18、画策
カイトはハンナから聞かされたリアンカの縁談話についての衝撃から一瞬目の前が暗くなった気がした。
だが〝共に在るための努力〟と言うハンナの言葉はしっかりとカイトに届いていた。
諦める事や幸せを願うと言う言葉を吐きつつ、実際はただ逃げていただけ。
現実から目を逸らしていた己の心が浮き彫りになった気がした。
カイトは自分に与えられた部屋へ戻り、どうすれば目標を達成出来るかを考え始めた。
戦略的思考で••••
本来カイトは負けず嫌いで諦めの悪い性格なのだ。それに加え武人ならではの思考、つまり脳筋的思考の持ち主でもある。
それが、ことリアンカに対してだけ正反対になっていたのはーーー
「ただの臆病者だったんだな••。」
思わず呟いた自分の言葉にカイトは苦笑した。
そして、ここ暫く見せた事のない鋭い眼差しで「誰にも渡さない」と独りごちた。
決意してからのカイトの行動は早かった。
リアンカの護衛する時間は減るも、自身の父親である現騎士団長へリアンカの縁談相手の情報など引き出す為の、交渉と言う名の剣技勝負を仕掛けに出掛けるようになったのだ。
武の家には力での勝負でしか、納得させられないと互いにそう認識していたからである。
その中でカインは、この縁談はこちらからリアンカが嫁ぐ意味(政略と言う名の一種の人質である事)を知り衝撃と焦りを感じた。
しかし、護衛騎士の自分に出来る事はたかが知れている。
他の誰かにリアンカが渡ってしまう事は考えたくもない事だが、人質となる事は死んでも我慢に耐えれない。
リアンカの平穏な生活の為ならば、王女と比べる事も痴がましい取るに足らないこの命を差し出しても良い。
そう新たに決意し、奔走した。
リアンカは見る度に怪我の増えていくカイトが気にかかるも、何度聞いても理由を教えてくれない事にやるせなさを感じていた。
「姫様、男として勝負の時なのでしょう。このような時は見守っているものですよ。」
とのハンナの言葉にリアンカは、納得はしないも追求を諦めた。
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