24、勝負
えーいこうなったら自棄だ!とばかりに今度は騎士団長であるカイトのお父様ライズ団長に突進しました。
「ライズ団長!部下である騎士達が大勢いるのは分かっております。
毎日の激務で一人一人に目を配れない事も分かっているつもりです!
ですが、こうも毎回騎士同士で喧嘩?勝負??とにかく、怪我をされているのは
いかがなものかと思うのです!!」
ライズ団長は私のように目を白黒させた後
「ガハハハハハハハッ!あぁ、本当に姫様は面白いですな!!
私は久々に涙するほど笑ってしまいましたぞ。」
豪快に笑ったと思ったら今度は失礼な言葉を言うところは親子ソックリだと、見当違いな事を思っていたら
「その怪我をさせた本人に何て物申すおつもりだったのでしょうか?
カイトが怪我をするので手加減せよと?
それとも、喧嘩なんてするのではないと?」
ライズ団長がいつの間にか目を鋭く細め、私に聞いてきた言葉にライズ団長から仕掛けられた勝負な気がしました。
一度頭の中で一番伝えたかった事は何だろうと考え、やはりこれしかないと思いました。
「いいえ、喧嘩や勝負は時に大事な事なのだと私も多少なりと理解しているつもりです。
ですから、それを止めるつもりはありません。
ですが、毎度毎度子供の喧嘩ではないのですから、武だけが勝負ではないと言いたいのです。人である以上、心も伴っています!
だから、話し合いを挟んだり落としとどころを見つけるのも必要です!
男性は特に力とは武と思いがちです。
それだけではない事をお二人にお説教するつもりでいたのです!!」
言っているうちに、両の手を握って力説していたようです。
「ほぉ、武ではない解決法•••ですか。」
「そうです!争いは争いを生むように、互いに納得出来ない事もまた確執を残す。
だから互いに満足と行かなくとも落とし所を探すのが大切、といつもギルベルト宰相が口癖のように言っていました。
私はカイトの傷ついた姿を見て、漸くこの言葉の意味を理解しました。
ですから、傷つけ合う事以外の解決法を望んでいます!」
私が言い切った瞬間誰しもが息を飲んだようになりました。
私の言葉が何かダメだったのでしょうか?
一瞬の沈黙を破ったのはライズ団長でした。
「ふぅ•••カイト、私達はどうやら、いつの間にか思い上がっていたようだ。
そう言えば、先代のじー様も言っていたな。
〝武人とは武を尊ぶ人の事。だが、人である以上心を忘れてはならぬ〟とな。
••••姫様はどうやら人心を忘れぬ方のようだ。カイト、是が非でも手離すでないぞ。」
ライズ団長のその言葉の意味が分からないのですが、カイトは真剣な表情で頷かれていました。
「カイト?どう言う意味です?」
「何でもありません、リアンカ姫様。
姫様には心配かけてしまうかもですが、もう少々お時間を下さい。」
カイトのその表情は、真っ直ぐで今何を言っても無駄なのだと悟りました。
説得がうまくいかなかったのだと、眉を下げしょんもりしてしまったのは致し方ないです。
「あぁー、姫様。次の勝負は武ではなく、互いの落とし所によって解決すると約束しましょう。ですからご安心下され。」
その言葉に目を見開きライズ団長を見つめました。
「姫様の言葉、しかと届きました。
ですが、これはどうしても必要な事。
どうぞご理解頂けますよう、切に願います。」
ライズ団長に、カイトに頭を下げられては頷く他ないと思いました。
閲覧いただき、ありがとうございます。
誤字・脱字等ありましたら都度訂正していきます。




