第3話―3 奈落の女魔導戦士:3
俺とアリシェラは、アリシェラが発動させた灯明の魔法によって、視界が若干広がった奈落流刑地を探索している。
「えっ? コトバ君が私の魔法をワードドレインできない理由? あー、それは無理でしょ」
「なぜだ? アリシェラが使える魔法をワードドレインでき――」
《『ステータスオープンー!』》
ワドラ……元気なのは良いが……。
『ステータスオープンー!』からのステータス表示を何回もやられると考えると、流石にビビるな。
「聖精霊ワドラ様、もしかして無理な理由をコトバ君に教えてくれる感じ?」
《『モチロンさ、アリシェラー!』》
「じゃっ、ワドラ様、お願いします」
《『はいはいー! コトバさー、アリシェラの魔法はー、その魔導剣を介して発動するタイプの魔法ー、だからワードドレインはできないよー』》
「アリシェラが腰に着けた鞘の中にある魔導剣?」
なぜアリシェラを治療した魔導剣が関係しているんだ?
「えーと、コトバ君。アトリュードはね、私が生まれたラングウォルド家に代々受け継がれ、アトリュードに選ばれた後継者にしか扱えない魔導剣なの」
「魔導剣に選ばれた者にしか扱えない……か」
「そう。あとね、この世界には『ワード魔法型』と『スペルズ魔法型』がある」
「ワード魔法とスペルズ魔法?」
「そう。ちなみにアトリュードはスペルズ魔法型魔導剣……、だからコトバ君は私の魔法をワードドレインすることはできないのよ」
「そういうこと、か」
「そういうこと。聖精霊ワドラ様の力とコトバ君のワードドレインの力で、この子を複製することは流石に無理でしょ」
そうか。
俺はこの世界に来て直ぐ、この奈落流刑地へ追放されて、さっきアリシェラと知り合ったばかりだ。
アリシェラとアトリュードの関係は、この世界に俺が来る前からあるっぽい。
この傷を治療してくれた命の恩人であるアリシェラから、ワードドレインしようなんて……俺らしくもない。
《「シシシシ『――』ルスシシシシシシネ『――』トシシシシ」》
ん? なにか今聞こえた……。
アリシェラの後ろに鎌みたいな影?
「後ろだ! アリシェラ!」
「えっ?」
《「シシシシス『――――』ト!シシシシネ」》
「よっと!」
アリシェラの首を狙った二本の大鎌は、アリシェラが咄嗟に避けたことで、狙いが外れた。
「なにコイツ、いつの間に!」
「スキャン!」
《『シシシシシス『――』ス!シシシシシ』》
消えた?!
でも今の奴のスキャンは完了していたみたいだな!
【アンデ・サイス・リーパースパイダー LV.110】
【DHP 2500/2500 MP 45/50】
【SP 195/200 DP 0/0】
【WL保存可能スキル ・??? ・???】
あれが蜘蛛かよ、明らかに前足が大鎌だったぞ……。
「コトバ君、どうするの?」
「俺達を狩ろうとしているアイツの放ったワードさえ分かれば、またワードドレインできるかもしれない」
「よし、分かったわ! じゃあコトバ君、やるよ!」
「ああ、アリシェラ!」
ここで死ぬわけにはいかない!
第3話―3 奈落の女魔導戦士:3 完。
第4話―1へつづく!
【七色言刃のワードライブラリ】
・スキャン ・ソニック ・カース
・ヘヴンリークレンジングソニック
・ソニックスキャン
[ヘヴンリークレンジングソニック]
[消費MP 50]
コトバがアンデソニックバットからワードドレインしたカースソニックを、ワドラがコトバ用の魔法に変換する過程で、ワドラが持つ邪な概念を打ち消すコクソウキの力で、カースから聖属浄化性の真空刃の力となったワード魔法。




