第2話ー3 奈落の斧狼:3
俺はワードライブラリから造った魔法である[ソニックスキャン]を使った。
声の主である女性が、アンデアクスットウルフと戦っている場所は、ここから然程も離れていないみたいだ。
「ワドラ、どういうことだ? 俺以外にも流刑地にいるやつがいるのか?」
《『ん? そうみたいだねー! コトバはどうするのかなー?』》
(どうするのか、だって?)
「もし仮に、相手が話の分かる生存者であれば、協力関係を築いて、この真っ暗闇な世界から脱出できる可能性が高まる、的な感じだ」
《『なるほどなるほどー! じゃっ、コトバ! 女の子を助けに行きますか!』》
(なんでワドラの方が俺よりノリノリなんだよ)
「とりあえず、声を拾った方角はこっちだな」
俺はステータス画面の光とソニックスキャンで聞こえる声を頼りに、生存者がいる場所へ向かった。
しばらく後……
光を頼りに、声が発生していた場所付近に到着すると、兜と鎧を纏った人が倒れているのを見つけた。
「遅かったか……でも、一応念のため……スキャン」
これがこの人のステータスか……。
【アリ『――』 ・シ『――』ス・ラ『――』ド ◇◇歳(女)】
【LV.◇◇ HP 10/◇◇◇ MP10/◇0◇】
【装備 ◇導◇ア◇リ◇ード】
【ワードライブラリ保存可能スキル 無】
《『あちゃー、やっぱりねー』》
「やっぱり? どういう意味だ?」
《『コトバはこの人と会うの、初めてだよねー?』》
「そうだが、それがどうかしたか?」
《『初めましてな人の情報、ましてや話したこともない相手をスキャンしても、情報は隠れるよねー!』》
「た、確かに」
「う………あ……」
《『コトバ、この人……まだ生きてるよ、コトバはどうするのかなー?』》
(どうするもなにも、まだ生きているなら……)
「ス……ル、リ……フ……ア」
「ん? この人、今なにか言わなかったか?」
《『言ってたねー。コトバ! あれを見てー!』》
「あれ? ……あれは!」
ステータス画面の中にいるワドラが指を指した先にあったモノは、真っ暗闇の奈落流刑地を照らす、翠光の光を放つ剣らしきモノだ。
「これはなんだ? 剣か……」
《「応急の治癒が終わったのね……危なかった……、あの時、魔力切れを起こしていたら、この闇深き奈落流刑地で我が命を散らすところだったわ、ありがとうアトリュード」》
(ん? 後ろから声?)
《『コトバ、この人ー、起き上がったよー!』》
「見れば分かる、ワドラ。あの瀕死状態か――」
(あれ? 目の前がくらくらしてき――)
《「キミ! こんな場所――――」》
【HP 5/100】
意識がとおの――――。
第2話ー3 奈落の斧狼:3 完。
第3話ー1へつづく!




