17、嗚咽
ネイバル城に戻り三日が経ちました。
ユウタ医師の帰還まで後四日。
正直まだ知識も技術もユウタ医師に到底及ばないまま帰還となる事に不安を覚えましたが、こればかりはどうする事も出来ません。
そんな事を頭の中で考えながらお父様からの呼び出しに応じていました。
「•••えっ?申し訳ございません、お父様もう一度お聞かせ願えますか?」
「隣国のサバリナ王国より縁談の打診があるのだが、リアンカはどうだろうか?」
お父様から放たれた衝撃の言葉に、頭がついていけなくなりました。
いつかこのような日が来るとは覚悟していたつもりです•••
ですが、この言葉に視界が真っ暗となり心臓も止まったのではないかと思いました。
「本来召喚をする事は禁止されているのは知っているな?
せざる得ない場合には各国から承認を取らねばならない。
しかし、サバリナ国からの承認だけは保留のまま要望期限が過ぎたので行ったが、あの国からしたら"強行"と捉えてもおかしくないだろう。
両国との間で会談や親書でのやり取りをして来た中で出たのが縁談だったのだ。だからどうだろうか?」
その言い方はずるい•••ずるいずるい!
問う形であっても強制ではないですか•••!
私にはどうする事も出来ないのを分かっていて、そのような言い方するなんて•••!!
胸が苦しくて、助けを求めるように頭に思い浮かべたのは••••カイトただ一人。
気付いたら自室のソファーに座り込んでいました。
どうやってここまで来たのか、そもそもお父様に何て答えたのかすら記憶がありません。
「姫様•••?どうなさったのですか?」
「•••っ!」
ハンナの声を聞き感情が爆発したかのように、ハンナに抱きつき涙を流してしまいました。
ハンナを慌てさせてしまい、申し訳ないのですが••今は何も考えずに泣かせて下さい。
泣き疲れて寝たリアンカをカイトが抱えハンナと共に寝室まで連れていった際
「やっぱり、姫様に縁談の話が来ている噂は本当の事だったんですね•••」
カイトはそんなハンナの呟きを拾い一瞬息が詰まって、リアンカを抱えた腕に力を入れた。
ハンナがそれを見て、徐々に目を細めて睨んでいた事にカイトは気づかなかった。
カイトは目を瞑り何かに葛藤する姿を見せてから、大切な宝物のようにそっとリアンカをベッドへと寝かせ部屋を出た。
その後ろ姿を見ながらハンナは
「男ならビシッとしなさい!共に在るための努力をしなさい!」
と器用に小声で喝を入れた。
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次回投稿予定は4/26日です。




