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青春のクソページ  作者: ペアトップ
一章: 雑多なチュートリアル編

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15/20

15話 過ぎ去る青春は不穏な予兆か


 風呂上り、着がえ終わるとリビングへやってきた。あれからいろいろあって、リビングには隣の部屋のテレビを持ってきて、二つ並ぶようにして取り付けられている。テレビを見ながらゲームができるように二つ並べたのだ。大事な情報が流れてくる場合に備えてニュースを見逃さないように、と。喉が渇いたのでお茶を入れてカーテンも全開にする。窓は開けてもいいが、現在はエアコンも稼働させていることだし閉めたままにした。


「今日は曇りか。また雨でも降るのかねぇ」


 空は生憎の曇り模様、しかし、特に驚きもなければ寧ろいつも通りと言っていいほど慣れ親しんだ天気だ。

 この一か月、実のところ俺含むメタクラックとヘルズの三人は魔物狩りを行っていない。ここ最近は魔物を狩るための環境が全くと言っていいほど整っていなかったのだ。


 これはメタクラックがホワイトボードにまとめていることでもあるんだが、魔物が現れて翌日、ここらでも類を見ないほどの大雨が降っていた。そして、それは止むことなく、一週間ずっと続いた。うちは庭の奥に小さな溝があり、その奥に道路、深めの用水路、最後に山が続いているのだが、大雨が降り続ければどうなるのか。そんなの想像に易い。

 大体三日目あたりだったか。降り続ける雨に遂に耐えられなくなった用水路は氾濫を起こし、道路が完全に川になった。深さは20センチくらい。見たことがないほどに深い川が形成された。幸い、結界のお陰で水がこっちに流れ込んでくることはなかったが、おそらく結界がなければ庭は完全に水没してだろう。結界様様だ。

 それだけじゃない。うちから少し坂を上ると池があるが、そこも溢れ出して大量の水が坂から流れ落ちた。自然堤防が決壊したってわけじゃなく、多分雨が降りすぎて溢れ出したって感じだ。そのせいでもともと水量がとんでもなかった道路にさらに加えられる水。その時の迫力やいなや……正直興奮を通り越して恐怖すらあったほどだ。

 もし、あの時結界が壊れていたら庭のみならず一階まで浸水していたと思われる。ここは山の上だというのに、それでも浸水するレベルだ。あの時はマジで死ぬかと思ったし、雷も相まって心臓バクバクだった。


 まあ、そう言うわけでゲームをして丸一日三人で過ごしたのは言うまでもなく、外のハラハラ感もあって中々に盛り上がったのも言うまでもないだろう。ゲームは一日一時間、とはよく言うがうちは現在親もおらず外にも出れない状況。おまけに学校もないとなればそりゃもうやりたい放題だからな。しっかり12時間くらいはゲームしていた。ちなみに、オンラインはまったく音沙汰なかったのでオフラインだ。もし誰かしら反応があるなら情報交換の一つでもしたかったけど、流石にこんな状況でゲームをしてる奴なんてそうそういない。みんな生きるのに必死だろうからな。


 テレビの情報では、この雨で一番被害がデカかったのは大阪らしい。ここ周辺で言うと岡山の倉敷市が洪水の被害がやばいんだと。今俺がいる場所が岡山県の坂野原市だから、場所的には大体車で1時間くらいの距離になる。画面に映る映像には完全に水浸しになった倉敷市が映っていたし、復興はそれなりの時間がかかるだろう。シラトに魔石を入れればどうにか修正は効くかもしれないが。


 ちなみに、雨が降り始めて2日目くらいに、魔物の死後、その原因が人だろうが魔物だろうが雨だろうが絶対にドロップ品を落とす、という情報を手に入れたので試しに家の庭から山の間で巨大なネットを張って、川に流される死骸(ませき)を丸ごと回収しようぜ!みたいなノリになったんだけど、結局川の流れが強すぎて失敗した。

 途中まで40個くらい集まって「これいけるんじゃね!?」とその収穫に盛り上がってたんだけどな。あまりの強風と水圧、魔石以外の素材とか諸々引っかかったせいで重みに耐えられず、網が切れて流された。萎えたのでリベンジはしなかった。


