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第8話―3 奈落流刑地からの脱出鍵:3

 奈落流刑地の長い洞窟を抜けた先に広がっていたのは、真っ暗闇の世界。

 でも今までと違うのは、風を感じるということ。

 風が吹いている暗闇の世界で、アリシェラが見つけた小屋へ俺達は向かった。

 ◇奈落流刑地 風場の域 第四小屋◇


「は、早く閉めて、スウォードさん!」


「すまない、ラングウォルド殿」



 なんだよあの強い風は……暴風かよ。



「扉を閉めたら風も聞こえなくなったな、ワードソード〈ファイライト〉」


「明るくなった……、この世界の魔法はこんな事もできるのか?」


「ナナイロ殿、この世界の魔法は自分自身の内に秘めたる想の心、つまり想心〈そうしん〉と自身の経験によって、自然会得していくものだ」



 自分自身の想心と経験?



「なるほど、アリシェラとウィンドラがこの世界でどうやって生きて、経験を積んだのか、俺は知らないしそれは逆も同じだろ?」


「そうね、コトバ君が本来いるべき世界の事は、私とスウォードさんも知らない」


「うむ。ただ、今は三人で行動を共にしている。それだけは確かなことだ、ナナイロ殿、ラングウォルド殿」


「ああ、だから俺は……俺にできることがあるなら、それが最終的に家族の元へ帰る方法に繋がるのであれば、色んな経験をこの世界でしないといけない」



 色んな経験をこの世界でする前に、まずは奈落流刑地を脱出しないと始まらない。

 奈落流刑地を脱出した後も、チートスキルを持つ経験を積んだアイツらと再会する時が来るはず。

 もし再会したアイツらが家族の元に帰る為の邪魔をするなら、その時、俺は……。



「ナナイロ殿、ラングウォルド殿、自分は少し眠る、其方達も少し休んだ方が良いのではないか?」


「ええ、歩き続けて疲れたし、少し休むわ」



 ウィンドラとアリシェラは眠ったみたいだな。

 つか二人共、椅子に座りながらよく眠れるな……。



「ステータスオープン」


《『ワドラマジック! アトリュソウルズ・ヘヴンズスト――、あっ!』》



 ワドラ……。

 アトリュソウルズを使って、何をやっているんだ。



《『コ、コトバ、どうしたのー?』》


「いいや、この真っ暗な奈落流刑地へ来てから、ようやく少しだけ安心して休めるな、と考えていてな」


《『ふうん、まぁーそういう時間も必要な時はあるよねー』》


「ああ、アリシェラとウィンドラがいてくれるおかげだ。もちろん、俺のステータス画面の中で、その魔導剣を使い遊んでいるワドラもな」


《『ああー、この魔導剣はねー、想いを持たぬ一本の剣にー、奈落流刑地で命を落とした者達の想いがー、長きに渡り集まってー、魔導剣アトリュソウルズとしてー、生まれ変わった姿みたいだねー』》



 ただの剣が長い時間をかけて、奈落流刑地に追放された者達の想いが集まりできた魔導剣、か。



「なるほどな、アトリュソウルズも色んな体験と経験をしてきた者達の想いが宿っている、だからアトリュソウルズという名前、か」


《『そーそうー! この世界で体験と経験をコトバと一緒に積むとー、この魔導剣も強くなる! そんな感じらしいよー』》



 そんな感じって……。

 でも、俺が無事に家族の元へ帰るまで、この知らない世界で生きるなら、武器を使う方法を学ぶことは必要だ。

 ワードドレインもアトリュソウルズも俺が持っている武器の一つ、勿論、アリシェラとウィンドラがいる事も俺が体験した結果から生まれた武器、ということを、俺自身が忘れたらダメなんだ。



「なるほどな……、なんか眠くなってきたし、俺も少しだけ休むよ」



《『はいはいー! 何かあったら起こしてやるから、安心しな』》



 ステータス画面の数字……、久しぶりに見たな…………。



【LV.50/INF】

【HP:175/500 MP:600/INF】

【WL容量:INF WL保存済みスキル:9】



《『最後の希望を宿す光石アトリビュートアブゾーブ、意思を持たぬ剣アトリュブランク、二つの力を合わせ創りし無想の魔導剣が、ようやく聖なる心を持つ者へ渡った、其方こそ最後の……』》



 これは……人か?

 アトリビュートアブゾーブ? 

 剣の中に埋め込まれている、この虹色に光る石が?



《『おい、コトバ! 少しは疲れも取れただろ? だからさっさと起きな』》


 ああ、ワドラ。

 大分疲れも取れたよ……。



《「そうか……、ここは古代……、の民が創りし……」》


《「……みたいですね、スウォードさん。あれ? コトバ君も起きたみたいです」》



 アリシェラの声でまた目が覚めるとはな。



「あ、あれ? 一体、俺はどれぐらい眠っていたんだ?」


「ナナイロ殿が眠っていた刻は大体、8時刻ぐらいだ」



 えっ? 

 俺は8時間も寝ていたのかよ。

 そんなに眠った感覚は無いんだが。



「ナナイロ殿が眠っている間、ラングウォルド殿と共にこの奈落流刑地について、二人で情報共有をしていたのだが」


「情報共有? さっき二人が言っていた古代の民がどうとかの話か?」


「あら、聞こえていたのね。小屋の中を探していたら、スウォードさんではない人が書いた書物があったの」



 これがウィンドラじゃない奴が書いた書物か。

 でもやっぱり文字が読めない!


「この古そうな書物には、なんて書いてあるんだ?」


「ナナイロ殿、この古代オルタシェイラ語で書かれた書物には、『この地は古代オルタシェイラの民が創りし、魔法修練塔と周辺域。しかし邪魔術により、奈落に呑み込まれ、アンデットが蔓延る穢れた邪域と化した』と記してある」



 はっ?

 奈落に呑み込まれた魔法修練塔だと?!



 第8話―3 奈落流刑地からの脱出鍵:3 完。


 第9話―1へつづく!

 【ワードライブラリ 保有ワード一覧】

 [・スキャン][・ソニック][・カース]

 [・ステルス][・ハント]

 [・エグゼキュート]

 

 【ワードライブラリ 保有KS式WM一覧】

 [・ステルスソニックスキャン]

 [・ヘヴンリークレンジングソニック]

 [・ヘヴンリーエグゼキュート]


 【ナナイロコトバ 装備】

 ・琴珠学園高校制服

 ・アトリュソウルズ

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