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例えば男女比1:30の世界で、例えばそんな世界だからこそ免罪符で女の子に……とかないんだがっ!【アイスピックでそれを突き刺せよっ!!】  作者: Nomulesse oblige
第三部

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第95話 友人の家で遊ぶのは結構気を使うよね。

 寝起き。

 寝て起きてまず、最初にすることは水を一杯ほど、口に含むこととしているのであるが、今日は違った。ふとスマホに目を遣ると通知の燐光が見えていた。

 俺は現代人の性には逆らえず、一瞥した。

 勿論、華月さんからだった。


 内容はどうせ勉強会だった。

 寝起きにはキツイくらいのショッキングな内容だ。だからなのか、俺はスマホをほっぽり投げて、布団に篭ることにしたのだ。


 ああ。決してサボろうとした訳ではない。現実が受け入れられなくなっただけなのだ。

 常日頃からの逃げ癖が反射的に発動しただけなのである。

 ついでにシャットダウンもしてしまったのだ。


「ねえ、いい度胸かしら」


 寝ぼけているのか、部屋にはいるはずのない華月さんが威風堂々と立ち尽くしていた。

 おいおい。まだ夢を見ていると言うのか。


「華月さんいつの間に不法侵入したんですか?」


 桜場さんやあるまいし。


「へえ。不法に時間を反故にして、私は四季くんの訃報が待ち遠しくなってしまうことよ」


 何を物騒なことを言ってくれるんだ。


「それにしても貴方、寝ていても電話には取りなさいね。折角私が掛けてあげていると言うのに。逆に迷惑を掛けないで」

「寝ながら、電話に出るなんて無理じゃないか」

「それはまあ。なんとかしなさい」

「てか、やっぱりそれにしてもどうやってこの家に入ったんだ!?施錠は完璧なはず……」


 鍵とか掛けたよな?

 窓は……それは自信ないな……。


「扉からよ」


 やっぱり俺が施錠を忘れていたのかも。


「いやいや。ちゃんと施錠されていたわ。開けても貰ったのよ。妹さんに」


 あー。あー。そういえば、あの話2章だか、3章だかの間くらいに俺の家に招いたいたことがあった。その時に妹と出くわして、ゲームに興じていたはずだ。もしやして、俺がお茶やら、コーヒーやらか忘れたけれど、それを入れている間連絡先でも交換したんじゃないよな?


 俺が声に出さなくとも睨みつける。

 この考えていることがさも正解のように、莞爾かんじな顔をお見舞いされた。

 連れていくんじゃなかった。


「ついでに、昨日のメンバーも勢揃いよ」

「こんにちわ」


 星宮が華月さんの後ろから覗かせている。いつか誘って遊ぼうとしていたものの、俺が隠キャのコミュ障なあまり誘えていなかったので、行幸ぎょうこうとも言えた。


「星宮も来たんだ」

「あ、う、うん。まあね」


 気まずそうにぽりぽりと頬を掻く。

 

「何?呼んじゃいけなかった?」

「いやいや、嬉しい。嬉しい」

 本気で嬉しい。ただ言い方が悪かっただけだったから。あの人よりも嬉しいから。


「で、さっきまでいたのだけれど、神々聖良が……」


 ぎょっとした。

 されども行幸の逆も同時に訪れていた。俺の家に来たって何をされるか分からない。と、言うか、聖良さんが自分より早く起きれたことに意外性を隠しきれない。


「四季くんの家に行くからって言ったら、一つ返事で了承したわ。それまで既読もつけないで、ホーム画面で通知を見ていたようだけれど」


 なんてことだ。彼女もといカノジョが自分の家にいることは想像以上に惨憺たる思いだ。

 妹なんかと鉢合わせでもしたら大変だ。

 何を激詰めされるかたまったものではない。


「い、妹は……。どう……」

「妹さんなら私たちを入れてどこかへ出掛けていったわ」


 ふう。取り敢えず一息つけるといったところか。

 聖良さんが俺のカノジョ(?)的存在であることはバレちゃあいない。


「ああ。一つ伝言、神々聖良みわせいらが話していた《《こと》》って何?帰ったら話があるからだってさ」


 あ。どうしようもなく終わったじゃないか。俺は。

 別に好きでもない……人を唯一の肉親に紹介されて、外堀を突貫工事で埋められている気がしてならない。


「その肝心の聖良さんは姿を見せないけれど?」

「あら。さっきまでついて来たのだけれど……」


 おいおい。迷子っこじゃないんだから、しっかり保護者には着いていけよ?教育はどうなっている。教育は。

 そうか今から教育するんだっけ。

 しかし、場所に検討が付かない訳ではない。十中八九、一階のテレビの前にでもいるのだろう。俺はパジャマ姿で、一階へ下る。


「おっ、ダーリン」


 彼女は無断で、許可なくテレビにゲーム機を突き刺し、今は懐かしのレトロゲームに遊興していた。


「やあ。目覚めは最悪だ」


 なんだ。お前は俺の敵なのか?


「まあ、まあ。貴方まだゲームをするの?飽きないわね」


 味方は華月さんだったらしい。業腹だというか言わんばかりの怒りを露わにしている。


「結音ちゃんもする?」

「私は大丈夫よ。上手すぎるから、ボコしてしまうわ」


 妹とやっていた時もほとんどゲームしていなかったのに文字どうりそうしていた。


「じゃあ一戦交えましょうよ」

「まあ。いいわ。それをしたら、ゲームは没収よ」


 母親みたいなことを言い始めた。幼少期くらいまでしか言われたことないことを言っている。


 まあ。結局は高校生であった。

 四戦くらいして、完封してから、勉強会は始まった。

 華月さんは有言実行の塊みたいな人だった。

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