているとナイフを中心に風が出現した。
「で、できたぞ! よっしゃー!」
片手を突き上げ、ガッツポーズを決める。
苦節3週間ほど。
魔力はあるのに魔法が使えないという訳の分からない状況から抜け出せた。
風と言ってもそよ風にも満たないものであったが、オタクの俺が初めて魔法を使えたという事実に心が躍り、感激するのであった。
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