26、告白
結局悶々と考えられる場所が前国王の離れ、フロエド城しかなく•••
逃げ込んだ先で前国王夫妻と何故か一緒にお茶をしていたギルベルト宰相、三人の祖父母に相談しました。
前王妃のアイシャお婆様は、いつも穏やかな笑顔で出迎えてくれます。
話を聞いていたラバンお爺様は
「リアンカはその護衛騎士••カイトと言ったかな?をどう思っているのかな?」
徐ろに言ったその言葉に、何故ここでカイトの話に?
と思いつつも体は正直で•••顔が赤くなるのを自覚しながら
「私は一国の姫です。た、例えカイトを思っていても、政略的な婚姻をしなければいけないと分かっているのです•••
本心を言うならば、昔のように何の柵もなく過ごして他愛もない話をして••
カイトの元気になる紅茶を飲みたい••。
カイトと共に••••居たい。
でも、王女の身で考えたらカイトを好きとか、側にいてほしいとか、護衛を離れてすごく不安とか思う事は、出来ません•••!」
「リアンカちゃんは本当に素直なのね〜
こーんなに可愛い孫を取られるのはとても寂しく感じるけれど•••
この事は息子達に任せましょう。ねぇ、あなた。」
ベソベソとお婆様に抱きついて泣き事を言っていたら、お婆様には珍しい威圧を放った声に驚き顔を上げました。
ラバンお爺様は苦虫を噛んだような表情で「う、うむ••」と一言。
お婆様は私の頭を撫でながら、でも••と続けました。
「リアンカちゃん、知識が役に立つのは確かよ。いつかリアンカちゃんの助けになる日がくるわ。頑張ってみなさい。」
確かに•••私は魔法も剣術も武のセンスがないようで、唯一の得意分野が逃げ足ですから。
私は王家の人間なのに、風属性しか使えない。
しかも単一属性ですら極められない•••
何とも情けない自分に嫌気がさしそうです。
「分かりました••出来るところまでやってみようと思います。」
何となく知識をつける事は大切な事なのだなと思っていた時、そこまで言葉を発せずにいたギルベルトお爺様が徐に
「武を学ぶとは己に負けぬ心を磨く事。知を学ぶとはより視野を広くする事。
リアンカ、争えばまた争いとなり確執を生む。落とし所が必ず必要となると、いつも言っていただろ?
それを見つける為にも知識は必要な事ぞ。
それにリアンカは気にしているが、風魔法の疾風は上から二番目の上位魔法だ。そこまで行く事すら難しいのだぞ?自信をもちなさい。」
「己の心を磨く事、視野を広げる事•••
まだまだ私には足りないものですね•••
そうですね••、知る事で回避出来る事柄があるのなら、それは知っておくべき事なのですものね!
お爺様方、お婆様、ありがとうございました。私頑張ってみます!
王家の人間なのに単一属性の魔法しか使えない自分が恥ずかしく情けない思いでいたのですが•••、お爺様の言うように諦めず心を磨いて頑張ろうと思います!
そしていつか•••皆様やカイトの役に立てる時が来たら嬉しいです•••!」
そう答え三人に辞去の挨拶をして自室へと戻りました。
「入りなさい。」
そうアイシャが声を掛けると、カイトが入室してきた。
三人の元へと呼び出されたカイトは、少し前からドアの向こう側で待機していたのだ。
カイトは騎士らしく片膝を付き礼をしつつも、その顔は赤く先程の話が聞こえていたのは明らか。
「そなたがカイトか?分かっていると思うがリアンカは王女である前に、我々にとっては可愛い孫だ。
決してリアンカが泣く事がないよう最善を尽くすのだ。
この国のこの先に起こる未来をそなたに託そう。良いか、間違っても命を投げ打つような事はするなよ。」
リアンカの前でのみ見せる可愛らしい祖父母の姿は、そこにはなかった。
「必ずや。」
気を引き締めたカイトも強い眼差しで三人に向き合い、そう答えた。
カイト去った後には、面白そうに笑うアイシャと今にも泣きそうなラバン、快活に笑うギルベルトの姿があった。
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