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青春のクソページ  作者: ペアトップ
一章: 雑多なチュートリアル編

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4話 現実かゲームか否か


 ヘルズが言う面白い情報とは何なのか。彼女に耳を傾けながら近くの水を飲む。


「さっきメタクラックくんは外の敵を仮名として魔物と称したけど、世間でも同じ呼び方をするようにしたらしい。そして、彼らは人見ると無差別に襲ってくる言わば通り魔だ」


 大方それは俺もメタクラックも予想していることだ。外にいる化物ーー魔物というらしいが、やつは見た目からして理性のある生物だとは思えない。加えてどういう原理か宙に浮いている生物もいれば、驚くほど巨体の生物もいる。生物学的に違う以上襲ってくるのはなんとなく予想がつく。


「見た目も種類もバラバラ。多分魔法とかも存在するのかもね。まさに朝キュウタが言ったローファンタジーの世界そのものだ」


 魔法……という言葉に関しては何とも言えないが。たしかに、いきなりこの世界に魔物が現れたことを考えるとそう言うファンタジー要素ーー俺たち風に言うとゲーム要素があっても不思議じゃない。そこは同感だ。ヘルズは立ち上がるとマッキーを取りホワイトボードに書き出した。


「でも、どうやら魔物の中にはいくつか共通した特性があるらしい」


「特性?」


 後退してメタクラックがソファに座る。ヘルズはコクリと頷いた。


「まず一つ。彼らは現代世界の武器を使って倒すことが可能……という点だ。キュウタが集めた千差万別の武器。それらを駆使することで彼らを確実に倒すことが出来る。偶にあるでしょ。現代時代の武器が通じず、魔法ありきの武器じゃないとダメージが通らないって都合がいいのか悪いのか理屈の通らない頭の悪い設定。そういうのはないらしい」


 最近、無駄に流行ってるやつだ。ローファンタジーあるある。異世界生物は異世界物でないとなぜか攻撃が入らないという設定。よくあるのは自衛隊が銃で魔物を倒そうとしているシーンで何事もなく魔物が襲ってくるというものだ。ああいうの俺も嫌いなんだよなぁ。そりゃ魔法で結界を張れる生物とかならわかるけどさ。雑魚種も効かねえはもうご都合主義だろ。


「ま、これはこれから私たちが魔物と戦うにあたって知っておくべき前提知識だ。その心配は必要ないってことだけ頭に入れればいい。それより面白いのはここからだ。……キュウタ。私たちにとって都合のいい設定って何だと思う?」


「ん? 設定?」


「そう。魔物と戦う手段はある。その後どんなことが起きたら嬉しいかな」


「ん~そうだな……」


 どんなこと。

 実際に戦うことを想像しながら考えてみる。例えば包丁一本で戦ったとしよう。苦戦云々は置いといて倒すことに成功したとする。その後、どんな設定があればうれしいか。考えられるのはいくつかある。


 こういう世界観だと魔法が使えるようになるとか、スキルが使えるようになるとか。いや、わざわざ聞くってことはそう言うことではないだろう。もっと今後に関わってきそうなご都合主義……。と、そこまで考えてピンときた。


「まさか……レベルアップか!?」


「正解、100億点あげよう」


「まじで!? あんのレベルアップ!?」


 これにはメタクラックさんも驚きである。


「あくまでテレビ情報だけどね。魔物を倒した一般市民たちの情報では皆口をそろえてこう言ったらしい。”頭の中に突然機械音が聞こえた”って。つまりこの世界にはレベルという概念が作られている」


 ヘルズはホワイトボードに簡単にまとめる。


「それだけじゃない。どうやら魔法もあるみたいだね。それにスキルと呼ばれる特別な力も」


「おいおい、それもう完全にゲームじゃん! 製作者絶対RPG好きでしょ!」


「そんな大盤振る舞いしていいのか!? 好きに遊んでくれって言ってるようなもんだぜ!?」


 イージーゲーム。なんていう言い方が正しいかは分からないが、最早ローファンタジーというより普通のゲームと言ったほうが正しい。題材は地球だし、2、5次元のゲームみたいな感じか?いや、単純にVRゲームに近いものかもしれない。なんにせよ、外の魔物と戦えるような設定は作られてるってわけだ。


「もしかすると外がこんなのになったのは現代人のせいかもね。ま、そんなことはどうでもいいけど。そして最後に私からもう一つだけ面白い情報を教えてあげる。こっちも私達にとって都合のいい設定だ」


「まだあるのか」


「うん。これも伝えておかなきゃ後々困るだろうし」


 正直これ以上は頭パンクしそうなんだが。世界中に魔物が現れて暴れまわってて、そいつらを倒したらレベルアップできて魔法があって。まあ、一応ゲームや創作物で出てくる既存の設定と言えばそうだし、すぐに受け入れられるかと言えば受け入れられるけど。

 こうも連続で新情報が出されると現実とゲームの境目が分からなくなりそうだ。とりあえずヘルズの話を最後まで聞く。彼女はホワイトボードに何やら色々と書き記していった。


「ずばり、ドロップ品についてだ。やつらは倒すと素材を落とす!」


 これまたとんでもない情報を言い放つ。


「おぉ……それはおめでたーーーーってやっぱゲームじゃねえか!! 現実要素の方が少ない気がするんだけど!?」


「どういう理屈だよ! もう現実じゃなくてゲームの世界に入り込んだプレイヤーそのものじゃねえか!!」


「ちなみにステータスにはプレイヤー番号なるものがあるんだってさ」


「もう何でもありどころの話じゃなくねそれ!?」


「もはや2.1次元だろ! 技術の発展すげぇな!」


 結論、この世界はゲームであって現実ではない。いや、現実が舞台のゲームである。もっとも、相手は本気で殺しにかかってくる非人道的な魔物だ。攻撃されれば痛み100%のお届けに加え、死んだらそこでゲームオーバー。完全にノーストックサバイバルゲームである。

 そりゃある程度の譲歩もあるか。レベルやら魔法やらがないと俺たち一般人は何もできずに死ぬもんな。そこら辺は製作者の恩情ってことで。


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