 なお、日本を襲ったのは雨だけじゃない。雨は一週間で止んだんだが、今度は霧と黄砂が日本を襲った。霧は一メートル先くらいが限界なほどの濃霧で、黄砂もまるで砂漠で強風でも吹いてんのかってくらい何も見えないほどに舞っていた。

 雨と同様、それも期間としては一週間くらい。当然魔物狩りなどできる筈もなく、というかそこまでリスク取っても旨味がないので、俺たちは家でゲーム&外でバスケをして遊んだ。あ、あとUNOとかもしたか。雨と違って結界が壊れるかも、とか心配してなかったし単純に楽しんでたな。

 テレビではやはりというべきか、かなり死者が出ているとの報道もあった。が、まあそれはしんみりするから別にいい。ただでさえ雨が降って何万人も死んでんだ。魔物の被害は数十万単位だろうし、今更天気で人が亡くなったと言われても驚きはない。


 そして、霧・黄砂に続いて降ってきたのは雪。雪に関しては怖いのが積雪だな。積雪は約2メートル程降り積もった。ここでそんなに降ったことは今までの人生で一度もなかったので驚いたが、まあ雨と霧の様子からして一週間降るであろうことと、その間猛吹雪になるのは予想していたのですんなり飲み込めた。

 当然、魔物狩りはできなかったので、じゃあ雪だるまでも作って遊ぼうぜってことで結界の外から雪をたんまり持ってきて雪だるまを作った。ついでにかまくらと雪合戦。いやぁ、あれは楽しかったな。雪のいいところは魔物が接近してきたらわかるということと、毛布のように柔らかいから飛び込んでも大丈夫ということだ。前者は雪の中から突進してくる魔物もいないわけではないだろうが、まあその可能性は低いし、後者は家の屋上から飛び込んでもまったく痛くないという最高のアトラクションが完成する。俺もレベルが上がって12になってたから屋上に上るのは容易かったし、全力で遊べるのはやっぱいいよな。レベルが上がってまるで体力を残したハスキーみたいな状態だったのだ。はっちゃけられんのは最高だった。何なら二週間降ってきてもよかった。


 そして最後。雪が降り終えると今後は地震が起こった。これは大体震度5くらいの地震が何度も起こるって感じだ。日本じゃ毎年そのくらいの地震が起こるからそこまで警戒することではないかもしれないが、それでも世界中に魔物が現れた後ということもあって何が起こるんだって感じの恐怖を感じた。人によってはかなり怖いだろうな。俺も実際怖かったし、これが一週間不定期となると魔物と戦いにも行けやしない。もし戦闘中地震が起こって体勢を崩せば命取りになるし、その間大怪我でも負えば二人から笑われる。加えて、その一週間は雪を解かす目的でもあったのか猛暑でもあった。色々と状況が重なって狩りに出るのは無理との判断した(メタクラックも同様)。


 


 そんなわけで、この一か月魔物を狩りに行けずずっとくすぶっていたわけだが……色々と物思いにふけっていたら空が晴れた。現在時刻13時11分。午前中は地震もなく、雨も揺らず雪も降らず、霧も黄砂もなく、猛暑日でもなく、様子見もかねてバドミントンで時間をつぶしていたが。

 そんな午前が過ぎ去り、午後は快晴。温度は午前中調べたがまったく問題なし。多分今も変わってない。いよいよ、外で遊べる時が来たということだろうか。


「おっ、いい天気じゃん。やっとメンテナンスが終わったのかな?」


「メタクラック」


 メタクラックも風呂から上がり、タオルを首に掛けながら隣にやってきた。


「念の為、この一か月の新情報でも整理して今後の計画でも立てようか。色々とごちゃごちゃしてたからね」


「だな。レベルが上がったからか、体力が有り余ってしょうがない。できればさっさと頭ん中整理して、外で体を慣らしたいな」


「同感。けど、また一か月前みたいのは勘弁だよ。次はメガホン禁止で」


「言われなくとも。俺ももうコリゴリだあんな乱闘」


 一か月前のハチャメチャ戦闘が懐かしい。もうあんな無茶はしたくないな。まあ、あの戦闘があったおかげでこの一か月魔石を切らすことなくシラトの結界を持ちこたえることができたんだが。もはや結果論過ぎて笑えねぇ。


今日の投稿は以上です。

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