第1話ー2 奈落流刑地:2
本当にこれで良いのか? いいわけねぇーだろ。
今日は妹の誕生日。
学校が終わったら、プレゼントを買いに行く予定だったのに、台無しだ。
俺はこんな訳の分からない場所で、一人で死ぬのかよ。
《『ならば汝はどうしたい?』》
俺はこの暗闇の世界を、生きたまま脱出して、あの国王……いいや、日本に帰る!
《『我は想いを叶える存在、名をコクソウキと呼ぶ』》
想いを叶える存在……コクソウキ……俺は生きて、日本へ帰る! こんな想いもお前は叶えてくれるのか?
《『左様だ。汝と我がコクソウの契りを結べば、の話だ』》
こんな暗闇の世界で、大切な家族に会えないまま死ぬ、それだけは七色言刃である俺が許さない!
「ふ……悪魔に魂を売るよりかはマシ、か……、いいだろう、お前と契りを結ぶ!」
《『汝の名前は、七色言刃か……刻想、契約締結だ。コトバのハズレスキル:ドレインの解析開始……コクソウキにコトバの想いが刻まれた結果生まれた、ワドラであるワタシの力で、そのハズレスキルをチートハズレスキルに変えてあげる、その名も言葉を奪うチートハズレスキル:ワードドレイン』》
(はっ? お前、神様じゃねぇーのかよ、しかもワタシとか女かよ……、チートハズレスキル:ワードドレイン……はぁ、短い人生だった……)
その声と共に、俺の意識は遠のいた。
《『お主はオルタシェイラの勇者として、召喚されておきながら、忌々しい吸属の力を宿しておるだと? 貴様は生かしてはおけぬ! 国王が命じる、貴様は奈落流刑地行きである!』》
はっ? 俺は好きでこの世界に来たわけじゃねーよ!
《『コトバ、さっさと起きな』》
俺はその声で意識がはっきりとした。
「う……ここはさっきの怪物が出てきた小屋……」
目覚めた俺がいた場所。
それは、俺がさっき斧で斬られた、もぬけの殻の小屋だった。
《『コトバ、ようやく起きたか。喜べ、お前は生きてるよ』》
(はっ? お前は誰だよ、どこから俺に話しかけてるんだよ)
《『コトバの命を救ってやった恩人に対して、良い度胸じゃないか、ステータスオープン』》
その言葉のあと、俺のステータス画面が勝手に開かれた。
【七色 言刃 《ナナイロ コトバ》 18(男)】
【LV.2/INF HP30/30 MP:100/INF WL容量:INF】
【所属:刻想契約勇者 刻想契約主:ワドラ 刻想契約特典>>チートハズレスキル:ワードドレイン付与、ワードライブラリ保存領域:インフィニティ付与】
「なんだこれ? ステータス画面も白くなっているし、色々とよくわからない表示とスキルがある……」
《『それはー、さっきまで想いを叶える存在だったワタシとコトバが、刻想の契りを結んだ結果だよー!』》
その声が聞こえてきたのは、俺のステータス画面からだった。
「なんだよお前、そんなところにいたのか……つか人の妹の姿を真似すんなよ……いやでも、お前が俺を救ってくれた相棒ワドラ、とりあえずサンキューな」
《『なんのなんの、地球人との刻想契約はワタシ達は慣れてるからねー、例えばー夢の名の契約者、とか? 君は言の名を持つ契約者』》
「俺の他にもワドラと契約したやつがいるのかよ」
《『まっ、契約する直前までの記憶はあるからねー……でっ? コトバ、これからどうする?』》
「決まってんだろ、この暗闇の世界から脱出する」
俺は妹に誕生日プレゼントを渡すために、必ず日本へ帰る!
第1話ー2 奈落流刑地:2 完。
第1話ー3へつづく!
お読みいただきありがとうございました。




