19、帰還
ユウタ医師の帰還する日が来てしまいました。
見送りをするため、魔法陣が敷かれた部屋ー陣の間ーへとユウタ医師と携わった人達と来ています。
あれから色々とあり、これからの事を考えられずにいたのです。
涙を流した次の日、ハンナには取り乱してしまった事を謝りました。
そして、今の事を考えなければと気持ちを切り替えた、の•••ですが!
何故かカイトは私の護衛を外れる日が多くなり、顔を出す度に怪我をしてくる姿を見るようになったのです。
理由を尋ねたのですが全く話してくれなく、もやもやしていた時にハンナに
「姫様、男として勝負の時なのでしょう。このような時は見守っているものですよ。」
と意味の分からない事を言われてしまいましたが、それでも今はそっとしておくべきなのかと捉え、カイトへ聞き取りをするのは諦めました。
そのような状態ですから、医師達の報告を聞くのが精一杯でした。
ユウタ医師による実地研修は屍の山を築いたのと比例して、医師達も知識を吸収していったようです。
ですが、やはりと言うか•••まだまだ分からない症例もあるようで一様に不安との言葉を吐かれていました。
ユウタ医師にとっては長い期間だったかと思いますが•••、私達にとっては短い期間だったように思います。
ーー陣の間にてーー
「ユウタ殿、一ヶ月と言う期間の滞在本当にありがとうございます。
我が国にとってとても貴重な知識や技師を授けて頂き、感謝しかありません。
其方が授けてくれた事を活かし、我が国のみならずこの世界の人に役立てるよう今後も精進していきます。
その返礼として、ユウタ殿が望んだ物を用意したので是非お持ちになって下さい。」
「ありがとうございます。私もとても貴重な体験と経験をさせて頂きました。
この世界から夢を通じてコンタクト取って頂いた時もこの世界に来た瞬間も、夢を見ているのではないかと思いましたけど•••
でも、この世界に来て自分に大切なものを見つける事が出来たので良かったと心から思ってます。」
その言葉は召喚させてもらった側からしたら、真に理解出来るとは思えませんが
自分に置き換え、全く知らない世界で知り合いのいない環境は••考えるだけで震えるほど恐怖だと思いました。
その中で一ヶ月もの間、一度も拒否や逃げ出す事なく笑顔で接してくれたユウタ医師の心は偉大だと思いました。
魔法陣が発動し、ユウタ医師の姿が薄れる瞬間ハンナに向かって何か言っていたように思いましたが、生憎と聞き取れませんでした。
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誤字・脱字等ありましたら都度訂正していきます。
次回投稿予定は4/29日です。




